アニメゲームマンガ専門 ラクジョブ新聞 > 求職者の方へ > 機動戦士ガンダム サンダーボルトに見る単発アニメ有料配信ビジネスモデルの可能性

アニメゲームマンガ業界 就転職に役立つ情報満載!

2016.01.07 機動戦士ガンダム サンダーボルトに見る単発アニメ有料配信ビジネスモデルの可能性

アニメゲームマンガ専門求人サイトラクジョブの大晦日は機動戦士ガンダムTHEORIGINうちの社長も当然買いました。サンダーボルト

2015年12月25日より「機動戦士ガンダム サンダーボルト」の配信がスタートしました。劇場アニメとして大ヒットを記録した「機動戦士ガンダムUC」のスタッフが制作に関わっているということで話題にもなっています。UCは全7話ともBD/DVD合計18万枚超え、最終7話は20万枚超えの売上を達成しています。UC同様劇場公開作品なのかと思われていたサンダーボルトですが、ネットでの有料配信限定で楽しむ作品になっています。今回は、テレビアニメから有料配信へと変遷を遂げているアニメのビジネスモデルについてご紹介させていただきます。

51We1lkbO+LガンダムUCは何度観ても面白い

アニメと言えば子供が楽しむもの、土日の午前中や夕方の時間帯に放送されていたものが記憶に新しいですが、今や深夜放送でのアニメがそのほとんどを占めています。視聴率も非常に低く見る人もほとんどいないこの時間帯になぜ深夜アニメが放送されているのでしょうか。

その理由の一つが、アニメのターゲット層にあります。そもそもアニメに大衆向けの宣伝効果はほとんどありません。一般的な日本人が楽しめるようなバラエティやドラマであれば、食べ物や化粧品などの新商品の宣伝としての効果が十分期待できますが、アニメは一般の視聴者とは趣味嗜好の違う人たちが楽しむものなので、ビールや化粧品の宣伝を見ても興味をひかれることはありません。元々子供向けのアニメが多かったのも、アニメを見た子供が親におもちゃをねだって消費につなげるという導線が設計されていたからです。

51SbrcivnVLカウボーイビバップもいいですよね。当然Box持ってます。

メカもののおもちゃビジネスが全盛期だった時代、メカが活躍する子供のアニメとしてではなく、ダンディなドラマで大人向けのアニメと作られた「カウボーイビバップ」が反感を買い2クール放送予定のところ、1クールで放送打ち切りになったのは有名な話です。その後、2クール目の制作もされ、それどころか劇場版の制作にまで繋がったのはひとえにアニメ制作へのこだわりと情熱の結果でしょう。もしまだ見たことがない方がいたら是非一度ご覧になってください。

しかし、少子化とともにターゲットとなる子供も子供の親も少なくなった現代では、かつて子供だった成人たち、20代30代が主なターゲットになっています。働き始めお金にゆとりもでき、親元も離れ、結婚もしていない、子どももいない、独り身で我が家も好きにレイアウトでき、我が家で好きに振る舞えるこの世代は優秀な消費主体です。アニメのパッケージにもお金を使えますし、アニメの関連商品にも、今度は親のお金を使うことなく、自分のお金で買うことができます。

2015年に全6章構成の劇場アニメとして上映が始まった「デジモンアドベンチャー tri.」が1999年に放送された「デジモンアドベンチャー」で主人公だった子供だった少年たちの成長を描いていることを考えると、その消費者である子供も成長している姿はパラレルに考えることもでき、少し皮肉的でもあります。いずれにせよ、今子供向けのアニメの数は減っており、深夜アニメ、劇場アニメの制作が非常に増えています。

空の境界も当然DVDもBlu-rayも持ってます71PlvFhmO4L._SL1500_

劇場アニメに関しては、「空の境界」がビジネスモデルの一つの活路になりました。2時間の大作1話完結型ではなく、1時間かそれ以下の尺でテレビアニメよりクオリティの高いアニメを複数話に渡って上映するモデルです。上映とBD/DVD販売が同時期にされるケースもあり、短期間で興行収入とパッケージ販売を一気に稼ぎます。その後、「コードギアス 亡国のアキト」や「機動戦士ガンダムUC」も同じモデルが採用されました。空の境界も名作です。ぜひご覧になってください。

そして、今後のアニメビジネスの可能性として、有料配信モデルが期待されている。株式会社イードの調査によると、有料配信サービスの利用者は11.9%全体の48.4%が無料配信サービスで視聴していることが明らかになっています。また、dアニメストアやバンダイチャンネルなどの定額見放題を除いた個別課金の利用者は全体の3.4%でまだまだ一般的ではありません。しかし、一般的ではないということは何か一つの起爆剤があれば、一気に拡大する可能性秘めているということでもあります。深夜アニメにも劇場アニメにも必ずその黎明期はありました。

gandamuガンダムの挑戦

そして今ガンダムというビッグコンテンツが有料配信モデルに挑戦しています。定額見放題でも勢力を伸ばしているバンダイですが、定額見放題、個別課金の両者で勝負をかけています。アニメはその人気とは裏腹にビジネスモデルの確立が難しく、海外進出にも二の足を踏んでいます。

アニメ業界の発展のためにもアニメの有料配信モデルに関しても応援していきたいと考えています。もちろん、ガンダム サンダーボルトの有料配信も購入して視聴しました。十分に500円分の価値がある納得のクオリティでした。正直全4話で終わってしまうことを非常に残念に思っています。視聴者がアニメのためにできることの一つは間違いなく良い作品にお金を使うことだと考えています。アニメ業界の発展のためにもアニメのビジネスモデルとアニメの消費の仕方について話させていただきました。そして、どんなビジネスモデルも端緒となるのは、良質なアニメの存在です。ぜひ皆さんも「機動戦士ガンダム サンダーボルト」購入して、ご覧になってください!

この記事を書いた人

» 詳細プロフィール

アニメ ゲーム マンガ経営戦略研究所

新着記事
カテゴリー
  • 企業担当者様へ
  • 求職者の方へ
  • 特集求人
  • 経営者交流会情報
  • メルマガバックナンバー
Tweet