ゲーム業界は、常に新しい技術を取り入れることによって発展してきました。家庭用ゲーム機ひとつを取っても、ファミコンから始まり、プレイステーション、ドリームキャスト、最近では、Wii Uやプレイステーション4など数々のハード機が出てきました。そして世代を重ねるごとに、処理能力の向上のみならず、Wi-Fiを使った無線通信やインターネットを使ったオンライン通信、スマートフォンやタブレットを使ったソーシャルゲームやネイティブアプリなど、ゲーム業界は常に新しい技術を取り入れることによって発展してきました。そんな新技術を作り上げる上で必要となってくるのが、研究開発費です。今回は、東洋経済オンラインで上場企業を対象とした研究開発費に資金をかけている企業に関しての調べから見たゲーム業界についての記事になります。
初公開!「研究開発費が大きい」トップ300社
https://toyokeizai.net/articles/-/115008
引用始め
人工知能、ロボット、燃料電池、新薬、新素材――。画期的な技術は世の中の新しい流れをつくっていく。そこに欠かせないのが研究開発だ。製造業は研究開発なくして競争力を維持・向上できない。
東洋経済オンラインは上場企業の直近本決算における研究開発費を調べ、トップ500社をランキングにした。東洋経済オンラインとしては初めて集計したデータとなる。
引用終わり
このランキング際立って多かったのが、自動車産業です。日本を代表する産業だけあって、1位トヨタ、2位ホンダ、3位日産自動車と成っています。次にきているのが家電メーカーで、4位ソニー、5位パナソニック、8位東芝と成っています。
ゲーム業界との関連企業では
今回の研究開発費のランキングで、ゲーム業界はどうでしょうか。今回公表されたトップ300社で確認すると、
4位 ソニー 4643億
43位 セガサミーホールディングス 676億
46位 任天堂 633億
50位 バンダイナムコホールディングス 557億
246位 ネクソン 58億
になります。
売上高に対する比率は
今回の5社に関して前回の通年決算報告から
ソニー 8兆2158億8000万円
セガサミー 3549億2100万円
任天堂 5497億8000万円
バンダイナムコ 5654億8600万円
ネクソン 1903億円
でした。ここから売上に対する比率を考えれば、ソニーが5.6%、セガサミーホールディングスが19.0%、任天堂が11.5%、バンダイナムコホールディングスが9.8%、ネクソンが3.0%になっています。
各企業から見て
どの企業もゲーム分野だけの事業ではないため、研究開発費全てが使われているわけではありません。ソニーであれば、家電や精密機器、セガサミーであれば、パチンコパチスロという事業があるためその分野へも使われているでしょう。ただ共通して言えるのは、ハードを開発している会社ほど、研究開発費をかけているということです。ソニーであればプレイステーションシリーズ、セガサミーであれば遊技機台の開発、任天堂であればファミコンからWii Uまで、バンダイナムコであれば、アーケードゲーム機などです。そしてここを境に、急激に開発費が下がり、ネクソンの58億と成っています。ネクソン自体は、オンラインゲームの会社のため、他の企業よりは研究開発費を抑えられるのでしょう。またそれに関連してか、今回のTOP300のランキングにSNSやソーシャルゲーム関連の企業は入ってきませんでした。運営で収益を上げるオンラインゲームやソーシャルゲームも場合、ハードを開発している会社に比べて研究開発費は少なくすむのでしょう。
ゲーム業界の現状
ここまで、研究開発費という観点で話を進めさせてもらいましたが、ゲーム業界は次の一手を待っている状態です。市場規模としてはオンラインゲームを中心に拡大を続けていますが、収益性はほぼ大手に集中して新規参入での成功は難しくなっています。加えて、大手企業でも次のヒット作の作成に苦心しているという状況です。それを打破するためにも、それに対する研究開発費をかけ、新技術を習得にこれまでにないゲーム開発へつなげていってもらいたいものです。