株式会社Cygamesが漫画事業「サイコミ」をスタート!のニュースから 電子漫画アプリの現状について

スクリーンショット 2016-07-13 11.01.21記事を読んで頂きありがとうございます。今回の記事では「Cygamesが漫画事業をスタート」という記事から、今後の電子漫画市場について考えましたという記事です。

「グランブルーファンタジー」などの作品で知られる株式会社グランブルーファンタジーは、新規事業として、「サイコミ」というオンラインで漫画を著婿との出来るサービスを起ち上げました。

「サイコミ」には、「グランブルーファンタジー」や「神撃のバハムート」など、人気ゲームのコミカライズを中心として、読み切りのオリジナル作品なども揃っています。個人からの原稿持ち込みなども受け付けており、2016年6月時点では の品揃えを誇る電子漫画プラットフォームとして成長しています。

サイコミURL:https://cycomi.com/

「サイコミ」はネットでもアプリでも読むことができ、スマフォでも読みやすい縦読み型になっています。参考記事:https://raku-job.jp/news/companyrep/19129/

Fotolia_99119858_Subscription_Monthly_Mサイゲームスのメディアミックス戦略

Cygamesといえば、最近アニメ事業にも積極展開を始めた事でも知られています。アニメの美術背景会社である「草薙」を子会社化しました。早速作った「神撃のバハムート GENESIS」には、総額4億円の制作費という、一般的なTVシリーズの予算を大幅に超える額で制作しました。結果的にこの作品はファンの好評を得ました。

資本力もあり、「グラブル」や「神撃のバハムート」などの強いコンテンツを持つサイゲームスは、他のメディアにおいても充分にコンテンツの訴求力を生かして活躍しています。電子漫画事業と同様、媒体を問わず面白い作品であればファンは付いてくるものです。こうしたメディアミックスの動きは、より良いコンテンツが消費者の元に届けられる仕組みが確立していくのがサイゲームスの狙いです。

comic3-850x537電子書籍市場の動向

さてここで、電子書籍市場の現状についてまとめてみましょう。全体の傾向で言うと、漫画市場自体は出版点数も下がりマーケットが縮小しつつあります。しかし電子媒体は右肩上がりに増え続けており、今後の伸びしろが期待されます。電子コミックはタブレット、スマートフォンで読むことが出来るので持ち運びに便利です。また、日本では一本あたりのコンテンツの単価も紙媒体よりも1から5割程度安く、現在の消費者のニーズに適っています。

市場がだんだん大きくなっているのが現在ですが、電子コミックの運営会社は混線が続いています。「ICT総研」の調べによれば、電子書籍ストアの利用率は一位の楽天kobo電子書籍ストアでも6.6%程度、二位のkindleストアでは6.5%、三位のhontoは3.7%と、まだ大きなシェアを持つストアがありません。

shutterstock_294148979-330x220-330x220完全無料でも、ファンに愛されるサイコミ

サイゲームスの「サイコミ」は、完全無料で提供されており、毎日更新がされています。ゲームのファンに取っては、毎日自分の好きな作品の世界がアップデートされていくような感覚があり、ゲームと合わせて楽しめるため好評を博しています。

サイコミのようなモデルの電子漫画のアプリとしては、他にも「マガジンポケット」、「グノシー」、「少年マガジン+」などがあります。サイコミと同様に完全無料にしているアプリもありますし、アプリ内で部分的に有料課金にしているものもあります。電子書籍のアプリ自体も乱立状態であり、有効な課金モデルやジャンルの棲み分けが確立していない状況があります。

現在はソーシャルゲームでも、Youtubeでも、あるいはfacebookなどのSNSの利用も、全てが一つの端末で処理出来る時代です。言い方を変えれば、1日の可処分時間のかなりの部分を占めるメディア利用時間を、一つの端末の中でいくつものサービスが奪い合って居る状況であるとも言えます。電子コミックはいくつも存在するコンテンツの中の一つです。その中でいかにユーザーを立ち止まらせ、一つのサービスをリピートしてもらうか。一つの有効なモデルとしてサイコミは参考にする事ができます。面白いコンテンツこそが愛され、人気を博して読まれていくのはどんな時代であっても変わりませんが、それをよりユーザーに便利な形で提供することについて、今後どのような仕組みが定着していくのでしょうか。今後もウォッチを続けて行きたいと思います。