1990年代、週刊ジャンプ、マガジン、サンデー3誌の合計発行部数が1000万部前後を遷移していました。 しかし、そこをピークとして近年発行部数は減少して、2006年は合計で600万部程度まで落ち込みます。 一方マンガ単行本の売り上げはほぼ横ばいとなっています。
マンガ雑誌全盛期にはマンガ雑誌の販売金額とマンガ単行本の販売金額に1000億円の開きがありました。 その後マンガ雑誌の売り上げ減少が続き、2005年にはマンガ雑誌の販売金額がマンガ単行本の販売金額を下回ることとなります。 マンガ雑誌の売り上げは低下したものの、マンガ単行本にはアニメ化やゲーム化など、メディアミックスされた作品を中心にヒット作が生まれています。
マンガ雑誌を読まなくなった代わりにメディアミックスで原作のマンガを知るケースが増えたため、マンガ単行本の売り上げは維持されている傾向にあります。 また、インターネットの普及により他人による評価や知名度を元にマンガ単行本のみを購入する人も増えています。
そんなマンガ業界を支える漫画家の方にはアシスタントがついていることがあります。 ところが、アシスタントという仕事に関する求人情報が一般的な求人広告媒体に出ることはまずありません。 アシスタントは漫画家が個人的に雇うものなので、求人広告媒体に掲載するといったコストをかけることができないのです。 そのためアシスタントを募集するには、作品が掲載されている雑誌か漫画家のホームページに掲載することになります。 アシスタントの求人を探すにはそれらの雑誌を一冊一冊チェックするか、漫画家のホームページをチェックしなければなりません。
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参考 マンガができるまで
多少の差異はありますが、マンガができるまでの工程を大まかに記します。
- マンガのお仕事その1 プロット
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場面設定や登場人物、人物背景など登場するキャラクターに関係するものや、そのマンガがどういったストーリーで構成するのかといったあらすじなどを文章で書きます。これがプロットです。
- マンガのお仕事その2 ネーム
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ネームとはプロットをコマで割ってマンガに起こしていく作業のことで、アニメでいうところの絵コンテにあたります。ひとコマごとにどういう絵を入れるか考えて、具体的なセリフ出しをしていきます。マンガは文字と絵で構成されたものなので、どの絵や文字をどの位置で大きくすべきか、といったメリハリが必要となります。この作業で最も気をつけなければいけないのが、台割(だいわり:表紙から背表紙までの全ページの配置を決めること)です。これによって1ページ目が左右どちらから始まるか決まるのですが、マンガは作品を見開きにしたときいかに見栄えがするかを考えて構成されているので、最初の1ページ目の左右を間違えると全体の構成がずれてしまい、とても不自然なマンガとなってしまいます。
- マンガのお仕事その3 下描き
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ネームが完成し、編集者が了承して、初めて原稿用紙に鉛筆で下書きします。漫画家にアシスタントがいる場合は、書き込んでほしい背景や小物の指定をします。ベテラン漫画家の方だと、そのままペン入れをして、背景、効果線を描いていき、原稿完成となりますが、新人漫画家の場合、遠近法や構図など、人間がこんなポーズをとれないといったことを細かく指導するため、編集者がひとつひとつ見直しをします。
- マンガのお仕事その4 ペン入れ
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下描きが完成すると、下描きをなぞるようにペンで清書します。
- マンガのお仕事その5 仕上げ
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最後に効果線を描き、市販のスクリーントーンを貼って影などを表現し、原稿を仕上げます。スクリーントーンの切り貼りで、細かいものが服の袖口などに紛れ込んでしまうことがよくあります。
- その後
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各マンガの原稿だけではなく、表紙や目次、特集記事などといったさまざまな原稿が用意されます。その後、吹き出しや心の中の台詞の文字などが絵に合うように文字の大きさや書体を決めるネーム指定という作業をします。製版所で文字と絵をあわせてできあがったものについて、文字と絵が重なっていないか、誤字脱字がないかなどを確認します。訂正箇所を修正したら、次は印刷所に渡します。発売日の1週間くらい前になることが多いようです。そして印刷して製本され、配本といった工程を経て世の中に送り出されます。
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