漫画 「comico」バイドゥと提携し中国市場強化から見る世界の漫画市場

comicoはタテ読み!タダ読み!というキャッチフレーズのもと、4コマ漫画のようなコマ割りをすることで、上下のスワップ一つで漫画を見ることができるスマホに特化させた電子漫画のサイトになります。そして最近ではアニメ化をするようなタイトルも増えており、今期のアニメでは、「ももくり」や「ReLIFE」がcomico発作品です。そして今回、comicoでは世界での市場規模拡大のためにより中国との関係性を強める動きが見られました。

スマホ漫画「comico」が中国バイドゥと提携–52作品を百度SNSで展開へ
https://japan.cnet.com/news/business/35085375/

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引用始め
NHN comicoは7月5日、中国の検索エンジン市場大手である百度(バイドゥ)と提携し、百度が運営するソーシャルコミュニティサービス「百度贴吧(バイドゥ・ティエバ)」に、スマートフォン向け漫画サービス「comico(コミコ)」のコンテンツを提供すると発表した。
引用終わり

comicoはすでに中国版を4月28日よりサービスを開始しており、サービス開始で70タイトルを公開しているとのことです。加えて1日1億人以上が利用するバイドゥと提携することによって認知拡大と新たなファン層の獲得を狙っているとのことです。

comicoの世界での状況

“縦読み”漫画アプリ「comico」が世界2000万ダウンロード–約2年半で達成
https://japan.cnet.com/news/service/35084716/?tag=cleaf_relstory_logly

comicoは、2013年10月に日本でのサービス開始を開始して以降、2014年には台湾、韓国、2016年にはタイと中国でサービスを開始しています。そして2016年6月23日には国内ダウンロード数1300万、全世界で2000万ダウンロードを突破したと発表されました。

worldmangamarket世界の漫画市場規模

画像元:世界のマンガ市場は7兆6700億円のポテンシャル?(GDP換算で試算)なんと日本の19倍!!

日本の漫画業界は飽和状態言われています。Comicoのような電子コミックスが普及する一方で、紙媒体の漫画2000年以降減少し続けています。そのため日本の漫画市場全体で見れば、2010年以降は4500億円前後で推移している状況です。一方世界の漫画の市場規模はどうでしょうか。世界の漫画市場をGDP比で見た時、全世界で7兆6700億円と言われています(世界のマンガ市場は7兆6700億円のポテンシャル?(GDP換算で試算)なんと日本の19倍!!)。市場規模が大きい順で、アメリカの1兆7200億円、中国の1兆200億円、日本の4570億円、ドイツの3850億円、イギリスの2930億円、日本のコンテンツに親しみを持っているフランスは6番目になります。そのため、漫画の市場規模を比較するとアメリカは日本の約4倍、中国は日本の約2倍ということになります。

スクリーンショット 2016-07-12 9.51.22人口からみた漫画の市場規模

画像元:https://ecodb.net/ranking/imf_lp.html

やはり漫画の市場規模でもアメリカや中国には及ばないという結果になっています。しかしながら人口の比率で考えてみるとどうでしょう。トップのアメリカは、3億2160万人、2位の中国は13億7462万人、3位の日本は1億2693万人になります(世界経済のネタ帳)。人口の比率でいえばアメリカは日本の約3倍、中国は日本の約11倍の人口に相当します。対して、漫画の市場規模はアメリカが日本の4倍、中国は日本の2倍と成っています。そのため、中国の経済成長率が減少傾向だとしても、貧富の差が激しいとしてもまだまだ伸び代は十分あるのではないかと想定できます。

「comico」は中国版でサービスを開始し、さらにバイドゥーという大手の検索エンジンの企業と提携することにより、毎日約1億人の目に触れる機会を得ました。停滞気味の日本の漫画市場ですが、一方世界に目を向ければ中国をはじめとした多くの国で漫画は親しまれています。今後は国内のみならず、海外展開も視野に入れ、いかに海外展開しやすくするか、翻訳しやすくするか、またいかに多くの人の目に触れるようにし知名度を上げられるかが鍵となってくるでしょう。今回のcomicoのバイドゥとの提携は、日本の漫画をいかにして海外に輸出し、浸透させられるかを見る上で重要な出来事になると言えるでしょう。

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