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2016.05.18 アニメ ニュース 国内音楽ソフト売上停滞にブレーキ アニメ音楽コンテンツはどうなるか

2016-04-27 15.03.50国内音楽ソフト売上高3015億円 3年ぶりプラス 

記事をお読みいただきありがとうございます。この記事は国内音楽ソフトの売上高が3年ぶりにプラスになったというニュースから、アニメコンテンツの充実は音楽ソフト売り上げに貢献するのかということについて書きたいと思います。まずはこちらのアニメ!アニメ!ビズによる記事を御覧ください。
国内音楽ソフト売上高3015億円 3年ぶりプラス 「日本のレコード産業2016」発行
https://www.animeanime.biz/archives/22570

(引用開始)
「日本のレコード産業2016」によれば、2015年の音楽CD、DVD/Blu-ray、それに有料音楽配信は比較的堅調だった。オーディオレコード(CD/アナログディスク)と音楽ビデオ(DVD/Blu-ray)、それに有料音楽配信を合計した売上高は3015億円と前年比で1%増となった。伸び率は小さいが、3年ぶりのプラスになった。長期低落傾向が続くマーケットだが、近年の下げ止まりが反映している。
(引用終わり)

日本の音楽業界は1997年から1998年ごろにピークを迎えて以来、売上が落ち込み続けていましたが、それにブレーキがかかった状態です。背景には有料音楽配信業の売り上げ伸び率が8%増加し、さらにはサブスクリプションサービス(定額制コンテンツ配信サービス)などが普及し始め、前年度比54%増しの124億円となるなど新しい音楽の楽しみ方に対して、ユーザーがしっかしとついてきている証拠でしょう。

2016-04-27 15.20.36アニメ制作本数

また、同記事ではアニメ音楽についても触れています。アニメ関連の音楽CDのシングル、アルバムの合計が過去最高になり、アニメ制作本数の増加が影響しているのではないかとしています。

(引用開始)
近年のアニメ音楽の盛況や、音楽のもとになるアニメ作品の制作の増加も反映している可能性が高そうだ。
またカタログ数はシングルCDが3983、アルバムが9830と1万3813にも達した。2014年の1万533から大幅に増えている。こちらも過去最高である。
(引用終了)

アニメ産業レポート2015によると、2010年度からアニメ制作本数は確かに増加傾向にありますし、確かにその影響はあるかとは思います。しかし上のグラフの最新データである2014年のCD販売タイトル数はその前の年のシングル、アルバムの合計と比べると低いことがわかります。今年のアニメ音楽カタログ数が増えたは、音楽を前面に押し出せる「アイドルマスター シンデレラガールズ」や「劇場版ラブライブ」などのアニメアイドルコンテンツが充実し、他にも様々な二次元アイドルコンテンツが盛り上がる結果になりました。劇場公開作品だけでも『ラブライブ! The School Idol Movie』『Wake Up, Girls! 青春の影』『Wake Up, Girls! Beyond the Bottom』『劇場版プリパラ み~んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ』『とびだすプリパラ み~んなでめざせ! アイドル☆グランプリ』『アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!』の6作品が公開されています。このようなことも要因のひとつだったのではないかと考えています。

Businessmen falling down日本の音楽業界

売上減少に少なからずブレーキがかかった状態ですが、いずれにせよ音楽業界は衰退中です。CDを出しても売れていない状況はこれからも加速していくことでしょう。有料音楽配信やサブスクリプションなど、ネット経由で音楽を購入したり、配信される範囲内で楽しむものになってきています。シングルよりもアルバムを購入している売上のほうが高いのを見ると、音楽一曲あたりの価値が日本において下がってきてしまっているとみても良いのではないでしょうか。

CDというものがどんどんマニアックな存在になっていくと、「初回限定版」などのグッズと一緒に販売する方法が取りにくくなっていくでしょう。グッズや特典のデジタル化や後日自宅へグッズを発送するという方法が考えられますが、前者ですと動画配信プラットフォームとの連携などが必要になるかもしれませんし、後者ですと購入者にしっかりと行き届くのかということや、流通会社への負担も大きくなってしまいますから、一手間ふた手間になってしまいます。

Freelance work.Casual dressed man sitting at wooden desk inside garden working on computer pointing with color pen drinking coffee gadgets dropped around on table side viewサブスクリプションサービス

音楽DVDは好調という結果になっていますが、いずれこちらもサブスクリプションサービスで配信されるようになるかと思います。アニメもHuluやamebaTV、dアニメストアなどの動画プラットフォームによってどんどんデジタルで配信されるようになると考えられますから、こちらが主流になるのを見越した宣伝や戦略を練らなければ、アニメ産業市場の衰退に繋がりかねません。音楽に限らず、アニメビデオパッケージは6年連続で横ばい状態が続いています。しかし動画の配信本数は増加しているため、今後はますますグッズや特典などもデジタル化していくでしょう。デジタルコンテンツとしての強みを生かした特典、例えばそのアニメ作品のアナザーストーリーや声優インタビューなど、いままでDVDやBlu-rayの特典映像だったものを、購入者限定で配信したりする方向になっていくと思われます。

「日本のレコード産業2016」
https://www.riaj.or.jp/f/pdf/issue/industry/RIAJ2016.pdf

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