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2015.12.26 コミックマーケットだけにとどまらない!?TPP問題によるコンテンツ業界への影響

Business people fighting
どうなる今後の二次創作!?

10月5日に、大筋の合意が決まってしまった、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)ですが、このアニメゲームマンガにもその影響が及びます。それが、コミックマーケットに代表される二次創作の分野になります。

tyosakuken二次創作とは、マンガやアニメのキャラクターを使用して、新たに同人誌やフィギュア、小説などの制作物のことを指します。しかしながら、一般的に、マンガやアニメや音楽、ゲームなどには、全て著作権があります。コミックマーケット(c88)でサークル数の多かったタイトルにももちろん著作権は存在します。

「艦隊これくしょん」・・・株式会社KADOKAWA & DMM.com
「東方」・・・・・・・・・上海アリス幻樂団
「アイドルマスター」・・・株式会社バンダイナムコゲームズ
「ハイキュー」・・・マンガ:集英社(古館春一氏)/アニメ:東宝
「黒子のバスケ」・・・マンガ:集英社(藤巻忠俊氏)


ではなぜ、訴えられたりしないのか!?それは、各著作権もとが、ある一定の範囲での二次創作を認めているからです。例えば、サークル数が一番多かった「艦隊これくしょん」では、以下のようになっています。

引用文
簡易版:黙認/制限事項箇条書き(最終更新2014.06.15)

[△ 黙認事項]
イ-01・公式が公序良俗に反していないと判断するもの
イ-02・公式がファン活動(同人活動)を逸脱していないと判断するもの
イ-03・通常のプレイ、又は鑑賞で撮影されたスクリーンショットや動画を用いた内容紹介など
イ-05・イラスト、漫画、小説、音楽の二次的な創作行為、その好評と物的流通*
イ-06・「ハ-01,02,06,10」に抵触しない全年齢対象のコスプレ行為、及びその写真や映像の公表と物的流通**
(*KADOKAWAに許諾のない商的流通は制限)
(**KADOKAWAに許諾のない成人対象のコスプレ行為の公表、及び物的/商的流通)

[◎ 公認事項]
ロ-01・ワンダーフェスティバルにおけるフィギュアなど立体物の公表と物的流通*
ロ-02・公正利用(第五款 著作権の制限)における私的使用のための複製**ん引用など、他..
(*ワンフェスに限定されるがKADOKAWAの許諾付きで公的に可となる。※競売については後述)
(**私的使用の目的であってDRM[デジタル著作権管理]がある場合にこれを解除することは違法行為となる)

[×制限事項]
ハ-01・公式が公序良俗に反していると判断するもの
ハ-02・公式がファン活動を逸脱していると判断するもの
ハ-03・通常のプレイ、又は鑑賞以外の方法*で抽出した画像や音声データの配布、及びそれを用いた販売

以後省略

このように、黙認事項、公認事項、制限事項として明記されている。そのため、この事項の制限の対象となったものに関しては、販売停止、訴訟、逮捕のリスクが出てきます。そのため、コミックマーケットでは、会場の10時前までに事前に内容物のチェックを行っているのです。3万5000サークル全てです。中には、条件を外れ、販売停止処分ということでテーブルに青紙が貼られるサークルもあったりします。そのような著作権もとの配慮であったり、運営側の対応があったからこそ今のコミックマーケットや二次創作の文化が成り立っているのです。

では、TPPが入ってくることで何が変わってくるのか!?それは、著作権侵害の非親告罪化です。現在の著作権は、著作権者が権利を侵害されたといわない限り、罰則の対象とはなりません。それが、警察などの捜査局の判断のみで、著作権侵害として、立件、犯罪として摘発されてしまうのです。


この問題で、コミックマーケットをはじめとした二次創作系のイベントが開催できなくなった場合どれくらいの影響があるのか?

日本における同人誌市場に関して、日本の同人誌即売会は、全国で1000回程度行われております(コミックマーケット準備会提出資料)。規模感は大小様々で、ビックサイトから町の公民館まで様々な場所で行われています。ジャンルに関しても、オールジャンルのもの、例えば、コミックマーケットやコミックシティ、COMIC 1、サンシャインクリエイションやオンリーイベント(特定のジャンル、タイトル)、例えば、コミティア(自主制作)、博麗神社例大祭(東方)、M3(音系・メディアミックス)、僕らのラブライブ!(ラブライブ!)、リリカルマジカル(魔法少女リリカルなのは)、もう何も恐くない(魔法少女まどか☆マギカ)、百刀繚乱 ~君の心を白刃取り~(刀剣乱舞)などなど、人気タイトルにもなれば、複数の運営によって別々のイベントが開催されることもあります。その同人誌の市場規模は、732億円にも及びます(2014年 矢野経済研究所調べ)。

