PSVR予約開始直後に受け付け終了へ
記事を読んでいただきありがとうございます。アダルトVRフェスタの取材を終えて、今まで以上にVRに対する期待でいっぱいです。弊社のサイトにもVR関連の記事へのアクセス頻度は高く、今回はそんなVRの大きな期待の一つ、PlayStationVRの予約開始日が昨日でした。
先に北米で2016年3月22日に予約開始したときと同様にどこの店舗もあっという間に予約受付を終了したそうです。それだけ大きな注目を集めているのは間違いないですが、一般消費者を対象に考えてみると注目度が高いと思っているのはあくまでまだ業界関係者のみで、一般への浸透率はまだそこまで高くありません。Oculus Riftをはじめ、日本よりも進んでいるはずのアメリカでさえ、アメリカ人の半分はVRを知らない、もしくは興味がないという調査があります。
引用開始
ただし、Stephanie Llamasアナリストは「米国人の50%はまだVRを知らないか、興味が無いと述べている」と指摘。市場の急拡大にはこうした普通のユーザーにも受け入れられる必要があり、アーリーアダプターからの浸透や、良質なコンテンツの充実が不可欠であるものの、初期の出遅れがこれを阻害する可能性があるとしています。
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2016年のVR市場予測を下方修正・・・SuperData調査
日本ではそもそもVRがニュースになることはまだそんなにありません。直近では舛添都知事のニュースが放送されている時間がかなり多くを占めていたと思いますし、VRやIoTといった新しいテクノロジーのニュースが頻繁にとりあげられ普通のこととして話が出来るようになるのにまだ数年は最低でもかかりそうです。先日お会いした映像制作会社の社長は2014年8月時点でアメリカでVRのゲームをプレイしてかなり衝撃を受けたと言っていました。実際にプレイしているところの写真も見せてもらいましたが、今日本でゲームがリリースされるようになったのは最近の話で、それに比べたらかなり出遅れている感があります。
VR市場を牽引するもの
そんなちょっと先の話なのかと思われるVRですが、これからどのように市場規模は大きくなっていくのでしょうか。その鍵はゲームとアダルトコンテンツが握っていると思います。というのも、VHSとベータのビデオ規格戦争のときに、アダルトコンテンツが普及の一端を担ったということからしても、先日のアダルトVRフェスタもそうですが、すでにいくつかのメーカーがVRと連動するアダルトコンテンツを開発しています。
『セクシービーチプレミアムリゾート』
『ハニーセレクト』
『カスタムメイド3D2』
『なないちゃんとあそぼ!』
イリュージョン最新作の『ハニーセレクト』では追加ダウンロードコンテンツとしてVRでバーチャルSEX体験「ハニーセレクトVR」のプログラムが配布決定しています。すでにOculus Rift向けにHシーンを360度バーチャル体験できる追加プログラムも配信しており、VRへの対応は着々と進んでいます。
これら以外にも多くのゲームコンテンツが開発されています。スマートフォンなどのゲームと比べて、PCゲームとVRは接続面でも親和性が高く自宅で使用するという意味では使いやすいでしょう。価格の面はもっとこなれていかないと浸透しにくいという問題点は抱えているものの、新しいアダルトコンテンツの形として、開発と研究とアダルトゲーム市場への浸透が進んでいくと思います。
VR市場規模とゲーム
また一方でゲームもVR市場を引っ張っていくきっかけになり得ます。というのも、VRを最もわかりやすく一般消費者に伝えるのに最適なコンテンツだからです。すでにバンダイナムコエンターテイメントがVRコンテンツを楽しむことの出来る「VR ZONE」をオープンしていますし、東京ゲームショウ2015で公開されたカプコンの『KITCHEN』というPlayStationVR向けのコンテンツはかなり怖くて体験した人から評価がかなり高く、現在『BIOHAZARD7 resident evil』はPlayStationVR完全対応ということで、いやが上にも注目と期待が高まります。これらゲームがVR市場を牽引していくかについては、先出の2016年のVR市場予測に関する記事においても下記のように書かれています。
引用開始
調査会社のSuperDataは最新のレポートで、2016年の世界のVR市場について、前回までの予想を22%下方修正し、29億ドル(約3200億円)としました。ハードウェアメーカーが出遅れている事が主な要因です。
同社ではVR市場は当初ハードウェアに牽引される形で、特にゲームユーザーを中心に需要があるものの、Oculus Riftの出荷遅れに見るように、十分に対応が出来ていないと指摘しています。出荷の遅れから市場規模の予測は下方修正したものの、一方で初期の需要の高さは想定以上だとも述べています。
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2016年のVR市場予測を下方修正・・・SuperData調査
この記事によるとゲームが当初引っ張っていくものの、将来的にはシェア全体の1/4までにとどまり、PC関連からのシェアが40%を超えるとみています。実際それがどういう世界なのかと言えば、ゲームといえば当初ファミコンを指すのも同然で、ゲームとしてのシェアの大半をファミコンが占めていましたが、その後多くのゲームハードが市場に投入され、今ではスマートフォンがゲームと言えば最も普及しているデバイスとして扱われるようになっています。つまりゲームそのものが当たり前のエンターテインメントとなり、いろんなデバイスでゲームが楽しめるようになった結果コンシューマーゲーム機以外のゲームプラットフォームが多数存在するようになりました。
2020年のVR市場規模
VRも同様にゲームとの親和性が高いから初期の導入としては有力な手段かも知れませんが、その後医療や教育、旅行など、様々な分野で活用が進んでいくとVR市場の売り上げの中心はゲームからシフトし、いろいろなところから売上が上がっていくようになるでしょう。VR市場規模自体は2020年に8兆円規模にまで成長すると言われています。
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市場調査会社TrendForceがVR(仮装現実)関連マーケットの調査結果を発表しております。同社の調査レポートによると、ハードウェア、ソフトウェア両方合計した市場規模は2020年までに700億ドル(120円換算で8兆4000億円)規模に到達すると試算しております。ちなみに来年の2016年には67億ドル(同換算で8040億円)に拡大するそうです。
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VR(仮想現実)市場は2020年に8兆円規模のマーケットに成長【TrendForce調査】
今VR市場に乗り出しても、当面投下資本を回収することは難しいです。とはいえ、グリーが北米向けのVRスタートアップファンドを設立したり、コロプラがVR領域に最大5000万ドルの出資を行う専門ファンドを設立したり、gumiがVR特化のインキュベーションをスタートしています。そして世界で4000万台近く売れているPS4と接続できるPSVRが発売されると、その流れは一気に加速するでしょう。
VRは日本においてまだまだ始まったばかりの分野ではありますが、すでに先行して多くの企業で研究開発を進めている話を耳にします。またそこに出資を検討している企業も多くありますので、新しい分野で挑戦をしたい、VR向けの企画があるといった企業はぜひお声がけ下さい。いろんな会社とつないでいくことはゲーム業界の発展につながります。ゲーム以外にもアニメや映像などエンターテイメントとVRの融合はまだ始まったばかりです。ぜひ気軽にお問い合わせ下さい。