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2016.02.07 DeNA グリー 決算からそれぞれ読み取るゲームビジネスの目指す「ビジネス」

Fotolia_80674773_Subscription_Monthly_M DeNAとグリーの決算が発表されました。(正確にはDeNAが第3四半期、グリーが第2四半期の、それぞれ連結決算です)ニュースなどで見出しを見る限りはどちらも減収減益になったことが報道されており、加えて報道される「DeNAと任天堂の協業」「グリーとLINEの協業」のニュースも、それだけでは「ゲーム事業が伸びないから対策を練っているのかな?」と思いがちです。しかし実際少し細かく見てみると、必ずしもゲーム事業が停滞している訳では無いこと、そしてDeNAとグリーがそれぞれ全く違った方向にビジネスを伸ばそうとしていることがわかります。

DeNAとグリー、決算の簡略まとめ

それぞれの決算に関する記事を参照してみましょう。

ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月5日、2015年度第3四半期の連結決算を発表した。売上収益は338億円で前四半期比9%減、営業利益は33億円で同55%減となり、第2四半期に対して減収減益となった。
DeNAの第3四半期、減収減益も国内ゲーム事業は堅調に推移 より


グリーは2月4日、2016年6月期第2四半期(2015年7月~12月)の連結決算を発表。売上高は374億3600万円(前年同期比で24.4%減)、営業利益は83億8500万円(同24.5%減)、経常利益は85億1200万円(同43.5%減)、純利益は49億3700万円(同41億7900万円の赤字)となり、前年比で減収減益となった。
グリー、ゲーム運営事業の本格参入や「追憶の青」に自信–売上高は減少続く より


どちらも「減収減益」という結論になっています。売上高は実はグリーの方が高いんですね。営業利益に至ってはDeNAの2倍以上あります。自社事業についての説明を箇条書きでまとめると下記のようになります。

grandblue【DeNA】
◆ゲーム事業
自社プラットフォーム内提供のグランブルーファンタジーが人気
国内のコイン消費が少しだけ増えたが、売上は横ばい
海外も横ばいで上手く行っているとは言えないが、中国が伸びそう
任天堂との協業予定がある
新規ゲームはIPを検討している(ONE PIECEなど)

◆ゲーム以外の事業
EC、ショッピング事業が横ばい
キュレーションプラットフォーム事業(MERY、iemo、Find Travel)が伸びている。
今後もキュレーションプラットフォームはM&Aも検討している

shometsutoshi【グリー】
◆ゲーム事業
著名人のCMを使った「消滅都市」が人気
国内コイン消費が減った
海外も減ったが、これから安定しそうな雰囲気がある
全体的にコイン消費は減少傾向だが、緩やかになっているので今後の安定に期待
LINEとの協業ゲームが出る 協同出資で運営会社も起ち上げる
新規ゲームは有名クリエイターとのコラボゲーム等に力を入れている

◆ゲーム以外の事業
VRスタジオを11月に作った
リフォームECサービス、ヘルスケア、動画広告配信などの新規プラットフォームが売上を伸ばしている

yumi共通点と相違点

共通するのは、どちらもゲーム以外のプラットフォーム事業を立ち上げ、運営しているということです。そして共通して「住まい」「健康/美容」といったプラットフォームに参入しています。DeNAに至っては「今後もM&Aでキュレーションプラットフォームを手に入れたい」とまで語っているため、力の入れ方が伺えます。

しかし、売上の割合を見るとDeNAのゲーム事業売上は全体の8割ほどを示しており、結果としてゲーム事業に注力するという方針はぶれないように思えます。これはグリーも同じでしょう(各事業ごとの売上比率については触れられていません)。しかし、気をつけたいのはこの「ゲーム事業への注力」の方法についてです。これが似ているようで全く違うのが、この大きな2社の面白いところです。

エンタメのDeNA、ビジネスのグリー?

DeNAの人気コンテンツは「グランブルーファンタジー」、対してグリーは「消滅都市」です。前者は「本格的RPG」としての宣伝がよくされ、フィギュアも出るなどかなりゲーム好きの人に寄った作品です。「消滅都市」は発表の中にもあるように、著名アーティストとのコラボを通じたテレビCM展開をそのヒット理由としています。たしかに「グランブルー」もCMは目にしましたが、そのヒット理由はCMだけではなく、長くプレイしてしまうゲーム性故と思われます。

towerrisingまた、DeNAは「新規IP」を取り入れてゲーム事業を成長させる事を見込んでおり、協業するのは任天堂です。グリーの場合は「有名クリエイターとのコラボなどで、オリジナルタイトルをまずは知ってもらうこと」が先決。協業するのはLINEで、運営会社の設立も始めました(右画像は、グリーとLINEの共同出資により設立した「Epic Voyage株式会社」からリリースされる「Tower Rising」事前登録サイトより)。そして何より、今回の連結決算報告で売上と営業利益が高かったのはグリーです。

ここから見えることは何かと言えば、それぞれのゲームに対する姿勢の違いでしょう。DeNAの場合は(制作会社がCygamesとはいえ)ゲームの面白さを強調したコンテンツに人気が集中しています。ここだけで見ればエンターテインメント性を重視したプラットフォーム作りに見えますが、今後の新規事業は「IPを使ったゲーム」という、ある意味リスクを抑えられる選択にしています。協業する任天堂が海外でどこまでの力を持つかには疑問が残りますが、エンターテインメント性のあるゲームを目指す一方で、少しずつリスクの低いゲーム作りも目指している様子が窺えます。(下の画像は、DeNAが任天堂と共同開発している「Miitomo」についての告知画像より)00000174_03
片やグリーは「著名アーティストとのコラボCM」というビジネス的な面でゲーム事業の売上を伸ばしつつ、新規タイトルはオリジナル。コラボするクリエイターの著名度があったとしても、なかなか冒険をしていると言えます。VRスタジオの設立も、映像制作会社では無いことを考えるとかなり挑戦的でしょう。しかしLINEという海外にプラットフォームを持つ会社との協同出資、運営会社の設立と、ビジネス的な展開を考えた手堅い方針を採っているとも読めます。どちらもエンターテインメントとビジネスをバランス良く・・・と考えていますが、DeNAはこれまでよりビジネス寄りに、グリーはエンタメ性やゲーム性を志向するようになるのではないでしょうか。

Fotolia_101681997_Subscription_Monthly_M開発会社は今後どうするか?

ものすごく簡単に2社の決算をまとめましたが、この2社はまだ国内で大きな勢いがあるからこそ、その動きには注目しておく必要があります。開発会社さんは特にそうですが、この結論を見てどちらが正しいというよりは、その違いを見極めた上で開発に関わることが望ましいと言えるでしょう。まだまだゲーム事業には力が入れられると思われますので、参考にしてみてください。

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平田悠貴

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ラクジョブ運営会社で2番目に偉い人で現場で1番偉い人。東京都在住。学習院大学文学部哲学科出身。ラクジョブはこの平田さんがいなかったらもっと前になくなっていたでしょう。アニメをみて、作画が良いと良く感動して泣きます。

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ビ・ハイア株式会社副社長

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