同人誌市場規模 732億円
電子書籍市場規模 850億円(コミックのみ 650億円)
※ 2014年 矢野経済研究所調べ

Crisis photo theme: Waiting for the rain to come

間違いなく、市場規模としては縮小してしまうでしょう。それ以上に打撃となるのが、日本のアニメゲームマンガというジャンルのコンテンツです。コミックマーケットという大きなイベントがあったからこそ流行したコンテンツも存在するのです。例えば、上海アリス幻樂団によって生み出された弾幕系シューティングゲーム「東方」です。コミックマーケットで発売されて以来、爆発的な人気となり、同イベントで「東方」のキャラクターやサウンドを使用した関連商品を扱うサークル最も多くなり、それを求める人で各所に数時間待ちの長蛇の列を作っていました。また、その人たちから噂が広がり、コミックマーケットは知らないが、東方なら聞いたことがあるとい人もいるくらいでした。他にも、竜騎士07(同人サークル名:07th Expansion)を監督・脚本として制作された同人サウンドノベルゲーム「ひぐらしのなく頃に」は、2002年の発売から、ノベル化、コミックス化、アニメ化とメディアミックス展開がされるまで成長しました。このような例でもわかるように、コミックマーケットがあったからこそ、生まれるコンテンツがあり、クールジャパン政策で日本のコンテンツを世界に発信させていこうとしている今、二次創作という分野はなくてはならない存在なのです。

animebehigherhp-814x1024それは、クリエイターを育てるという意味でも言えることです。コミックマーケットに参加するサークルが3万5000サークル、各サークル1人ずつクリエイターがいたとして、3万5000人のクリエイターがいることになります。この方たちにとってこのような場は、成果の発表の場であり、他のクリエイターとの交流の場であり、お互い刺激しあえる場となっています。いろいろなサークルを回っていると、この人の絵は、このイラストレーターの営業を受けているのかもしれない・・・とか、このイラストレーターさんがこのキャラクターを描いたらこんな感じになるんだ、全然雰囲気が変わって面白いな、と思うのです。イラストが描けない私ですらそう感じるのですから、実際描いている人たちはもっと強くおもっているのではないでしょうか。また、普段在宅であったり、職場で書かれている有名なイラストレーターさんと直接お会いしたり、お話ができるのも同人誌即売会ならではでないでしょうか。「げんしけん」や「ドージンワーク」などアニメでも登場するコミケであったり、同人誌制作の場面ですが、コミックマーケット等の同人誌即売会への出店を目標に、徹夜で同人誌制作をする場面を見ていると、このようなイベントがあるからこそ、手を動かし、多くの作品を生み出すことができ、スキルを磨くことができるのだと思います。言うなれば、日本のコンテンツ業界の土台を支えていると言ってもいいのではないでしょうか。いろいろな会社さんから「人を育てるのは大変」「人を育てるのは時間が掛かる」ということをよく聞きます。しかしながらもしこのような場がなくなってしまったら、今の水準の人すら難しくなるのではないでしょうか。最終的に、何千枚、何万枚、何十万枚イラストを書いてきましたという人が上手くなり成功していくとおもいます。そのためにも、二次創作という分野は日本にはなくてはならないですし、もしできなくなった場合の日本のコンテンツ業界は市場規模としてもクリエイターの質としても先細りしていくのではないでしょうか。

komikerekisiそのような危惧は、もちろんコミックマーケット準備会を始め、多くのコンテンツ業界が思っており、11月4日の文化審議会著作権分科会で「二次創作物は除外される」という見通しになりました。しかしながらまだ安心してはいけません。

引用文(http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/1108/ltr_151108_2655518853.html 高幡南平)

(中略)

これでコミケの危機が去った、と見るのはまだ早計であろう。というのも、前出の文化審議会小委員会の委員は「非親告罪化は限定的な方向で進めるべきだが、『公訴提起に当たっては権利者の意見を聞く』など、条文化は難しいだろう」とも語っているからだ。

つまり、条文に明文化されない以上、非親告罪化が決まってしまえば、いくらでも恣意的な運用が可能になる。

(中略)

文化庁が二次創作物を除外する方針を打ち出したのは、前述のように、クールジャパン戦略を支える重要な存在だからであって、状況によってはいくらでも、解釈を変える可能性がある。

その懸念材料が青少年有害社会環境対策基本法であり、児童ポルノ禁止法です。問題となった2年前のときは、各団体、漫画家、政治家を始め多くの方からの反対運動もあり、アニメやマンガが除外されることになりましたが、アニメやマンガの性表現を規制したいという政治家がいることも事実です。そのような対象にならないようにするためにも、業界をもっと発展させていき、日本になくてはならない産業であると示し続ける必要があるのです。

この記事を書いた人

榊原大貴

榊原 大貴 » 詳細プロフィール

ラクジョブ運営スタッフナンバーワンのラブライバーであり、ラブライバーであり、ラブライバーであり・・・とにかくラブライブ業界の発展・・・じゃなかった、アニメゲームマンガ業界の発展のために熱く生きる。日本大学大学院の理系で修士でありながら器械体操部という理系&体育会系!そしてラブライブ!彼のフォローは細かく丁寧と評判。

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