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2016.01.06 アナログからデジタルへ移行するためのマインドの作り方 アニメ業界激震!!デジタル作画へ本格移行!?

annnokantokuアニメ業界激震!!デジタル作画へ本格移行!?

ちょっと前にもアニメヤバい、という話がありましたね。

昨年の夏、「新世紀エヴァンゲリオン」などを手がけた庵野秀明氏が「日本のアニメは5年ほどで崩壊する」と発言したという報道がなされ、関係各所に波紋が広がったことがありました。

その後、すぐに庵野氏から、いろいろ話したものをまとめられてあのような表現をされてしまったということで誤報と反論の発言がありました。

庵野秀明、「日本のアニメは5年ほどで崩壊する」というニュースは「誤報」と反論
https://www.cinematoday.jp/page/N0074989

そちらでの発言の中には、

引用始め
「確かに日本のアニメ業界は厳しい状況にある。ただ展望がないわけではない。今はなんとかなるんじゃないかということと、なんともならないんじゃないかということがせめぎ合っている感じですね」
引用終わり

この、「なんともならないんじゃないか」となる要因がまた一つ増えてきてしまいました。

iroenpituアニメ業界を青ざめさせた死活問題!生産終了する「硬質色鉛筆」ってなに?

引用始め
三菱鉛筆が発表した「赤」以外の硬質色鉛筆の生産終了だ。死活問題となっているのは、日本の大きな産業、アニメ業界だ。この事態に、とうとう日本アニメーター・演出協会も乗り出す大騒ぎになった。結果、三菱鉛筆株式会社と協議を重ねて、当面の間は「赤」以外の「水・黄緑・橙」についても継続販売されることになった。
引用終わり

この件がどうアニメ業界とつながってくるかの前に、そもそも硬質色鉛筆とは、なんなのかから説明すると、鉛筆に10Hから10Bまでの芯の硬さの違いがあるように、色鉛筆にも硬質(Bから2B相当)、中硬質(5Bから6B相当)、軟質(10B相当)と硬さに違い

参考
https://www.mpuni.co.jp/museum/qa/mistery06.htm
https://www.mpuni.co.jp/customer/ans_69.html

があります。その色鉛筆の中でも硬い方に分類されているのが硬質色鉛筆です。ただ、私たちが一般の生活で絵を描いたり、色を塗ったりする時は、中硬質の色鉛筆を使うそうなので影響は少ないそうです。

shutterstock_222538939今回、話題に上がった硬質色鉛筆は、色鉛筆の中でも硬い部類に入り、特に芯径の細いものに関しては、グラフや図面を書く時によく使われています。しかしながら製図の場面でもデジタル化がすすみ、需要がどんどん減っているそうです。それによって三菱鉛筆は、硬質色鉛筆の「赤」以外の生産を昨年内で終了することを決定しました。そこで最も影響を受けるのがアニメ業界です。日本のアニメーションは15年ほど前よりセルアニメーションからデジタルアニメーションへと移行してきました。しかしながら作画の部分に関しては、未だに手書きで行われています。ベテランアニメーターになればなるほど慣れ親しんだ鉛筆でのタッチを大事にしているのです。鉛筆でのタッチや感触、飛び散る黒鉛の雰囲気まで、そこまでのこだわりや技術の探求があったからこそ、今のアニメーションが支えられており、数々の有名なアニメや一部のコアなファンから称えられる神作画なるカットが生まれてきました。

今回の件に、危機感を持ったアニメ業界は、業界団体である日本アニメーター・演出協会までも動く事態となっています。その後の三菱鉛筆との交渉で、12月1日に「赤」に加えて、「水色・黄緑色・橙色」の販売も当面継続することになりました。「「黒」「赤」があれば大丈夫じゃない?」と思うかもしれませんが、アニメの作画はそう単純なものではありません。輪郭の黒の他に、影の部分との境目や髪や目、その他の装飾などパーツなどで色を分けます。すべてを1色の線で表現するとどれが何の線なのかわからなくなってしまうそうです。

shutterstock_126773180このように決着し、一旦は凌ぐことができそうですが、需要が増えないことは変わらないので、生産がいつまで続くかは不透明とのことです。

