ゲームプログラマーはゲーム業界の中でも採用しにくい職種です。採用現場の方であれば、その感触を少なからず感じているはずです。今回はそんなプログラマーの採用についてです。

2005年から2倍以上に成長したゲーム業界

ゲームプログラマーはゲーム開発に一番欠かせない職種と言っても過言ではありません。デザイナー、プランナー、ディレクター、プロデューサーはいわば、ゲームをより面白いもの、より売れるものにしていくために後から発明されていった仕事であり、いわゆるコンピュータゲームの起源から考えた時、最初にコンピュータゲームという形を作り上げたのが、ゲームプログラマーです。いわばゲームの最も根幹の骨組みを作り上げるのがゲームプログラマーの仕事です。

コンシューマーゲームの市場規模の縮小とともに、ゲーム業界の採用もしやすい時期が一時期ありました。しかし、ソーシャルゲーム、スマホゲームの急速な拡大は、同時に業界全体のゲームクリエイター採用の機運を高めました。2014年のゲーム業界市場規模は約1兆2000億円に達し、2005年の約6000億円と比べてほぼ2倍の市場規模に成長しています。市場規模と採用ニーズを単純に比較することはできないですが、少なくとも今のゲーム業界では、今までの2倍のマンパワーが必要とされているということはできないでしょうか。

今必要とされているプログラマーとは

ゲーム業界の市場規模の内訳を見ると、コンシューマーゲームの売れ行きは低迷を続けている一方で、オンラインプラットフォーム（スマホ／タブレット向けゲームアプリ、フィーチャーフォン、PCオンラインゲーム）の割合が増え続けていることが分かります。その中でも特に、ゲームアプリ（スマホ／タブレット向けとフィーチャーフォンSNSで動作するもの）の市場規模は18％増の7154億円で、国内ゲーム市場全体の6割を占めるまでに成長しています。ゲームアプリ、スマホゲームの市場拡大がゲーム業界全体を押し上げている構造がわかります。

そしてこのことはゲーム開発を仕事とするプログラマーにも大きな変化をもたらしました。コンシューマーゲームの開発はC++やUnreal Engineを使うことがほとんどですが、スマホゲームの開発はほぼほぼUnityが主流です。Unityはゲーム開発にそんなに詳しくないプログラマーが触っても理解できるようなもので、C++やUnreal Engineを使えるプログラマーであれば、習得することは難しくないのですが、C++での開発に慣れていた一部のプログラマーはその時点で、遊技機開発などの他業界へと移ってしまいました。そのことがゲームプログラマー減少の原因にもなっています。

優秀なゲームプログラマーを採用するための方法

つまり、大枠で言えば、ゲーム業界には、コンシューマーゲーム時代からゲームを作り続けている中堅以上のプログラマーとUnityでのスマホゲーム開発からゲーム業界に入った若手のプログラマーに大別されます。転職市場から言えばどちらのプログラマーも十分には足りていない状態ですが、大手メーカー、パブリッシャーを中心に中堅以上の地力のあるプログラマーの採用を進めたいというニーズが強くなっています。

Unityでの開発経験しかないプログラマーはUnityを使う分には全く問題なく仕事してくれますが、ゲームを作るということに関して必ずしも長けているわけではありません。ゲームプログラマーが不足している中、Unityが使えるというだけでも大変に重宝されます。しかし、ユーザーの目も肥え、遊ぶゲームの固定化も進む中、これまで以上のクオリティのスマホゲームを作り上げることは各社の共通の課題です。だからこそこれまでコンシューマーゲーム開発で十分にゲーム作りを経験してきた中堅以上のゲームプログラマーが必要とされています。

彼らは、自らの技術レベルを更新し続けることでゲーム業界の最先端をキャッチアップし続けてきた人たちです。ゲーム開発、プログラミングが好きだから勝手にどんどん先を目指してしまうような人たちです。彼らに訴求するためには、単に「スマホゲームを開発しています」ではなく、会社がその先の何を見ているのか、現場のプログラマーたちはどんなテンションでゲーム開発に取り組んでいるのかを示す必要があります。そのためにも求人広告には、会社のビジョンや現場のプログラマーの声をしっかりと反映させる必要があります。その際にも正解を求めるような広告ではなく、よりリアルな温度感を書きあら増す必要があります。ぜひ参考にしていただいて、ゲームプログラマーが興味を引くような求人広告で採用を加速させてください。