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2016.04.04 バンダイナムコエンターテインメントの「カタログIPオープン化プロジェクト」から見るアニメゲーム漫画の二次創作、メディアミックスの可能性について

本日(2016年4月4日)の日経新聞には以下の記事が掲載されていました。

nikkei「ゲーム・コミック 二次利用どうぞ  許諾の門戸広く、戦略変化 バンダイナムコ 「創作」募集、対価得る

コミックやゲームなど商業コンテンツの知的財産を利用許諾する手法に変化が生じている。共通するのは利用へのハードルを下げ、できるだけ多く使ってもらうことで有形無形の対価を得ようという戦略だ。わかりやすい利用規約づくりなど、いわゆる「開放」に伴うリスクコントロールにも知恵を絞る。」

今回は、アニメゲーム漫画と二次利用について、バンダイナムコエンターテインメントの「カタログIPオープン化プロジェクト」についてです。

Viewcastアニメゲーム漫画の多様化

近年、ソーシャルゲームのF2Pやアニメの定額配信、マンガの読み放題サービスなど、アニメゲーム漫画を楽しみ方は年々多様化を進めています。

先日のAnime Japan 2016でも、アニプレックスの新サービス「Viewcast」の発表もありました。これは、アニプレックスが配給するアニメのBlu-rayやDVDを購入すると、スマホやタブレットでも全く同じ内容のアニメが楽しめるというものです。このサービスの立役者で、アニプレックスの宣伝プロデューサーでもある高橋祐馬さんからは、「昨今、映像作品の市場規模が下がっているのが現状です。私を含め、メーカーの人間はどうしようかと考えているが、嘆いていても始まりません。どうすれば、もっと多くの人に楽しんでもらうことができるだろうと考えて開発しました」という言葉もありました。アニメを楽しめる幅を広めることは、アニメの購買の増加にもつながる可能性を持っています。

niconicoアニメゲーム漫画の二次創作

近年は、コミケやニコニコ動画を始めとして、個人によるアニメゲーム漫画の二次創作物が非常に多く作られるようになっています。

コミケは、1975年の初開催から2015年の冬コミで89回目。入場者数も2014年冬に約56万人、2015年夏に約55万人を記録しており、日本で行われる全てのイベントの中で最大級の規模を誇ります。開催3日間の総売上は50億円を超えるとの推定も出ています。企業ブースの出展も増えていますが、サークル出展がその大半を占め、その多くが二次創作であることからも著作権への寛容さがこれだけのマーケットを生み出していると言えるでしょう。

カドカワのIR情報によると、ニコニコ動画は、プレミアム会員数254万人、ID発行数5,321万人、MAU871万人、2015年3月期 第1四半期(2014年10月-12月)で約48億1000万円の売上を上げています。ニコニコ動画にあるコンテンツも全てが著作権に引っかかるわけではありませんが、ゲームのプレイ動画、実況動画などはいつ削除されても文句の言いようがないことは間違いないでしょう。

IP法人もゲーム、コミックを二次創作

そして、今回のニュースはゲームやコミックの法人の二次創作に関して、カタログIPオープン化プロジェクトに関してです。もちろん個人のように全く好き勝手にコンテンツを使えるというわけではありませんが、公序良俗に反しない内容であれば、審査は基本通過します。応募件数もすでに300件を超えており、ゲームアプリもすでに約40作品がリリースされています。ニジ政策に関しては、有料コンテンツであれば売上の12%、無料の広告収入モデルであれば、売上の50%と定められています。

メディアミックスやリメイクは今やよく聞く話となりました。そのメディアミックスやリメイクの元なるのは、一つの作品、コンセプトです。それが一般的には著作権や知的財産権と呼ばれています。例えば、アニメの製作委員会は、まさにアニメという知的財産から出資各社が自社にメリットとなる利益を得るために出資と引き換えに権利を得ます。映画会社であれば上映権、製作会社であればパッケージの販売権、コンテンツの配信会社であれば配信権、テレビ局であれば放送権、出版社であれば漫画家権、ゲーム会社であればゲーム化権、遊技機会社であれば、パチンコ・パチスロ化権といった具合です。二次創作はすでにできているものをさらに活用しますが、製作委員会の場合は最初から全ての展開が決まっています。

いずれにしても、アニメゲーム漫画が一つの形だけではなく、様々に展開することはファンにとっての楽しみが増えることを意味します。アニメの製作委員会もアニメの情報量、情報発信力、宣伝効果の高さがその肝になっています。今後、アニメに留まらないゲームやコミックの版権利用も増えていくでしょうし、その形にはまだまだ収益化の可能性があります。ぜひ参考にしていただいて、皆さんにもアニメゲーム漫画の将来の形を考えてみていただければと思います。

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