これは、今働いているアニメーター、これからアニメ業界を目指している、目指そうとしている人にとっても大きな転換点でしょう。今、働いているアニメーターは、将来くるであろうXデーのために、どれだけ準備ができるかに掛かっています。三菱鉛筆がこのまま永遠と需要の少ない硬質色鉛筆を作り続けるとも思いませんし、アニメ業界やその他の業界からアニメ業界のために硬質色鉛筆を作るために参入するとも考えづらいです。そのため、最終的には、アニメーターがデジタル作画にできるようになっている必要があるでしょう。

とあるアニメ会社で、デジタル作画に特化させた部署だと約3年で手書きの速さとクオリティーをもった原画マンまで育てられたそうです。こちらの会社の場合、新人から育てての話なので、経験者がやればもっと早く対応できるかもしれません。

これからアニメ業界を目指す人にとっても影響は大きいでしょう。いままでは、紙と鉛筆があればいくらでも練習できましたが、機材を使わなければならないということもあり、初期投資に少々の資金が必要となってきます。しかしながら、これからどんどんスキルを蓄えていく方達ですから、鉛筆でなければ書けないという方は今のアニメーターの人たちに比べればはるかに少ないです。もしかしたら将来就職する際は、デジタル作画のスキルを問われる時代が来るかもしれません。そのような状況になったとしても対応できるように今のうちから準備しておくことは大切です。

そんなこと言っても長年鉛筆でやってきたんだからそんなの無理だよ・・・できっこないというアニメーターさんもいるかもしれません。前述で紹介した会社さんのように対応にできるようになった例もありますし、そういう方向けのオススメの本もあります。

41SGavravHLそれが苫米地英人著の「TPIEプログラム コンフォートゾーンの作り方」です。まず、コンフォートゾーンの説明をすると、自分が今いる環境や状況のことを指します。この中で行うことは、緊張や不安がなく最大限のポテンシャルを発揮して動くことができます。例えば、サッカーで言えばホームとアウェイの関係で、大抵ホームのチームの方が有利に試合を展開するように、ホームのチームは自分たちのコンフォートゾーン内で試合を行っているので、最大のポテンシャルを発揮し試合をすることができるのです。アニメーターで置き換えてみれば、現在の鉛筆と紙で書く状態です。では逆に、コンフォートゾーン外で作業をするとどうなるか、それは緊張と不安で自分の持った能力を十分に発揮できなくなります。この本には、コンフォートゾーンの外側で作業するためにはどうしたらいいのか、その外側をいかにコンフォートゾーン内にするかの方法が書かれています。詳細は本をお読みいただければと思いますが、簡単に説明すると、今あなたの持っているあなたのアニメーターとしての目標を徹底的にイメージし、そこから見たときの自分の悩み、手書きかデジタルかが本当に問題なのかを考えます。「あんなアニメを作りたい」「あの人みたいになりたい」「みんなに感動を与えるようなアニメを作りたい」などなど色々あると思います。ではそれが達成できるとして、手書きかデジタルは果たして問題なのでしょうか。もちろん手書きには手書きの良さがあることはわかりますし、自分のスキルを最大限出し切ることができるでしょう。しかし、いつかは無くなる硬質色鉛筆のことを考えれば、どちらでも対応できるようにマインドを整えておくことは重要だと思います。

TVアニメタイトルが年間250本以上、劇場版やOVAが100タイトルほど制作されている今、デジタルへの転換はかなりハードなものになるでしょう。しかしながら、アニメの1ファンとして、作品数が減るのはしょうがないにしろ、デジタル作画にしなければならなかったからクオリティーが保てませんでしたというのだけは、アニメファンなら誰しもが避けて欲しいと思うことでしょう。

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