アニメ ゲーム クラウドファンディングの成長とこれからの課題

cf現在の市場規模

記事を読んでいただきありがとうございます。今回取り上げるのはクラウドファンディングの現状とこれからの課題についてです。クラウドファンディングが北米で始まって以来日本でも10社以上がクラウドファンディングのサービスを開始してきました。そしてその市場規模は年々拡大傾向にあります。どのぐらいまで成長しているのかについてはクラウドファンディングの市場規模などを可視化しているサイトvisualizing.infoによると2014年7月時点で15.5億円だったところから1年後の2015年7月になると35.5億円へと規模が急拡大しています。さらにもう1年たった2016年6月のデータを見ると66.7億円規模まで拡大しています。

日本での主要クラウドファンディング会社というと、「READY FOR?」「CAMPFIRE」「Makuake」「COUNTDOWN」「kibidango」などがあります。こういった各社が積極的に展開を行うことでアニメやゲームはもちろんのこと、具体的なものづくりのプロジェクトもどんどん進行しています。

主要サイトの中でも一番規模が大きいのは「READYFOR?」で2016年6月の累計金額のうちの34.4%にあたる約23億円のお金を集めています。続いて同じく累計の21.65%にあたる約14億円を集めている「Makuake」、そして12.76%にあたる約8.5億円を集めている「CAMPFIRE」と続きます。

国内主要サイトの成立した大型案件を見ると基本的にはものづくりのものが多く、TOP10のうちアニメは片渕須直監督による『この世界の片隅に』(原作:こうの史代)のアニメ映画化を応援の1件のみで、ゲームについてはゲーム制作ではなくゲームのハードに関するプロジェクトであるPCゲーマーへ朗報!コントローラ付ゲーム専用モバイルPC<GPDWIN>上陸!が1件のみとなっています。

Chinabiruhonkon海外でのクラウドファンディングの現状

逆に本家である海外の市場を見てみましょう。海外では三菱UFJ信託銀行が作成したデータを参照すると、日本の100倍以上の規模になっています。

引用開始

2014 年は 2013 年に比べて+167%、101 億ドル 増加の 162億ドルに拡大している(図表1)。北米の比率が最も大きいが、アジアの増加が顕著で、市場規模拡大の主な要因となっている。更に、2015 年には112%増加し、344 億ドル に達する見込みである。

引用終了

クラウドファンディングとその特性より抜粋

海外では記憶に新しいところで『シェンムー3』『Mighty No.9』など大型調達を実現したゲームタイトルが多数あります。海外も当然ゲームばかりプロジェクトが立案されているわけではありませんので、ゲーム以外のものづくりの部分の成長も著しいのですが、いずれにせよ新しいゲームが生まれる土壌としては十分な金額が投資されていますので、現時点においては国内でお金を集めるよりも海外でお金を集めた方が大型のプロジェクトについては有利になると思います。

そんな海外での市場規模も順調に成長を続けているのかと思いきや、Kickstarterビデオゲーム部門の支援総額が昨年に比べて大幅に減少しているというニュースが飛び込んできました。

引用開始

英国コンサルタント企業ICO Partnersは、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」のビデオゲーム部門における2016年上半期の調査データを報告しました。

昨年には『シェンムー3』や『Bloodstained: Ritual of the Night』を始めとした注目プロジェクトが飛び出していたKickstarterですが、ICOPartners調べによれば今年度上半期の総調達額は820万ドル。前年度上半期と比べ1,000万ドル以上減少したと報告されています。

引用終了

Kickstarterビデオゲーム部門の支援総額、昨年比大幅減―ICO Partners調べ

調達金額達成率はそう変わらないものの、支援総額が落ちているというのは、注目を集めるようなプロジェクトがなかったのかもしれませんし、ゲームへの投資を控えているのかもしれません。

suspicious secretary did found something on her lこれからの課題とその先にあるもの

日本では世界と比較すると1%程度の規模しかないものの、確実に成長を遂げている分野ではあるので、これからももっと投資家ないし投資したいと思っている人にクラウドファンディングというサービスがあるということをリーチしていくことが何より重要になってきます。またアニメゲーム漫画業界でいえば、ここでお金を集めて新しい作品を作ることができるというのは、受託開発会社がチャレンジしやすくなりますし、作品作りに没頭したいけどお金がないという人にも、非常にありがたい話だと思います。

市場規模として成長はしているものの国内では認知度が低いのか、プロジェクトの成立確率が低いのか、原因を改めて調査していく必要はありますが、あまりにもアニメゲーム漫画関連のプロジェクトが少なくてさびしいです。クラウドファンディング会社と有名クリエイターがタッグを組んで大型のゲームプロジェクトなりアニメのプロジェクトなりを立ち上げていくことが、今後新しい作品が生まれていくためのきっかけになると思います。さらにそこでよりプロジェクトを成功に導くためにも、Kickstarterで起きていることを改めて吟味して、日本でゲームプロジェクトが立ち上がるときに気を付けてほしいと思います。

コンテンツを作るためにお金が必要になることはほとんどの場面で当たり前の話です。だからこそこういったサービスはもっと拡大していってほしいですし、ラクジョブとしても面白そうなアニメゲーム漫画コンテンツのプロジェクトが提出されたらここで取り上げていきたいと思います。

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