名古屋大学大学院理学研究科教授の池内さんという人が書いた物理学と神、宇宙論と神という2冊の本を読みました。これはクリエイターの人達も読んでみるとオススメかもしれない、と思って紹介します。
クリエイターの人にとってヒット作、ベストセラーを出す事って一つの夢です。クリエイター個人としても夢ですし、アニメゲームマンガ業界の会社の経営者からしてみたら、大ヒットを出す事は経営的にも夢です。そして実現したいと思ってる目標の一つだと思います。
では、世界最大、史上最大のベストセラーって何だと思います?それは聖書です。少しマニアックな説明をするとユダヤ教の旧約聖書があり、キリスト教の新約聖書があり、そこから更にイスラム教のコーランがあります。
ちなみに聖書の全世界での発行部数は50億部〜約3880億冊などの説があるそうです。聖書強化によると2000年の1年間に世界中の聖書協会によって約6億3300万冊が配布・販売(国際聖書協会の発表)されたそうです。更に世界一発行されている本としてギネス・ワールド・レコーズに登録されています。日本では1874年~2004年に3億4584万1334冊が頒布(日本聖書協会調べ)だそうです。
単なる発行部数だけではなく精神性、文化に影響を及ぼし続けているという意味では聖書は超弩級のベストセラーだと思います。ユダヤ教のヤハウェも、キリスト教の神も、イスラム教とのアッラーも全ては同じ神様を別の呼び名でいっています。つまり、この3つの宗教は同じ神様を信じる別の大きな宗派なのです。この聖書は国を興し、文化を創り、思想と哲学を生み出してきました。時に戦争も起こしてます。
例えばロボットアニメ神という神様が居たとして、それをガンダムと呼ぶか、マクロスと呼ぶか、ガオガイガーと呼ぶかの違いです。しかし、ガンダムによって国が興された、と言う話は未だに聞きません。ガンダム派とマクロス派で論争が起きたりしますし、スーパーロボット大戦が発売されたりするとリアルロボット派とスーパーロボット派で論争が起きたりします。ですが、それによって実際の戦争になったりはしません。良くも悪くも、聖書というのはとてつもない影響を与えてきたコンテンツなのです。
さて、そんな聖書がなかったら実は物理学も宇宙論も存在しなかったとしたら・・・?ちょっとビックリしませんか?日本人にとって神様が居るか、居ないかはさておき、それでも宇宙は存在するし、物理の法則も働くでしょ?と思いません?それが日本人の感覚だと思います。しかし、西洋思想では全く違うのです。
そもそも、物理学などの学問は聖書に書かれた神の存在証明のために発展してきたのです。数学は神の世界を記述する物ですし、音楽や芸術も神の世界の素晴らしさを表現するために使われてきました。神=宇宙であり、神=世界。それが存在しないなんて一切想像もつかない・・・それが西洋文化圏です。今では科学が進みすぎて数学的に神は存在しないと証明されたりしていますが、それでも未だに神はいるのか?いないのか?を真剣に多くの人達が論争しています。
これは日本人にとってイメージがしにくく、じゃあ、全ての西洋文化圏の人達が『神様を本気で信じてるのか?』というとそうではありません。日本人にとっての宗教心、神を信じるというイメージは日本文化に生きていると実感がしにくい。例えるなら、日本人にとって常識や空気を読んで動くことは文化の中に良くも悪くも埋め込まれています。その常識や空気、社会習慣を外国人にリアルにイメージしろ、といってもかなり難しいでしょう。そういう意味では日本人がいくら西洋文化圏の人達の信仰心というのを想像しようとしても中々出来ないと思います。
だからこそ、日本人は西洋の神についての概念を知ると凄く世界が広がります。我々が楽しんでいる21世紀のアニメゲームマンガも、アメリカに占領されてから強く西洋文化圏に影響された後に作られた20世紀のアニメゲームマンガも、その全てが無意識レベルで西洋の神という概念に影響を受けています。少なくとも、数学がなかったらプログラミングもありませんからゲームは存在してません。グーテンベルグの印刷機が聖書を印刷して発展してこなかったらマンガすら庶民が楽しめなかった・・・かもしれません。そういう次元を超えて、アニメゲームマンガを楽しいと思う、その基準自体が西洋文化圏の神という思想に凄く影響されています。
