VR 視線追跡型VRHMD「FOVE」はゲームにどう影響を与えるか

昨年は、「VR元年」とも呼ばれ、Oculus RiftやHTC Vive、PlayStationなどのヘッドマウントディスプレイやそれを活用したVRゲームなどもリリースされました。また、ハイスペックのヘッドマウントディスプレイの他に、スマホをはめ込むだけでVRを楽しめる低価格で購入できるキットやVRに対応したスマホアプリゲームがリリースされたりもしました。また池袋やお台場などでアトラクションとして楽しむものも開発され人気スポットになっています。そして新たな機能が備えたVRのハード「FOVE 0」が1月より順次発送され、「FOVE」向けのコンテンツとして31日から特設サイトより配信するとのことです。

1-60-300x225-1FOVE 0とは

FOVE 0とは、赤外線センサーによってユーザーの視線を追跡し、見ている物体に注目することで、より自然で没入感のあるVR世界を楽しめるものになります。また、見ている部分のみ焦点を合わせ、それ以外をぼかすことにより、奥行き感を出し、視線追跡技術により不自然な頭の動きを抑え、VR酔いの軽減にもつながるとのことです(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/04/news069.html)。

映画「ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-」のヒロイン・アスナとのコラボ

視線追跡型VR HMD「FOVE」がソードアート・オンラインとコラボ アスナを見つめるとほほ笑む
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1701/24/news139.html

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引用始め
ベンチャーのFOVEは1月24日、同社の視線追跡型VR HMD(仮想現実ヘッドマウントディスプレイ)「FOVE」向けに、映画「ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」のヒロイン・アスナが登場するデモコンテンツを31日から特設サイト(https://www.getfove.com/sao-downloads/)で配信すると発表した。ユーザーの視線移動によってキャラクターの反応が変わるデモを楽しめるという。ダウンロード可能地域は日本と韓国、デモ体験期間は7月31日まで。
引用終わり

デモコンテンツにはSAOのアスナが登場し、「目を見ると笑う」「無視をすると怒る」、それ以外にも見るところによって違った反応をするとのことです。

Young Woman play with the vr device今のVRゲーム

今のVRゲームは、基本的に360度の映像を映し出してはいるものの、ヘッドマウントディスプレイ自身にトラッキング機能以外の操作性がないため、ゲーム機付属のコントローラーが必要となっています。そしてその多くが握ってレバーを動かしたり、ボタンを押すタイプがほとんどなので実際に体を動かす感覚とはまだまだかけはなれています。中にはグローブ状の装置を付けることによって映像内の物体に触れたり、持ち上げたりすることが可能になったり、または微弱な電流を流すことによって物体に触れる感覚や重さを感じる装置などが開発されてきました。しかしながら、まだまだ専用の装置を幾つも体につけないといけないため、娯楽施設でのアミューズメントとしての展開は可能ですが、まだまだ家庭用ゲームとなると先の話になってしまいます。


shutterstock_274735997視線追跡型VRHMDで何に応用できるか

視線追跡型VRHMDで一番期待されるのは、視線による操作と注目しているキャラクターのリアクションが出せることです。赤外線センサーによって、目の動きや瞬きなどを感知できるため、顔を使った合図やアイコンタクト可能となります。そのためFPSやスポーツ、RPGなどで複数のキャラクターを同時に動かすようなゲームでのプレイの幅が広がるのではないでしょうか。また、視線によるキャラクターの反応を変えられるようになったことにより、より複雑で自然な対応するキャラクターに仕上げることができます。そのため、RPGに登場するNPCにも応用できます。そのなかでも一番応用が効きそうなのが、サマーレッスンのような登場キャラクターとコミュニケーションを取るタイプのアドベンチャーゲームではないでしょうか。視線を動かさずに顔も動かせますので、VR酔いも軽減されますし、何より視線によりキャラクターが反応してくれるのでより自然な反応をしてくれることが期待されます。もしこれでキャラクター自身がAI化され、それぞれに応じた反応をするようになったらもはやNPCと言っていいのかというレベルにまで自然な反応が返ってくるのではないでしょうか。

今はまだ、複雑なデバイスを幾つも付けることプレイするため、アトラクション施設のような大型施設でないと展開が難しいでしょう。しかし将来的に、各機能が統合されたり、コンパクト化されたり、また意識するだけで操作できるようになれば、VRのコンテンツはゲームやアトラクションのみならず私たちの生活のいたるところに展開されるのではないでしょうか。

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