アニメ・ゲーム・漫画業界のクリエイターの皆さん、こんにちは。ビ・ハイアの床井です。アニメ・ゲーム・漫画業界のクリエイター採用に特化した求人サイト「ラクジョブ」の運営に日頃より関わっています。
今回は、「転職」の話題です。職場を移ると言う事はいうまでもなく人生にとって大きなターニングポイントです。個人にとって決して失敗したくない、まさに「正念場」ですよね。しかし、転職というのは多くが「失敗」という結果に終わると言う事を知っていましたか?こちらのデータをご覧下さい。
転職経験がある人はそうで無い人に比べて、平均生涯年収が3000〜4000万円程度下がってくるという事実が分かります。それもそのはず、転職先では常に「新人」からのスタートです。当然今までの職場で培ってきたスキルや経験が通用しない場所でやっていくわけですから、収入が低いところからのスタートになる事は想像に難くありません。また、日本の企業は多くが勤続年数によって給料を高めて行く傾向があり、それはクリエイターにとってもある程度当てはまります。「仕事によって得られる収入」ということにフォーカスした場合、多くの転職は「失敗」に終わってしまう。それが現実なのです。
しかしもちろん、転職をしたいと思ったときに、その理由が収入だけであるとは限りません。
こちらの調査をご覧下さい。
https://nikkancareism.jp/archives/55604
https://next.rikunabi.com/01/honne2007/honne2007_01.html
いずれの調査にも、「同僚や上司との関係」や「社風に合わない」などの理由が転職理由の上位にランクされています。
これらの理由はいずれも「人間関係」が大きな理由になっています。
確かに、毎日顔をつきあわせる職場の人間と折り合いがつかないことのストレスは大変なものだと思います。
特にクリエイターにとっては、指示を振ってくるディレクターやプロデューサーとの関係は大きいのではないでしょうか。ディレクターの指示の出し方や仕事の進め方に対して辟易とする、そんな経験は多くの方に覚えのある物だと思います。
さて、人間関係を理由に転職をした場合に、その転職は上手くいくでしょうか?
私は上手くいかない方が多いと思います。
こちらの調査をご覧になってください。
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2014/2829.html
雇用者の職場におけるストレス源として、「同僚との人間関係」「上司との人間関係」が一位と二位を占めています。つまり、職場におけるストレス源が「人間関係」であるのは、誰もが一緒なのです。人間関係に関連することを理由に職場を離れても、また同じような問題に直面する可能性が高いと言えるでしょう。
さて、これまで転職が「失敗」してしまう理由について説明してきました。ここで皆さんに考えてもらいたい問題があります。そもそも皆さんは、何を求めてこの業界で働こうと思ったのでしょうか。それは収入でしょうか。将来の安定でしょうか。社会人としての居場所でしょうか。おそらく違うと思います。皆さんは、この業界で自分のゲームを作れるクリエイターになりたい、だとか、自分がファンのアニメの制作に携わりたい、だとか、何かしらの志を持ってこの業界を選んだはずです。
弊社呼びかけのもと、
「ゲーム業界で働きたい会社ベスト5、働きたくない会社ワースト5」について、その理由も含めて調査をした事がありました。
(→https://raku-job.jp/news/recruitment/784/)
働きたい会社ベスト5の企業は、年収順に並んだ訳ではありませんでした。あくまで仕事の内容であるとか、リリースされる作品の質などについて言及した投票者が多く、それを反映したランキングになったのです。これはゲーム業界の話ですが、多くクリエイターの方というのはこう言う物だと思います。
そんなクリエイターの方が転職したい。そう思ったとき、二つのケースがあると私は思います。一つに、今の自分の待遇や職場の人間関係について不満があるというケース。もう一つは、もっとやり甲斐のある仕事につきたい。更に自分のスキルを磨くのに、今の環境では物足りないなど、クリエイターとしての向上心から動機が来ているケース。
前者については、今一度、「自分はどうしてこの業界に入ったのだろう」と自分に問いかけてみて下さい。それは生活するためのお金を得るためでしたでしょうか。自分に居場所が欲しかったからでしょうか。そうであっても構わないと思います。そうであるなら、今自分が居る環境に居続けることは、その為に相応しい環境でしょうか。
そうした判断をする際に、「客観的なデータを参照する」ということは、是非心がけて欲しいことです。自分の今の雇用条件は、他の業界と比べて良い物なのかどうなのか。今転職をするという選択は、生涯年収という観点から見てどうなのか。目先の不満に惑わされることなく、今の自分のおかれたポジションを冷静に俯瞰するために、次のようなデータを参考にしてもらいたいと思います。
ゲーム開発者の平均年収、既婚率は 初の実態調査
ゲームジャーナリスト 新 清士
https://www.nikkei.com/article/DGXBZO04316990Z10C10A3000000/
アニメーション制作者実態調査(JANICA)
https://www.janica.jp/survey/survey2015Report.pdf
後者の方については、今の環境でもっと出来ることはないか、一度立ち止まって考えてみて下さい。人事担当の人は、転職の際にあなたがこれまで自分の仕事にどう取り組んで来たのかを良く見ています。人事の方に話を伺う機会は多いですが、「一つの職場でどのくらい頑張れたか」を気にする人は多いです。例えばデザイナーとして3年やった後で、現場のリーダーとしてプログラマーとのコミュケーションもこなしつつゲーム開発を丸一本こなした経験があるなど、履歴書にハッキリとかける実績のある方はやはり強いです。30歳を超えて、単なる現場作業員を超えた幅広い経験を積んでいるにはやはり、一つの職場でスキルを積み上げて認めてもらう、というフェーズが必要になってきます。特にディレクターやプロデューサーとして活躍したい、と考えている方にはこうした経験が必須になってくると言って差し支えありません。今の職場で、まだまだ頑張れると判断したなら、もう少しやってみてから満を持して転職をしても遅くないと思います。
転職は冒頭にも述べた通り、成功させることが難しいものです。しかし、確かに環境を一変させ、自分の望むクリエイターとしてのキャリアを実現させて行くのに、これ以上の機会はないとも言えます。
いずれにしても、正しいデータや知識に基づき、判断をする材料を揃えて欲しいと思います。そのためのお手伝いとして、この文章を書かせて頂きました。考えに考え抜いた後の選択であれば、後は自分を信じるのみです。自分を採用するかどうかは、採用担当の方が決めるのですから、自分にできることは最善を尽くすことだけです。まさに「人事を尽くして天命を待つ」。いざ転職したい!となったら、是非ラクジョブにお問い合わせを下さい。沢山の求人情報が集まっています。あなたのベストな転職活動をサポートさせて頂きます!