漫画が芸術や教養として注目される
漫画と言えば、私の子供時代には「バカになる」と親から禁じられる筆頭のコンテンツでした。とにかく親は勉強して良い子に育って欲しい!と願っているので、勉強の時間を奪う漫画本を読む事については、親の威厳と大人の財力とを使ってことごとく阻止しようとしてきたものです。そんな漫画の立ち位置は近年変化してきているように思います。
幼児教室・小学校受験の個人講師を経て、現在は教育コンサルタントを務めている上野緑子さんは、2013年のAllaboutで『マンガには子どもへの良い影響が盛りだくさん!』という記事を寄稿しています。日常の生活では得られない社会や職業への知識、空想力、アイディア力が身につき、その楽しい空想が生み出した憧れから職業を選択し成功してきたアスリートがいます。実際にワールドカップでも大活躍しているプロサッカー選手のジダンが『キャプテン翼』がきっかけでサッカーを始めたといいますし、メッシやF・トーレス、トッティーなども、『キャプテン翼』に出てくる選手にあこがれて、そのまねをしていたということに触れて紹介しています。
明治安田生命保険の2016年に行った10〜70代の1,600人に対する調査によると、漫画を読んだことがある人の4人に1人が、好きなスポーツ漫画をきっかけに実際にスポーツを始めたり、観戦したりするようになったと答えたといいます。実際に競技を始めた人は7.7%、観戦は17.6%で、 競技別では、サッカー漫画が好きな人の22.6%が実際にサッカーを始めたと回答し、バスケットボールが11.2%、テニスが10.7%、野球は4.8%でした。世代別では10~30代が漫画に影響を受けた度合いが高いという結果が出ており、まさにいま現役で活躍している選手層にも合致していることから、前述した『キャプテン翼』に憧れる海外プロサッカー選手などの実績事例も相まって次世代にも漫画きっかけで活躍するということが期待されるようになってきたのだと考えられます。
図書館には漫画
6月25日に始まった「美し、やまなし、パワー! 山梨の女性アーティストたち」では山梨にゆかりのある女性アーティストたちの絵画や陶器、漫画など86点を紹介しています。29人の女性アーティストの中には、漫画家 山本鈴美香さんも含まれ、『エースをねらえ!』の複製原画も展示されます。『エースをねらえ!』はテニスの松岡修造氏が常に全18巻を持ち歩いてモチベーションを上げていることでも有名な名作です。漫画には面白さと絵の美しさという芸術性の両方が内在している魅力があると言うことを絵画や陶器と一緒に並べられることによって更に際立たせられるのではないかと考えます。
有名さ、おもしろさだけでなく漫画に「教訓」が求められるようになった例として2015年に日本財団が「これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト」を立ち上げました。新しい世界を発見できるマンガや学びにつながるマンガを選出・発表し、作品を国内外の読者に届ける事業で、マンガの持つ「楽しさ」「分かりやすさ」「共感力」に着目し、社会をより良いものにしていくことを目的としているそうです。マンガを通じて、「楽しみながら学ぶこと(edutainment=education + entertainment)」を継続的に推進していく事業の第1弾ということで、選びに選び抜かれた100作品は、以下の特設サイトに、各委員の想いの込められた推薦コメントつきで紹介されています。
https://gakushumanga.jp/
ここに紹介された漫画の中には、現在話題になっている「同性婚」を扱ったBL漫画も選出されており、一般教養だけでなく時代に即した情操にも訴えかける内容であることが興味深いです。
この、日本財団の「これも学習マンガだ!~世界発見プロジェクト」では全国の図書館に漫画を設置、専用コーナーでの漫画の紹介や、5分でオススメ漫画をプレゼンして読みたい漫画を投票形式で決める「ビブリオバトル」というイベントも開催しています。
一方、規制される漫画の表現
こうして漫画の多様性とその広がりが評価され、文化・芸術・教養に著しい影響と成果を与えていると言われるその一方で、表現の自由に関する規制も着々と忍び寄っています。児童ポルノ禁止法、青少年健全育成基本法、TPPによる同人全面禁止の危機・・・。漫画の持つ影響力が、犯罪と結びつけられてマイナス面に取られる事例が後を絶ちません。特に、青少年健全育成条例では毎月数冊が不健全図書指定されて区分陳列されており、BLや近親相姦もの、グロ系の漫画は次々と不健全図書として区分陳列の対象とされ事実上発禁のような扱いを受けています。
これだけ多くの人に影響力を与える漫画という媒体だからこそ、いい表現も悪い表現も、必要な情報はそれぞれ各個人の主観によって選び取られるべきで、選ぶ権限を失われるのは「表現の自由」を奪うことにつながってしまいます。それらの「表現の自由」を奪う動きと戦っているのが、山田太郎議員です。7月10日参院選に向けて、秋葉原を中心に演説を行う忙しい日々を送る山田太郎議員の実現したい、「表現の自由」が認められる社会について、ラクジョブも話を伺ってきましたので、アニメゲーム漫画の業界に属するみなさんに、ぜひ見てみていただきたいと思います。
https://raku-job.jp/news/companyrep/20063/
山田太郎議員は、7月10日参院選に山田太郎全国比例代表として出馬が予定されています。
期日前投票も始まっています。
2枚目(白紙赤字)の投票用紙に「山田太郎」と書くことで全国どなたでも山田太郎議員に投票ができます。
※党名を書くのは山田太郎議員の票にならないので注意。