ゲーム 注目を浴びるVRがクリアするべき、目の健康に対する課題とは?

Young Woman play with the vr device大注目のVR

2016年はVR元年と呼ばれています。Oculus Riftが2016年3月に発売され、コンシューマー機でもソニーのPSVRが予約開始後2分で完売という驚くべき注目度を発揮し話題になっています。また、ラクジョブ新聞で一番多く見られている記事が「アダルトVRフェスタ」を取り扱った記事で、アダルト方面からも熱い視線が送られているVRですが、皆さんは疑問に思ったことはありませんか?ずばり目の健康に関することです。

VRのヘッドセットの構造をよく考えてみると、立体視が可能なディスプレイを至近距離で見ることになります。少し乱暴な考え方かもしれませんが、3DSの画面を頭に無理やり取り付けられていると考えることもできるのではないでしょうか。VRが目に対してどのような影響を与えるのかということについて調べてみると、Mogra VRというVR関連のニュースを掲載するメディアに、去年の11月「子どもが使用すると斜視になる可能性がある」という記事が公開されているのを見つけました。

2016-06-21 11.41.06Oculus Riftは13歳未満使用禁止

(画像は公式サイトより)

記事のタイトルは「なぜ13歳未満の子供は、なぜ13歳未満の子供は、Oculus Riftを使用してはいけないのか?医学的な見地からの警鐘」というタイトルです。記事ではOculus Riftがガイドラインにおいて13歳未満の子どもがVR機器を扱えない理由を、斜視になる危険性があるからではないかと推測しています。

(引用開始)

Oculus社はOculus Riftについて、「13歳未満の人は視覚の発達期にあるため、HMDを使用してはいけない。」というドキュメントを出しています。このガイドラインでは、「should not be use」と強い英語表現で表現されている事を不二門氏は指摘しました。立体視細胞の形成と瞳孔間距離、2つの観点からこの「13歳未満」という条件につながっていると言います。

(引用終わり)
https://www.moguravr.com/13yearsold-limitation/

そしてヤフーニュースでは、5月26日に配信された記事で、「3D映画を鑑賞した4歳の子どもが斜視になり、手術することになった」という健康被害が実際に出ているということも書かれています。

(引用開始)

一方、子供については、斜視の症状が残り、手術することになった症例が国内に1つだけ存在します。3D映画を鑑賞した4歳の子供が斜視となり、その後3ヶ月経っても戻らなくなったのです。この時は手術で治りましたが、6歳までの発達段階では、やはり注意が必要となります。そのため現在では、子供連れの家族が集まる映画館やテーマパークでも、これらへの配慮が進んでいます。

(引用終わり)
https://bylines.news.yahoo.co.jp/dobashikatsutoshi/20160525-00058003/

eye_byouki_syashiVRと斜視

斜視とは、「目の視線の向きが異常である状態」のことを指します。通常、我々人間の目は、右目も左目も見ようとするものに眼球の向き、視線の向きが定まります。斜視とは、この右目も左目も同じ方向に向く、ということはなく、その向きにズレが生じてしまう目の症状です。公益社団法人 日本眼科医会によると、斜視は子どもの役2%に見られる小児科の代表的な病気であり、原因は様々あります。原因として考えられるのは、眼球を動かす筋肉や神経の病気や、遠視、両眼視の異常などです。
VRによる斜視は、両眼視の異常と深く関わってくることがわかります。

日本眼科医会のHPの説明を引用してみます。
(引用開始)

両眼視とは、両目を使ってものを一つに見る働きのことです。両眼視も先にお話した視力と同じように、赤ちゃんがものを見る自然の訓練によりできあがっていきます。両眼視は生後一年位でできあがり、六歳位で完成するといわれていますが、生まれつき両眼視ができなかったり、その発達が途中でうまくいかないと斜視になります。

(引用終わり)
https://www.gankaikai.or.jp/health/betsu-003/06.html

なぜニンテンドー3DSが6歳まで使用してはいけないのか、ということがお分かり頂けたでしょうか。人間が立体的にものを見たりする力は、6歳までの目の動かし方で決まるのです。日常みている立体の世界で成長するはずなのに、立体視を見ることで不自然な立体感を感じてしまい、眼球の動きに異常が出てきてしまうということなのです。これについては一番最初に紹介したMogra VRの記事にも詳しく載っているので是非ご覧ください。

斜視になると眼精疲労や、向きが合っていない目が使われないことによって弱視になってしまうなどの健康上の問題があり、ひどい場合には上記のような手術による治療が必要になる場合もあります。今後ゲーム業界やVR業界が発展していくには、ゲーム業界全体で、立体視に関する正しい知識をユーザー側に届けなくてはなりません。

健康リスクについて伝えることはゲーム業界VR業界発展に不可欠

Insideでは、人々がVRに対してそれほど関心を持っていないという情報が掲載されています。

(引用開始)

ただし、Stephanie Llamasアナリストは「米国人の50%はまだVRを知らないか、興味が無いと述べている」と指摘。市場の急拡大にはこうした普通のユーザーにも受け入れられる必要があり、アーリーアダプターからの浸透や、良質なコンテンツの充実が不可欠であるものの、初期の出遅れがこれを阻害する可能性があるとしています。

(引用終わり)
https://www.gamebusiness.jp/article/2016/04/21/12227.html

suspicious, cautious child boy looking with disbeliefこちらの調査結果はVRと子どもの健康というものを考えるときに重要なものになると考えています。VRはゲーム機以外のエンターテイメント(遊園地のアトラクションや映画など)にも導入されることが予想されます。VRコンテンツの売上予想が下方修正されたとはいえ、これからゲーム機で成功を収めれば、ますますVRへの需要が高まっていくことでしょう。しかしVRそのものに関心のないところから急に流行することになるとき、しっかりと「VRは子どもが使ってはいけません」という重要な情報を伝えなければ、「そんなこと知らなかったぞ!うちの子どもが斜視になってしまった!どうしてくれる」というクレームが殺到することになるでしょう。本来ならば取扱説明書をよく読み、その上で利用することが大前提ですが、「◯歳以下の方の使用は禁止」あるいは、それに類するような強い言葉で使用を避けることや、「人間の目の発達段階の観点から斜視のリスクがあること」を明記する必要があるでしょう。

今回の記事では、VR業界に進出するな!ということをお伝えするものではありません。ゲーム業界やVRというメディアを発達させていく為には、何も知らされないまま健康被害が出てしまい訴訟だ!というような事態に陥る前に、健康のリスクがあった上で使用してもらうという前提で展開させていくことの方が重要ではないか、という思いから、健康に関する問題を取り上げさせていただきました。今後、VRの普及に合わせて医学的観点から人体への影響に関する調査などが行われることは増えそうです。ゲーム業界発展、VRというコンテンツの発展に携わる者として、引き続き「VRと健康」という視点で注目していこうと思います!

記事を読んで頂きありがとございました!

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