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2016.05.06 ゲーム コンシューマーゲームの売上状況とこれからについて

ranking売上ランキングの現状

記事を読んでいただきありがとうございます。コンシューマーゲームが売れないといわれるようになってしばらく経ちましたが、実際の状況はどうなっているのでしょうか。現在の状況を見つつ、これまでの歴史を振り返りながらこれから先どうしていくのかについて、考えていきたいと思います。まずは現在の状況を確認してみましょう。4Gamerのメディアクリエイト調べのゲームソフト週間販売ランキング+を参照してみると、1位がPS4版『ワンピースバーニングブラッド(限定版含む)』で35496本、2位が同じタイトルのPSVita版で32682本となっています。以下、20位までのランキングの中で10本の新作タイトルがランキングに出ていますが、8位以下はすべて1万本を切っています。うち7タイトルが新作なので、発売初週の売上として1万本を切っている状態です。

同じカテゴリで最も古い記事である2010年8月2日~8月8日までの売上をみてみると、20タイトル中新作が6タイトルで、ランキング中最下位の販売本数は10296本でした。6年間で大きく変わってしまったランキングですが、発売初週の売上本数もさることながら、それらのタイトルの累計売上本数もまたかなり厳しい数字ばかりが並んでいます。新作は初週の売上本数しか計上されないにしても、先ほど取り上げた2010年8月2日~8月8日までの売上でランキングされているタイトルは、5万本以上の累計売上のタイトルが15タイトル、10万本以上が12タイトル、20万本以上が8タイトル、50万本以上が4タイトル、100万本以上が1タイトルでした。最新の販売本数で見ると、5万本以上の累計売上のタイトルが6タイトル、10万本以上が6タイトル、20万本以上が6タイトル、50万本以上が4タイトル、100万本以上が1タイトルでした。

これを見て思うことは、中ヒットと呼ばれるような5万本~20万本未満のタイトルが今ほとんどないと言うことです。現在のタイトルラインナップで言えば20万本以上の当たりといえるタイトル以外はすべて1万本以下のタイトルしかなく、スマートフォン向けのゲームと近い状態になっています。というのも当たるか当たらないかの差が激しく、そこそこの位置をキープできるようなタイトルもなく、成功か失敗の二択しかないという状況です。ある程度のIPをひっさげても1万本を超えるかどうかという厳しい市場が垣間見えます。

Business man looking at circular maze with nowhere to go顧客は何処へ行った

コンシューマーゲームの売上が下降の一途をたどると言うことにおいて、考えることとしては顧客が何処に行ってしまったかと言うことです。多くの書籍や記事の中ですでに言われていることとして、コンシューマーゲーム離れによる新規ユーザーの獲得が困難になっているということと、これまでコンシューマーゲームユーザーだった人が単純にゲームをする時間がなくなり買わなくなった、もしくはコンシューマーゲームからスマートフォン向けのゲームへとプレイする場を移したということが言われています。あとは少子化によりそもそも子どもの数が減ったことでコンシューマーゲームユーザーの母数自体が減少しているという見方もあります。

2015CESAゲーム白書のデータからしても、国内家庭用ゲーム市場規模は4000億円を割っており、年々下がっている傾向にあります。2007年には約7113億円あったところから半減しており、減少傾向は今も続いています。そして一部のタイトルが10万本以上の売上を出すが、それ以外の多くのタイトルが下手すると1万本以下しか売れないという二極化の傾向もあります。要するに市場規模の縮小と売上の二極化が同時進行で進んでいると言うことになります。

そしてプレイ環境においても家庭ごとの差が生まれています。特に据え置き機のゲームはテレビの画面サイズがいくつなのかによって相当見栄えが変わってきますし、それ以上に画面解像度でもまた差が生まれています。ゲーム機としていいものを作ったとしても、それを出力する環境が追いついていない、もしくは追いつこうともしていないという状況があるとも言えます。そしてハードの販売台数からしても売れているのは安いハードであり、それが要するに携帯ゲーム機です。据え置き機は基本的に値下げしてから売れるようになっていますし、これからもその状況は変わらないでしょう。そしてタイトルとしてもメガヒットタイトルもさることながら、そもそもの数が少なすぎたり、起動までの時間であったりと、隙間時間にゲームが出来るような環境になった現在において、コンシューマーゲーム機はいずれもその弱点を露呈しています。お金もかからずタイトル数が山のようにありすぐにプレイできてしまうスマートフォン向けのゲームに負けてしまうのも仕方ないと言えるかも知れません。

xFuture_Citys_SS.jpg.pagespeed.ic.uAHfGNqHrMコンシューマーゲームのこれから

ということはどうすれば挽回できるというか、売れるようになるのでしょうか。そもそもゲームとして面白い作品がなければハードそのものを買おうとしないのは消費者として当然でしょう。であればやはりヒットタイトルもそうですし、タイトル自体のラインナップを増やすことと、現在でもそんなに取り上げられることはないですが、インディーズのゲームもどんどん売りやすくしていくのが一つあるでしょう。スマートフォンほど簡単には作れませんが、そこの垣根を少し下げるだけでも新しいゲームが生まれやすい環境は出来ると思います。そしてゲームハードとしても値段をなるべく携帯ゲーム機ぐらいの価格、2万円を切るぐらい、できれば1.5万円ぐらいを目安に売り出し、PSPやPSVitaのようにゲーム以外にも動画や音楽、その他を楽しめるようなハードにしていく。そうすれば幅広く受け入れられやすいのではないかと思いますが、それはそもそもゲーム機なのかという疑問も同時にわいてきます。

つまるところゲーム機としての展開だけを追い求めていては結局のところ発展性がなく、そしてそれを消費者が望んでいないということであれば、やはり消費者が望む形、もしくは消費者が想像もしない形で提供していくほかないでしょう。それがどんなものなのかはわからないですが、スマートフォン向けのゲームとの大きな違いはF2Pか売り切りか、という点が金額という切り口では最も違う部分です。だからこそ、ここをいかにクリアして新しいマネタイズを構築するかも発展の分かれ目ですし、そもそも国内市場という衰退傾向にあるところを切り捨てて、コンシューマーゲームは単純に海外をメインとしてしか作らないと決めてしまうのも一つでしょう。いずれにせよ何かを決断し、何か新しいことをしていかない限り、衰退に飲まれていくだけです。コンシューマーゲームにはとてもお世話になりましたし、まだまだ発展を遂げてほしいと思っていますので、なにか新しい決断につながるようなヒントを見つけたらどんどんと発信していきます。世界を席巻するようなタイトルが日本からも世界中いろんな国からも出るようになる時を今か今かと期待し、応援し続けていきます!

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