アニメ ゲーム 映像 動画 加熱する動画配信サービスにAmazonも参入!クリエイターへの追い風になるか

imageAmazonが動画投稿サービスに参入

今月10日、Amazonはユーザーが動画を投稿し、収益を得ることを可能にする「ビデオディレクト」サービスを開始すると発表しました。世界で利用される検索サイトGoogle傘下にある動画共有サイト最大手、YOUTUBEに攻勢をかける狙いです。「ビデオディレクト」に投稿された動画は、レンタル・購入が可能な他、広告付きであれば無料で視聴も可能、と展開に工夫を凝らしています。コンテンツ制作者は、動画のレンタル・販売で得る収益の50%、広告付きの場合は広告純収入の半分を獲得できるというモデルとなっています。最初のサービス提供対象はアメリカ、日本、ドイツ、オーストリア、イギリスの5カ国です。

このサービスの発表により、10日午前の取引で、Amazon株価は一時3.2%上昇し、日中最高値である701.40ドルを記録しました。それだけ、動画サービスが注目され期待されているという一つの指標になったわけですが、すでに動画サービスの業界では圧倒的1位を誇るYOUTUBEや、その他増え続けている動画配信サイトに対してどれだけ存在感を示せるのかというのは課題となっています。これまでもAmazonはAmazonプライム会員向けのサービスとしてテレビ番組や映画等の見放題サービス、音楽100万曲以上の聴き放題サービスを提供してきました。Amazonプライム会員はAmazonで発注した商品のお急ぎ便、お届け日時指定便の回数無制限利用を求めて、プライム会員に入会しています。会員費は年会費税込3,900円と、お急ぎ便や日時指定便などだけでなく動画配信や音楽配信の聴き放題が付いていると考えるとかなりリーズナブルな価格設定です。現在はプライム会員は5,000万人ほどですが、認知されていけばさらに会員も増えていくだろうという目算もあながち間違いではありません。

image日本国内でも空前の動画配信サービスブーム

現在、日本国内でも動画配信サービスがどんどん生まれ、それぞれ人気を誇っています。以前はアニメ業界等から見て動画配信サービスというと、YOUTUBEやニコニコ動画などで著作権法違反の海賊版動画が出回っているという負のイメージがありましたが、権利元からの申請による削除対応や、クオリティを求めるユーザーの違法動画離れから、月額制で見放題の動画配信サービスが注目されるようになってきました。動画配信サービス比較ランキングを参照してみると、少なくとも国内で配信している動画配信サービス事業者は20件以上あり、アニメ、海外ドラマ、映画などそれぞれ得意分野に分かれてサービスを展開しているようです。

docomoが展開しているdTVは12万本以上の動画を月額500円で楽しむことができ、海外ドラマが得意なHuluは最近日本のテレビアニメも取り扱ったりGWのコナン映画興行に合わせて過去のコナン映画シリーズの一挙配信を始め、話題をさらっています。U-SENの提供するU-NEXTではポイント制を取っており、動画以外にも電子書籍が楽しめるのがほかと違った特徴となっています。そして、ユーザーインターフェースが強く、プランも豊富で『亜人』のような自社独自コンテンツの制作にも意欲的なNetflixも、会員数6,500万人を抱える大きなサービスです。店舗でのレンタル型で最大手のTSUTAYAも、もともと行っていたDVDの配送レンタルサービス「TSUTAYAディスカス」のほかに、完全ネット完結の配信型サービス「TSUTAYA TV」を始めています。

ただ、上記のような動画配信サービスで提供しているのはセル作品のみとなっていて、素人が動画投稿を行うニコニコ動画やYOUTUBEとは棲み分けができています。YOUTUBEやニコニコ動画では、時間の長い動画のアップロードは非常に負荷がかかり、時間を要するため海賊版は上がっているとはいえ、時間を細かく分割して別動画に編集していたり、解像度を落としている場合が多く見られます。細切れになっていたりジャギっている動画は、映像を楽しみたい層には不評ですし、動画を投稿したユーザーにとっての収益源は広告のアフィリエイトのみなので、安価でハイクオリティな映像を楽しむことができるサイトにアニメや映画を見たいお客さんが流れている現状では違法アップロードで稼ごうとする人間も減りますので、自然に海賊版は撲滅されニコニコ動画やYOUTUBEにはYOUTUBERやMAD、MMD等の個人制作動画が主体になって行くのではないかと予想されます。

image期待されるビデオディレクトの内容

まだ、今回はじまるAmazon「ビデオディレクト」の詳細な内容は発表されていませんが、レンタル・購入が可能な他、広告付きであれば無料で視聴も可能という情報から察するに、より動画そのものに価値を見出した展開になっていくことと考えられます。前述のdTVやHuluのような動画配信サービスでは、「視聴」に対しての月額費用制となっており、購入という概念はありませんでした。つまり、同じ作品を繰り返し何度も見たい場合はサービスにアクセスしてネット上で見ることになり、ダウンロードや保存ができません。Amazonビデオディレクトでは、視聴のみを求める層に対しての無料やレンタルという提供手法を残しつつも、有料販売という新しい概念を入れ、かつその利益の50%を制作側に分配するという大盤振る舞いによって、個人や法人から発信される新たな映像作品としてのヒットを掘り起こそうとしているのではないでしょうか。

YOUTUBEによく見られるアフィリエイト広告のクリックを狙ったネタ動画とは層が違い、より映像自体への価値を重視し、それにお金を払っても買いたいというユーザーがどれだけいるのかをビデオディレクトによって計測し、Amazon発信の人気クリエイターによる人気作品を生み出し独占しようと考えているのではないかと感じるのです。逆説的に言えば、それだけ「動画」というコンテンツには情報的価値が付加され、さらに価値が向上していく可能性があるとAmazonが考えているということです。

imageクオリティの高い動画は価値がある

Amazonビデオディレクトに動画を投稿するユーザーは、明らかにニコニコ動画やYOUTUBEなどに投稿するユーザーとは層が変わってくるでしょう。プロの作る映画やドラマと並んで、一般ユーザーの評価の目に晒され、収益につながるかどうかをシビアに判断される場になっていくということは、無料で再生数、広告クリックアフィリエイトの数値を気にする層とは明らかに分断されています。クリエイターが自分の映像作品を既存作品と並べて評価される登竜門のような場になるという期待もできそうです。イラストではPixivなどが顕著ですが、投稿された作品を見て、企業がクリエイターの引き抜きを行うという例もよく見られるようになってきました。動画でも同じことが起こる可能性があります。また、個人だけではなく企業としても映像素材の販売や、新規案件のオファーを受ける入り口としての活用も期待されます。

動画の持つ力はいま、再確認されています。テレビ離れが進むなかで、ネット上で完結する商品PRのためにネット動画が使用されたり、アプリにもPVが使われ、ユーザーの購買活動の最初の入り口として、五感を刺激する映像表現は必須となってきています。いまはそうした、広告価値のある動画を作れるクリエイターを探すにはCG会社年鑑を引っ張り出して来たりと一苦労ですが、ビデオディレクトが普及してきて各会社の映像ポートフォリオや作例が簡単に見れるようになり、その場で販売することができれば映像による広告展開シーンも、大きく変わっていくかもしれません。

ビデオディレクト本稼働までの間は、おすすめPVを集めた下記サイトをおすすめいたします。
https://www.point-p.jp/works/index.html

2Dアニメーションを使用しての、オタク寄りになりすぎず世界観を捉えつつもスタイリッシュで爽やかな仕上がりに定評のある会社の制作実績です。

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