こんにちは、ビ・ハイアの床井です。私は弊社「ラクジョブ」の運営を通じて、数多くの人材と企業のマッチングをサポートしています。今回の記事は、「漫画業界の現状」について書きたいと思います。漫画はコンテンツ産業の中心です。現在でも漫画を原作としてゲームが作られたり、テレビアニメ化したり、日本のコンテンツ供給産業として業界全体を引っ張り上げているポジションにあります。漫画になりたい、漫画編集者になりたい、業界に憧れてそう思う方も多いでしょう。そんな業界志望者の方には、業界を目指す前に「業界全体がどんな流れにあるのか」というマクロな視点を持っておいて欲しいと思います。この記事を通じて、これから自分が働く業界のことが少しでもよく分かるようになれば幸いです。
「出版不況」といいますが、実体はどうなっているのでしょうか?まずはこちらのデータをご覧ください。
日本の出版点数は軒並み減ってきており、漫画の出版数も落ち込んできていることが分かります。確かに、「出版不況」の流れは漫画業界にも影響を与えています。しかし、近年漫画のプラットフォームとして浸透してきた感のある「電子書籍」を入れて数えると自体は少し変わってきています。
電子コミック市場は2012年以降数百億円という単位で伸び続けており、低迷傾向のコミック市場を盛り返していることがわかります。こうした電子書籍への市場のシフトは今後も更に続いていく事が予想されます。
また、そんな中でも、漫画家の数自体は増加傾向にあります.
雑誌連載という方法以外にも、「デジタル媒体への連載」「宣伝・広告用途での漫画の利用」など、漫画家の活躍するフィールド増えているために漫画の裾野自体は広がっているのです。
メディアが紙から電子情報に移り変わっていく。こうした環境の中で、漫画業界を目指す個人は、何を考えれば良いのでしょうか。まず、今後どのような形で活躍をしたいのか?それを自分に問いかけてみるところから初めてみてください。あなたが目指したいのは、「漫画家になり連載を持つこと」ですか?それとも「プロの絵描きとして活躍していく事」ですか?それとも「漫画産業に関わっている事」ですか?自分が何をしたいのかによって、とるべき方法はまるで変わってきます。「ひたすら原稿を書いて、持ち込んで、連載をして」という「いわゆる漫画家」というイメージだけではなく、漫画家が技能を活かすことのできる領域は前よりも広がっているのです。例えば、弊社には現在こんな求人があります。
〇株式会社フーモア特集記事
この会社では新規事業として、「スマホ向けゲームのコミカライズ」を始めました。今までの様に漫画家の才能に頼り切りの作品作りではなく、イラスト制作のノウハウを広告作成に応用し、分業体制によって生産力を高めようというものです。こうした事業の中で自分を活かしていく道も存在するのです。また弊社の掲載企業にはこんな会社もあります。
〇リアルタイムアニバーサリー株式会社特集記事
この会社では、法人向けの会社の広告や消費者向けランニングページを漫画で作成するサービス「漫画ランディングページ」を展開しています。
「漫画ランディングページ」
https://rtmedias.com/products/rt_comic.html
これらの企業のように、漫画家の技術が生きる事業は増えてきていますし、プラットフォームの増加に伴い、雑誌での連載を経ずに個人出版していく描き手も増えていくでしょう。そんな中でどんな道を選択していくのか?まずは自分の理想的な将来像を考えるところからスタートしてみてください。
漫画雑誌の売上、読者数が軒並み下がっている状況において、連載作家としてやっていくことは、これまで以上に険しい道になって行きます。「NEWVERY」という、駆け出しの漫画家を支援するNPO法人が、興味深いデータを発表しています。
こちらの記事に書いてあるのですが、連載経験のある作家は、100ページ書くまでに30%以上がデビューしているというのです。100ページ以降になるとしばらくデビューのピークはなく、その後500ページくらいの所に20%の人が集中しているというのです。このデータは、漫画家を目指す際に大きな示唆を与えてくれます。1本の読み切りが30数ページくらいだと考えると、それを3本書けば良い事になります。3本書くための所要時間は真剣に漫画家を目指す人で平均して1〜1.5年くらい。500ページであれば、所要時間は3〜5年くらいであるといわれています。「石の上にも3年」ではないですが、才能のあるひとは1年くらいで花開くのに対して、3年以上努力出来る人がデビューを掴む事が出来る、と言えそうです。このデータからも分かるように、漫画家として実を立てていくというのは、厳しいものです。最初から才能があればやっていけますが、そうでない場合は3年以上漫画に専念する必要があります。その覚悟のある人に、連罪漫画家という門戸は開かれているのです。
さて、現在の漫画家をめぐる状況を簡単に説明させて頂きました。クリエイター職の中でも憧れる人が多いでマンガ家ですが、現在ではデビューするのも、それを継続していくのも中々に大変です。しかしそれを乗り越え、しっかりとやる道を選ぶのか。それとも、「絵を描きたい」「漫画業界に携わりたい」というのであれば他に道があるかも知れません。弊社ブログには様々な企業の求人情報、他の職種の情報なども載っていますので、どうぞ参考にしてみてください。