こんにちは!ラクジョブの平田です。先日の記事「スペシャルインタビュー企画・山田太郎参議院議員に聞く!」シリーズでは、アニメゲーム漫画業界における表現の自由を守る為に山田太郎議員へのインタビューを行いました。参院選前という事もあり大変な反響を頂きました。しかし参院選が直接の原因になったと言うよりは、私たちが普段親しんでいる、または仕事にしているアニメゲーム漫画業界がどれだけ危機にさらされているかを改めて自覚した方、見直した方が多かったのではないでしょうか。
今回、山田太郎氏は参院選で29万票という得票数ながら惜しくも落選となりました。しかしアニメゲーム漫画業界に迫る問題は今も変わらず存在しています。今回私たちは選挙直後の山田さんを訪ね、これからの「表現の自由」をどうして行くかについて、今回の選挙によってクリエイターや消費者の気持ちはどう届いたのか等を伺いました。
前回のスペシャルインタビューはこちら
前編 https://raku-job.jp/news/companyrep/20063/ (記事埋め込みリンク)
後編 https://raku-job.jp/news/companyrep/20109/ (同上)
29万票は普通得られる数では無い
——今回もお忙しい中ありがとうございます。前回の記事は反響が大きく、ラクジョブ新聞の人気記事ランキング5位にもなりました。
山田:ご支援いただきありがとうございます
——今回は惜しくも落選という結果になりましたが、表現の自由に関する問題、一部業界の低賃金問題はまだ存在しています。こういった問題に対して今後山田さんがどう取り組まれるのかお伺いできればと思います。
山田:今後、7月25日以降は国会議員ではなくなるので、国会議員としての活動はできないんですよ。これまでは、アニメゲーム漫画を楽しんでいるユーザーである一方、政治家として・・・つまり国政で法律を扱う人間として立ち振る舞っていました。25日以降はユーザーだけの立場に戻りますが、そのポジションで何を考えるか、どうするかについては決まっていません。ただ政治家として活動していた経験を生かし、知り合いの議員や関係者に対する話し合い、アプローチ等は民間としてできるかもしれないと考えています。民間となると当然ですが議員としての活動はできません。立場が変わってしまいますからね。
——民間と言えば投票をする我々もその立場ですが、民間として動ける強さとはどのようなものでしょうか?
山田氏:今回の選挙は民間の強さを感じさせられました。当落にかかわらず、ふつう得票数10万を超えるのは大変なんです。野党で言えば組織内候補、大きな団体、産業を動かすほどの団体が付いていなければ10万票は行けません。15万票ともなると有名な大きな組織を持っているの団体が付いていなければいけない。基本的にはそこまで大きく組織化してないと数字が出せないんです。今回の参院選では、得票数10万票もいかなかったら支持されていないから引退かなと思っていました。しかし結果は29万票という予想外の結果が出ました。当選しなかったのは単に戦略ミスです。
得票数は個人票で見ても13位、落選議員としては1位(笑)、憲政史上でも落選投票数4位です。この4位というのも、その前にいる1から3位の人たちは大政党の中で競い合って結果落選してしまった「組織票を持つ人たち」だから、組織なしでここまで行ったのは初めて、考えられないことなんです。
実はここまでの票を出したことによって、取材の依頼だけでなく政治家の中からも与野党問わずアプローチが来てるんです。「29万票の声をそのままでは済まないだろう、それをつなげる責任があるだろう」ってことですが、ただ単純につなげると言っても次の選挙まで3年もあります。3年もあれば世の中変わっちゃいますからね。でも今回、全国都道府県の市町村で票が0だったのはほんの数カ所でした。つまりほぼ全ての市町村、どんな小さな村でも1人は入れてくださってるんです。ですから方法は考えるにせよ、この29万人分の責任は果たさなければならないと考えています
29万人の仲間とやりたいこと
——そこまで日本全国に知られて支持されていたのは、やはりネットの影響が大きかったのでしょうか?
そうですね。日本中を回る事はできなかったわけですから。そして実は私が「表現の自由」を訴えるために、今回の選挙でTVに出たのは政見放送だけなんです。政見放送はたった1分30秒前後なので、ひとこと「表現の自由を守る、漫画クリエイターの生活改善をする」と触れただけ。それだけで全国に届き29万票に届いたとはとても思えませんから99.999%ネットのおかげでしょう。Twitterでも発言しましたが1人の支持者が3人、4人に声をかけるだけでも全く違うんです。そう考えると全国津々浦々に仲間がいることになりますから・・・今考えているのは、彼らにもう一度呼びかけて消費者団体みたいなものを作りたい、ということです。
政治団体ではなく「消費者団体」です。NPOなのか株式会社なのか形はまだ未定ですが、逆に「消費者」という立場は政治家として出来なかったところですから、他の皆さんと一緒に声を上げる事ができます。以前もお話しした、業界内の自主規制というような問題もエスカレートすると何も楽しめなくなってしまいますからね。他にも、業界内の処遇改善の問題やその実態を調べるといった活動もやりたいところです。
ただその消費者団体を作るにしても、税金で運営できる政治団体と違って団体維持のために資金を調達しなければいけないなど、課題は色々あるので考えていく必要はあります。でもアニメゲーム漫画に対して今後出てくるであろう様々な障害を回避するために団体を作っておく事は効果的でしょう。アニメ業界の業界団体などはありますが、消費者団体というのはあまりないですね。例えば消費者だけでなくクリエイターも取り込める団体を作っても良いかもしれません。まだ構想段階ではあります。
皆さんの投票が全くの死に票にはならなかったということがわかっただけでも、一票の価値はあったと言えるでしょう。
前半は後編では今後の動きについて更に細かく伺いました。
山田太郎前参議院議員に聞く!第二段!参院選後、表現の自由はどうなるのか?(後編)