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2016.03.25 ゲームアプリのセカンダリ事業は上手く行くの?行かないの?について考える

Fotolia_68676138_Subscription_Monthly_M急に増えてきたセカンダリ事業会社

最近、ゲーム業界では「セカンダリ(セカンダリー)事業」が話題です。先日、グリーの決算でも同社のセカンダリ事業参入、子会社設立が話題となりました。セカンダリ事業とは既存のゲームサービスの運営を受託するもので、「リリースしてからが勝負」と言われるソーシャルゲームのキモを扱うビジネスです。ゲームアプリというジャンルならではのビジネスと言えるでしょう。

実際、グリー以外にもセカンダリサービスを行っている会社、専門の会社は多数あります。しかしこの半年くらいの間に、特に「運営、運用」をビジネスにする会社が増えてきたように思います。この背景には何があるのでしょうか?

Stepping off a cliff ledgeリスクが少ないと言われるセカンダリ市場

セカンダリ事業のメリットは、わかりやすいもので言えば「リスクが少ない」ということです。運営は開発と違って既に出来上がったものを元にゲームの運営をしますから、開発における膨大なエネルギーを使わずに済みます。せっかく開発したのに結局全部おじゃん、というこの業界あるあるの悲劇にも見舞われません。運営費が出ることもありますし中にはフルレベニューということもありますが、既存のサービスを使っての運営なので定期的にそれなりの金額が入ってきます。また、例えば「既に本社で運営しているゲームの運営譲渡(というか、運営のみ外注に変更)」という場合であれば既にファンが一定数ついていることも多く、安定的な利益が見込めます。こういったことから、新規のゲームをこのゲームアプリの大海に放って一発逆転を狙うのではなく、既にあるものから確実な利益を上げる、というスタイルのセカンダリ事業に参入する会社さんが増えてきました。

セカンダリ事業は本当に安全なのか?

しかし、セカンダリ事業は本当にリスクゼロという訳ではありません。当然ですが運営が思い通りの売上を上げられなかった場合は運営自体が無しになってしまいますから、一定のスキルやゲームへの愛は必要になります。運営スタッフが情熱を持てないゲームだった場合、どんどん人気は落ちてしまいます。ただ機械的にイベントを仕掛けているだけになってしまえばファンも減ります。その場合はせっかくSAPや開発メンバーがどれだけの時間を掛けてゲームを育ててきても、運営で評判を落としてしまうきっかけにもなる訳です。

こういったビジネスの上で当然のリスクはありますが、それより気を付けるべきは人材でしょう。運営にはプログラマーをはじめとした技術者が必ず必要になりますが、どうしても仕事がローテーション化してしまいがち。若い技術者であればあるほど挑戦をしたいと感じている事が多いため、セカンダリビジネスは技術者の取得、そして辞職に苦労しています。中には運営だけでなく社内で少しだけゲーム開発の受託もするなど、何とかして技術者の流出を防ごうとしている会社は数多くあります。

Businessman looking at the article with a smartphone運営を委託する会社、アプリを閉じる会社

セカンダリの会社さんが受ける仕事には全く新規の運営仕事もありますが、どちらかと言えば「途中まで開発側で行っていた運営の引き継ぎ」が現在は多いように思えます。最近は「プラットフォームの移植と運用引き継ぎ」というジャンルも出て来ました。特にこの1ヶ月の間に弊社にも「運営をしてくれる会社を探している」という問合せが3件もあり、ニーズが高まっていることを感じます。そういった発注元の会社さんを見ているといくつかの共通点に気づきます。1つは、アプリが必ずしも好調だから運営を任せるとは限らない、ということ。もう1つは、決算の時期になってアプリを整理し始めている会社さんが圧倒的に多いと言う事です。

アプリの運営発注は突然出るわけではなく、やはり時節も関係します。3月を決算として迎える会社にとっては余分な手間のかかるアプリを閉じたり、来年度の予定を組んで一部外注に投げたりという判断が出てくる為に運営発注案件は増えます。ただしこういった場合、運営費というランニングコストを多くすることは本意ではないため、一部またはフルでレベニューシェアを望む会社さんがかなり多くいらっしゃいます。運営会社として余裕のある会社ならまだしも、これから会社を立ち上げるというような場合は少し大変な案件となることが予想されます。しかし、案件は必ずこういった会社から優先的に出てくるようです。

Businessman connecting tech devicesセカンダリ事業を始める際に気を付けたいこと

セカンダリ事業は、まだ不安定ながらもちょうど今のような時期に活況を呈します。この流れに乗って自分達も運営を・・・ということを考えるのは悪くないと思いますが、気を付けたいのが前述もした「プログラマーの疲弊」と「ゲームそのものに対する情熱の差」でしょう。これはある意味同じ問題とも取る事が出来ますが、ゲームそのものに対して開発側と同じくらい運営スタッフが情熱を持つことが出来ないと結局ファンもついてこなくなってしまい、それでも運営はダラダラ続いて技術者が疲弊する・・・という負のスパイラルに入ってしまいます。ゲーム運営に大切なのは情熱だ、と結論づけるととても陳腐に聞こえてしまいますが、事実です。もしセカンダリ事業に興味があるという場合はこの2点に最新の注意を払って始めてみることをお勧めします。

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この記事を書いた人

平田悠貴

平田 悠貴ビ・ハイア株式会社副社長 » 詳細プロフィール

ラクジョブ運営会社で2番目に偉い人で現場で1番偉い人。東京都在住。学習院大学文学部哲学科出身。ラクジョブはこの平田さんがいなかったらもっと前になくなっていたでしょう。アニメをみて、作画が良いと良く感動して泣きます。

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ビ・ハイア株式会社副社長

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