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2016.05.04 アニメ 地下鉄に乗るっ! クラウドファンディングで支援が殺到! アニメゲーム漫画をまちおこしに使うときの注意点とは

地下鉄に乗る!クラウドファンディング締め切りは明日26日

京都市営地下鉄のPRコンテンツ「地下鉄に乗るっ!」がアニメ化に向けてクラウドファンディングによる出資を呼びかけ、最初の目標金額を大きく上回る700万円(下記記事報道時)を達成しているというニュースが注目を浴びています。

京都市営地下鉄のキャラクターを使ったアニメ企画にクラウドファンディングに支援殺到

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https://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20160424/E1461461819330.html

(引用開始)
「地下鉄に乗るっ」の活動の主たるものは、京都市営地下鉄のホームにキャラクターがデザインされたポスターを貼ることで地下鉄乗車促進に寄与することだ。
以前、地下鉄の職員が描いた素朴な絵柄の「太秦萌」というキャラクターを、京都のデザイン会社(株)GK京都のディレクションのもと、京都出身のプロのイラストレーター賀茂川がリファインして洗練させ、新たなキャンペーンがはじまったのが、2013年。

ポスターの絵柄がかわいいので目を引いたのはもちろんだが、人気に拍車をかけたのは、2014年に放送された2本のアニメCM。YouTubeで京都に住んでいる人以外も見ることができて一気にメジャー感が出た。1年間で再生回数はのべ15万回を超え、海外からも注目されるほどに(萌えキャラ@京都 って外国人に受けそう)。
このキャラが登場してから地下鉄利用者も増えているという。

(引用終わり)

京都市営のコンテンツでありながらクラウドファンディングとはこれ如何に?と思われた方がいらっしゃるかと思いますが、今回の出資呼びかけはもちろん京都市によるものではなく、民間による呼びかけです。

京都市営地下鉄は財政難

クラウドファンディングのページをご覧にれば、「地下鉄に乗るっ!」がどのような経緯で制作されたのかが分かります。京都市営地下鉄はその工事に莫大な費用がかかってしまいました。走行費はなんと8500億円。その理由も古都京都ならではで、工事をすすめるたびになんと遺跡を発掘してしまい、その調査に費用を使わなければならないのでした。さらにバブル期に東西線の建設を行ったため、建設費が高騰し、完成までに8500億円かかってしまったとのことです。さらには利用客も伸びず大赤字経営というふんだり蹴ったりな状況がながらく続いています。

少しでも状況を改善しようということで、2010年に若手職員増客チームである「燃え燃えチャレンジ班」を結成し、そのPRキャラクターとして生まれたのがメインキャラクターの一人である「太秦萌」だったのです。職員の絵のうまい家族に描いてもらったとのことで、その財政難具合が伺えます。それから徐々にプロジェクトが展開され、2013年にはプロイラストレーターを起用したPRポスターが作成され、本格的にプロジェクトが始動します。利用客も増え始め、2014年度の決算では5年前の10分の1以下の9億円の赤字となっており、キャラクターコンテンツのパワーが伺えるものになりました。

(参考:「経営難の京都市営地下鉄 女子高生キャラで改善なるか?

クラウドファンディングが大反響

100万円の目標金額からあれよあれよというまに、600万円の制作ボリュームである「本編分数5分に増加と新グッツの政策決定」という掲載されている制作ボリュームの中で最高のレベルに達しています。現在は締切間近ということで、目標金額1,000万円、出資金額8,862,000円にまで出資額がアップしています。長く息が続くコンテンツを目指すため、今回のクラウドファンディングで制作するものはショートアニメに留まるとのことですが、「最終的な目的は長編アニメ化」であり、今後の展開に期待が高まります。

wst1511050052-p2まちおこしにキャラクターを起用する時の注意点

画像は産経WEST「色っぽ過ぎる海女キャラ「碧志摩メグ」公認を撤回…海女さん309人署名 作者申し出 三重県志摩市」より

今回のニュースはアニメクリエーターに対してはもちろん、財政危機に陥っている公共団体や地方自治体に対しても、もしかしたら突破口になるニュースになったのではないでしょうか。参考にするには打って付け!と思われるかもしれませんが、注意するべきことがあります。アニメゲーム漫画の所謂サブカルチャー的コンテンツの力を町おこしや公共機関を盛り上げるために使うときに注意しなければならないのは、そこに住む住民や施設や機関の利用者の理解をどのように得るかです。京都など、観光都市として栄えている自治体や、これから観光都市として動き出そうということが地域住民の間でしっかりと認識されている自治体では、街の利益になるようなキャンペーンの手段の一つとして取り入れようという動きが見られますが、観光産業に馴染みのない自治体の場合、このような所謂「アニメ寄り」のキャンペーンに対する不満を作ってしまいかねません。また、起用するキャラクターのデザインに関する配慮がなければ、三重県志摩市の「碧志摩メグ」が色っぽすぎるとして公認撤回されてしまうというケースのように、せっかく立ち上げたプロジェクトが白紙になってしまいかねません。「地下鉄に乗るっ!」はこのことにも配慮したキャラクターデザインとキャンペーン展開を行っており、これも成功につながっている要因の一つでしょう。アニメゲーム漫画のパワーは絶大ですが、バランスよく計画をしなければ不快な思いをする人たちがいるということをお忘れなく!

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