日本のアニメゲームマンガが面白いのは『西洋文化圏の神』に影響されながらも、日本古来の思想がごちゃ混ぜになって新しいコンテンツを生み出しているからです。もし、西洋の神という概念を学び、日本にどのような影響を与えているかが分かったら、少なくとも会社経営には凄くメリットがあると思います。どうすれば西洋文化圏で日本のアニメゲームマンガがヒットするのか?ということが本質的に理解出来るようになるからです。
更に、クリエイター個人にとってもアニメゲームマンガを作る際に『日本人はこんなことを面白いと感じる』『西洋の人達はこう言う信念に基づいてこう言う物を面白いと感じる』と考えられるようになったら?凄く創作活動の幅が広がると思いませんか?同人誌を作るなら(私も昔作ってました)自分が楽しいと思う物をひたすらつくればいいだけです。しかし、それを商業ベースにのせて大きく発展させていこうとすると、自分が作りたいものと相手が喜ぶ物がマッチしてないと広がっていきません。相手はこういうことを喜ぶんだ、という指標や知識が増えたら楽しいと思いませんか。
とはいえ、アニメゲームマンガクリエイターの人達にいきなりあの、分厚い聖書を読め・・・というのはハードルが高すぎる。コーランなんてもっともっとハードルが高いのではないでしょうか。今回紹介した物理学と神、宇宙論と神、二冊の新書はそれに比べると遙かに薄い本です。しかも、買ったらジャンプを発売してる集英社にお金が落ちるのでアニメゲームマンガ業界の発展にも繋がります。更にいえば、宇宙論や物理学・・・なんてアニメゲームマンガに使えそうな楽しいエッセンス満載です。
アニメゲームマンガ専門求人サイトラクジョブをみてる人達は転職を考えてる人達かもしれません。だけど、たまには転職活動を離れ、アニメゲームマンガも離れ、別の読書をしてみるのも楽しいかもしれませんよ。
宇宙論と神
古来、宇宙とは人々が住む村の界隈のことであった。そこで語られる宇宙創成神話が彼らの宇宙観を形成し、やがて太陽や月、惑星などが織り成す秩序立った美しい世界が明らかになると、人間は天と神の存在を結びつけていく。そして望遠鏡の発明を機に、人々が認識できる宇宙は太陽系を越え、銀河宇宙へと広がっていった。天は幾層にも重なった構造を持つことが分かり、そこに鎮座する神は次々と居場所を変え、容易にその姿をつかませない。本書は、宇宙と神の関わりをひもとき、天文学の歴史の中で科学者たちが積み上げてきた宇宙論の変遷をたどる。
物理学と神
「神はサイコロ遊びをしない」と、かつてアインシュタインは述べた。それに対し、量子論の創始者ハイゼンベルグは、サイコロ遊びが好きな神を受け入れればよいと反論した。もともと近代科学は、自然を研究することを、神の意図を理解し、神の存在証明をするための作業と考えてきたが、時代を重ねるにつれ、皮肉にも神の不在を導き出すことになっていく。神の御技と思われていた現象が、物質の運動で説明可能となったのだ。しかし、決定論でありながら結果が予測できないカオスなど、その後も神は姿を変えて復活と消滅を繰り返し、物理学は発展し続けている。神の姿の変容という新しい切り口から、自然観・宇宙像の現在までの変遷をたどる、刺激的でわかりやすい物理学入門。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池内/了
1944年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。同大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。名古屋大学大学院理学研究科教授。講談社出版文化賞、産経児童出版文化賞などの受賞歴がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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