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2016.04.08 アニメ ニュース 米国日本ファンコミュニティサイトと動画配信サイトが連携 海賊版の問題と絡めて

記事を読んで頂きありがとうございます。この記事は米国のアニメファンコミュニティサイトが、大手動画配信サイトと連携を取ったというニュース記事を見た山崎が、アニメ業界発展のために正規版の作品がどんどん世界に出回れば良いなと考えたことを記事にしたものです。日本国内にかぎらず世界中で問題になっている映像や音楽の違法コピー、違法配信は法律の厳罰化とは裏腹に一向に減りません。今回のニュースをとっかかりにして、アニメファンが正規版を観るという意識をいかに根付かせるかということにも触れながら考えたいと思います。

米国ファンコミュニティサイトが動画配信サービス大手と連携

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https://www.gamebusiness.jp/article/2016/04/06/12178.html

英語に寄る日本アニメのファンコミュニティサイトであるMyAnimeListが、米国の映像プラットフォーム大手、HuluとCrunchyrollと連携するということが、MyListAnimeの親会社であるDeNAが明らかにしました。Crunchyrollは日本アニメの海外配信プラットフォームです。

(引用開始)
今回の連携でMyAnimeListでは、ユーザーはHuluやCrunchyrollで配信されている日本アニメの動画をコミュニティに埋め込んだり、リンクでつなぐ。MyAnimeListのこうした取り組みは2015年7月に開始したDAISUKI.netとの試みに続くものだ。合計3社と連携することで、MyAnimeListでは2万話以上の日本アニメが、日本を除く世界で正規利用する。
(引用終わり)

20160408-3動画配信サイトでのアニメ放送で最近話題になっているのはd-アニメストアなどです。Crunchyrollはその海外版といったところでしょうか。d-アニメストアは月額400円(税別)アニメが見放題です。Huluは外国資本の動画サイトでありながら日本のアニメ配信にも力を入れているらしく、山崎も利用しています。こちらは月額933(税別)で利用できます。今回のニュースで注目なのは、「ファンコミュニティ」が正規でアニメを見られるサービスと連携を取ったというところです。正規で動画を見られるサービスとの連携ということは、海賊版に対する意識を変えようとしているのではないでしょうか。海賊版の問題とはつまり、ファンの間でのアニメに対する認識の問題です。無料で見られるものであるという価値観を払拭するには、商品を購入する人々の意識を変えなければなりません。

海賊版とアニメファン

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https://news.livedoor.com/article/detail/9177891/

頭を抱えるビジネスウーマン 正面こちらはライブドアニュースが取り上げた記事で、経済産業省のアニメ海賊版撲滅の動きに対する海外の反応が「海賊版がアニメを増やした」というものもあるという内容の記事です。経済産業省によりますと、アニメ・漫画の海賊版被害は拡大し、同省が平成25年に行った米国での漫画・アニメのオンライン海賊版の被害額は約2兆円とされています。ここでの経済的損失というのは、本来日本のアニメゲームマンガ業界へ入ってもおかしくないお金であるはずです。確かに海賊版がアニメを増やした側面があることにはあるでしょう。しかし海賊版を視聴するアニメファンは、果たして一度無料で提供されたものをお金を出して視聴したいと思うでしょうか。

shutterstock_314258093米中は日本とは比べ物にならないほどの経済格差があります。仕事につながらない娯楽に対して、真剣にお金を払う人というのは多いとは思えません。そういう方々を切り捨てろとまでは言いません。しかし正規版を売り上げなければアニメ産業自体のダメージになり、制作スタジオに支払われる制作費も少なくなってしまいます。作品の質も落ちるでしょう。極論を言ってしまうと、結果的に良質なコンテンツを生み出せなくなっていくわけですから、創りだしたコンテンツを無料配信するということすら余裕がなくなってしまう状況になれば、正規のサービスにおいて、無料でのアニメコンテンツの配信やすらもできなくなります。結果的に、アニメファンにとってマイナスなことに繋がっていくのです。私はアニメファンにこそ、アニメ業界がどのようなお金の動きで成立しているのかということを周知させていく必要があると思います。出版業界はお金に対する情報の発信をすることを良しとしないという業界内の暗黙の了解があるそうです。その結果、出版業界は紙の本の売上が上がらず、本を購入する入り口であるはずの書店がどんどん潰れていきます。アニメ業界もそのようになってしまわないよう、お金の動き、ビジネスとしての側面を周知していく必要があるように思います。

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アニメの関心が増えることは良いことです。しかし「アニメは無料で見れるものだ」という認識が広まってしまうということは、非常に危険です。ニュースサイトが良い例でしょう。諸説ありますが、1995年にアサヒ・コム(現在の朝日新聞デジタル)が新聞記事を無料で掲載したのが発端で、日本では暫くの間「ニュースは無料で読めるもの」という認識が広まりました。いざ有料コンテンツとしてデジタル、オンライン新聞サービスを始めようと思っても、サービス開始当時は苦しい状態が続いたという一連の現象は記憶に新しいと思います。新聞は広告と販売(購読料)という両輪で成立するビジネスでしたが、アサヒ・コムはその両輪を外してしまいました。結果、コンテンツ(ニュース内容)にお金を払われなくなってしまったニュースサイト運営は、広告費と課金ユーザー限定記事などで収益を上げる事しかできなくなってしまったのです。海賊版の問題は第三者が法律を違反してまで行っている行為であり、原因や発端が本質的に大きく違いますが、一度無料であるものを有料にするということは、つまり「お金に換算すると価値の無いものであったのに、無理やり価値をくっつけ売りつける」ということになってしまうのです。世界で広がり続ける海賊版に歯止めが効くかどうか分かりませんが、アニメ業界の発展のためには、制作スタジオ各社、並びにアニメ配給会社の方々も正規版購入に対する声を上げなければならないと考えます。

記事を読んで頂きありがとうございました!

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