未経験者の人たちへ アニメゲーム漫画業界に就職するにあたって

人材紹介をはじめとして、人材派遣、請け負い、そして今は求人サイトをやっていて仕事がらいつも疑問に思う事が人はどうして仕事をするのだろう?という事。

私はアニメゲーム漫画がとっても大好きで、子供の頃から、そして社会人になっても全くそれらに対する熱が衰えず、結局仕事までアニメゲーム漫画関連にしてしまった。今は楽しかったり、たまにしんどかったり、とても充実した日々を過ごしている。

いまだに不思議に思う事があるのだけど、どうして仕事にまでしてしまったのだろう?という事だ。20歳までは私も絵の勉強をしていたのだけど、他の仲間達の方が明らかにうまくてあきらめてしまった。それでもどうしてもアニメゲーム漫画に関係する仕事がしたくてこんな会社まで作ってしまった。単に好きで、楽しむだけなら仕事にまでしなくてもいいし、別の仕事で稼いで楽しむだけでよかった。

作品を楽しむだけなら消費者で十分なんだけど、それでは満足できなかったのだろう。私の知り合いの社長には働かなくても十分食べていける資産を持っている人とかもいるけど、それでも働いている。もしかしたら人間は消費行動だけをし続けても満足が出来ないようになっているのかもしれない。人間は社会的存在だと思うから、何らかの形で生産的行為で社会にかかわっていないと充実感を感じられないのだろう。そしてその生産的な行為が仕事につながり、日々の糧を得る手段となり、充実感を得るのだと思う。

何かを作り出す、生産する行為は単に消費する行為より大変だと思う。漫画を読むだけより、漫画を描く方が大変だし、アニメを見るより、ゲームをプレイするより、それらを作る方が大変だ。さらに作品が作られた後に、消費者の手元に届くまでには膨大な手間がかかる。

仕事をするということは生産的行為であり、決して消費行動ではない。

アニメゲーム漫画業界を目指す未経験の人たちに結構ここを誤解したまま入ってくる人が多いような気がする。消費者としてのアニメが好き!漫画が好き!!ゲームが好き!!!という自分の感情のエネルギーがそのまま仕事のエネルギーにつながることはない。仕事という生産的な行為を目の前にした時、消費者としてのエネルギーなどあっという間に尽きてしまう。

好きこそものの上手なれ、というが好きなだけではだめなのかもしれない。好き、という感情だけではおそらく続かない。しんどい事があった時に心がくじける。どれだけ好きな作品を仕事にしていても、しんどい事は起きる。仕事上のトラブルかもしれないし、プライベートの事件(夫婦や恋人、友人喧嘩から親の死別までいろいろある)かもしれない。そうしたしんどい時に踏ん張るエネルギーは消費者としての心構えだけでは絶対に生まれない。好き、という感情はすぐに折れてしまうし、萎えてしまうだろう。

そこで踏ん張る力を持っている人が伸びるのだろうけど、そういう力はプロ意識から生まれると思う。作品が主役であり、より良い(コンテンツのクオリティだけではなく、売り上げなども含め)作品になるように尽くすことがプロだと思う。消費者はあくまで自分が主役であり、作品は自分を楽しませるものでしかない。アニメゲーム漫画を仕事にするという事はそういうことだと思う。

アニメが好き、だからアニメ業界。ゲームが好き、だからゲーム業界。漫画が好きだから・・・

最初のきっかけはそれでもいいともう。

人間どうして仕事をするのかといったら日々の糧を得るためと充実感を得るためだ。ご飯を食べるだけならホームレスでもやっていける。(日本のホームレスがかかる病気の一位は糖尿病だ)。アニメゲーム漫画を楽しむだけなら、なにも業界を目指さなくてもいい。それでも仕事をするという事はご飯を食べる以外にも何かを求めているからだ。その何かとは消費者としてではなく、社会に生産者としてかかわり、充実感を得ることだと思う。

業界を目指す若者は仕事にする以上消費者感覚だけではだめなのだ、ということは肝に銘じておいた方が、より高いレベルの満足感、充実感を得られるだろうし、仕事もうまくいくと思う。そしてそうやって新しく入ってきた人達が生み出した作品に刺激された人々がまた入ってきて…という形でどんどん発展していけばこれほど幸せなことはない。

清水有高。

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