ゲーム ゲームプログラマー 転職 業界未経験者プログラマーに求められるスキル

これからゲームプログラマーになりたい!とお考えの業務系・アプリ系プログラマーさんが最近ラクジョブにも多く登録されています。もともとラクジョブはアニメ・ゲーム・マンガ業界のクリエイターに専門特化した媒体ですので、一番多いのはC、C++のプログラマーの方なのですが、最近ではPHP、Java、Javascriptなどの方の新規登録が目立っています。

書くならゲームのコードを書きたい!という人、増えてます

書くならゲームのコードを書きたい!という人、増えてます

そうした業界外からのプログラマー経験を持っている人に話を聞くと、みな一様に「ゲーム好き」。ゲームをプレイしていてゲーム業界にあこがれが有り、転職したいと考えているんだけど、自分のプログラムスキルを活かせる会社があるのだろうか?というご相談もまた多く頂くお話の一つです。

上記の質問にお答えすると、「あなたのプログラムスキルを活かせる場所、あります!」です。パッケージ売りのコンシューマーゲーム全盛期はCやC++と、ゲームに特化した独自のエンジンで開発が完結していたのですが、現在のゲームは多様化していて、パッケージのものでもダウンロードや通信があったり、スマホのゲームではフロント側とサーバー側の開発が必要なものがほとんどとなってきました。

実際に、弊社で行っている会社同士のビジネスマッチングサービスで、会社単位でゲーム業界に移行したいという業務系開発SES会社の営業支援に当たった際、ソーシャルゲーム黎明期でサーバー側の開発に長けた企業がほとんどゲーム業界にいなかったということもあり、ゲームサーバー開発の外注先としてその企業はかなり重宝され、一気に売上を3倍に伸ばしました。

君ってやつァー最高のプログラマーだなぁおい!

君ってやつァー最高のプログラマーだなぁおい!

そして現在も、銀行などの基幹開発業務を行いながらも半分はゲーム受託開発・出向開発請負などを行い、社内には業務系出身者ながらゲーム好き!という人があふれ、休みの日にスタッフ同士わざわざ集まってはゲームをしているという光景が広がっているそうです。

しかし、この会社がゲームに参入した際1番大変だったのは、実は技術面ではありません。会社であっても個人であっても、必ず通る洗礼というか、参入障壁となる「とある問題」がゲーム業界にはあります。逆に言うと、これさえしっかり対策を打って行ければ、あなたは業務系や SEからゲーム業界ゲームプログラマーへと変わることが出来ます。

その障壁とはズバリ、「仕様書」に関わることです。

しっかりかっちり設計図を書いてから作るのが業務系のイメージ

しっかりかっちり設計図を書いてから作るのが業務系のイメージ

通常、業務系開発には「要求分析 → 基本設計 → 詳細設計 → プログラミング → 単体テスト → 結合テスト → 総合テスト」という開発フローを踏むところが大体だと思います。しっかりしたところだと、要求分析(要件定義)の段階で、要求概要・システムの目的・現状の課題と改善案・基本要件と優先順位・到達目標・システムの実現手段・システム化の範囲・概略費用・効果(定性/定量)・体制図・概略スケジュールまで決めてしまいます。いずれもしっかりExcelで詳細まで書き出し、発注側・受注側ともに共有して寸分のずれもなく開発を行うのが通常になっているはずです。

当たり前ですが、銀行など基幹業務の開発を行う際、少しのズレもバグもあってはなりません。要件定義は細かければ細かいほどいい。勝手な変更などは許されない。それが業務系開発です。

業務系から見たらゲーム系仕様書はお絵かきに見えるかもしれません

業務系から見たらゲーム系仕様書はお絵かきに見えるかもしれません

それに対して、ゲームの開発仕様書はパワーポイントでゲームプランナーが作成することが多いです。ユーザーインターフェースなども交えてグラフィカルに、ゲームの使用を説明するパワーポイントが1〜10枚ほどのボリューム感で作られます。そして、この仕様書が作られている段階でまだ不透明な部分が8割方あるということもザラです。

作りながらドンドン変更していくのがゲームの仕様書。もはや設計図ですらない場合もある。

作りながらドンドン変更していくのがゲームの仕様書。もはや設計図ですらない場合もある。

「それでどうやって作るんだ???」って??一応仕様書にはプログラマーさんへの指示も書いてあります。「胸元あたりまで表示できるように作って下さい。」「タイトル画面からホーム画面に遷移する間に、4つほど必須の情報を取得して下さい。」「キャラクターがスワイプでそれっぽく動くようにしてください。」などです。なんだか指示が曖昧な様に思えるし、開発の正解が成果物の雰囲気にゆだねられている感じがして、開発自体がゲームのようですね。当然、開発途中でやっぱりプランBに変更!なんてことも普通にあります。

実は、この時点でさじを投げてしまう業界未経験者プログラマーの方が多いのです。今まで寸分の狂いもなく仕様書に沿った形で作ってきたのが普通だったため、ゲーム仕様書を見たときにあまりにも「テキトー」に見えてしまい、いらいらする・・・。こんな業界未経験者プログラマーが、ゲームプログラムに少し関わってはゲーム会社と喧嘩し、元の鞘に戻っていくというところを何度も見てきました。

せっかく同じキッチンに立ったのに作り方で揉めるのはもったいないですよね

せっかく同じキッチンに立ったのに作り方で揉めるのはもったいないですよね

ゲーム会社側から見ると、「業界外のプログラマーは工夫やアイディアがない。クリエイティブじゃない!」という意見になってしまうのですが、これはどちらが悪いという話ではありません。業務系には「間違えてはならない」という至上命題があり、同じくゲーム系には「間違えたり変更があったとしても、よりおもしろいモノを作れ」というポリシーがあるのです。この文化の違いが、ゲーム業界と業務系出身プログラマーとの分断の原因です。

前述したSESの会社は、ここの違いに最初こそ戸惑いましたが、出向業務でその社内の人たちの触れる中で「郷に入っては郷に従え」を実践できたため、ゲーム業界の開発にも慣れることが出来ました。

これからゲーム業界に入りたい!と考えている業務系プログラマーのみなさん!あなたたちの開発スキルが業界には必要です!ただし、みなさんを魅了したあまたのゲームたちは何度も重なる仕様変更やアイディアの再構築によって生まれてきました。なので、作り手側になったときはそこをぜひ、ゲーム開発の醍醐味と受け入れてあげてくださいね!

手間がかかる子ほどかわいい。大変だからこそおもしろいゲーム作り

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