平成29年1月24日（火）、日本映画製作者連盟は、2016年の映画産業に関するデータを発表いたしました。2016年は、「君の名は。」や「この世界の片隅に」など作画のアニメーションに注目が集まりました。今回は2016年の映画の興行収入から見た2017年の劇場版アニメに関して書いております。
映画興行収入8.5％増の2355億円 16年、３年連続増]
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ24HJU_U7A120C1TI5000/
引用始め
映画配給大手でつくる日本映画製作者連盟（東京・中央）は24日、2016年の映画興行収入が前年比8.5％増の2355億800万円だったと発表した。増加は３年連続で、00年以降で過去最高額を更新した。東宝のアニメ作品「君の名は。」を中心に邦画が好調で、興行収入が50億円を超えた邦画作品が５本と、昨年比３本増えた。
引用終わり
2016年は、2000年以降、過去最高額を更新するという結果になりましたが、どのような映画が興行収入を伸ばしたのかは以下のような結果になっています。
邦画と洋画のトップ10（https://www.eiren.org/toukei/index.html）
2015年に続き、アニメや漫画原作の実写などがほとんどを占めており、ランキング10位の聲の形まで全体的に洋画の興行収入を超えていました。特に目を引くのが、やはり「君の名は。」になります。1月22日時点で235.6億円、すでに日本の劇場版アニメでは「千と千尋の神隠し」の308億円に次ぐところまで増えてきました。「君の名は。」が一本あるとないとで、前年比がプラスになるかマイナスになるかまで影響するほどでした。一方の洋画は、大人気シリーズのスター・ウォーズ/フォースの覚醒をヒットにウォールトディズニーの3DCGアニメーションが上位を占める結果となっています。
今後の傾向
昨年の「君の名は。」の大ヒットは、劇場版アニメに出資したいという企業の気持ちを促進させるものでしょう。また、これまでに関わりのなかった企業からもアニメ会社にアプローチがかかるのは間違いないでしょう。そのため、今年は、2016年の劇場版アニメの上映を上回ることが見込まれます。そこで問題となるのが制作のスタッフです。現在、TVシリーズや劇場版合わせて年間400本近く放送や上映をされている今、スタッフの数はあっと的に足りないという状況となっています。加えての「君の名は。」の大ヒットになるためさらに人材不足になることでしょう。もしくは多くのアニメ会社で仕事を受け付けられなくなるかです。企画から制作まで半年から1年の準備段階を考えるとするのであれば今年や来年は、各アニメ会社の方で積極的な採用活動が行われるのではないでしょうか。
アニメ業界を目指す人へ
アニメ業界を目指す人にとって、今年や来年は、採用に積極的になるアニメの制作会社が増えることが見込めるため、新卒、第二新卒の方にとっては大きなチャンスの時になります。しかしながら採用が増えるからといって安心はしてはいけません。特にアニメーターがアニメ業界で活躍するためにはいかにスタートダッシャが切れるかになります。どういうことかと言えば、アニメ業界は低賃金、長時間労働でブラックだとよく言われています。しかしながら実際は、実力主義の世界のため、上下の格差が大きいお仕事になります。最初に担当する動画はいかに正確に動きを付けれるかにかかっています。どんなに早くても作画が崩れてしまえば修正修正になって量をこなせませんし、いくら上手くても遅ければその分できる量も減ってしまいます。そのようなこともありこの工程をいかに乗り切れるかがアニメ業界で活躍する秘訣になります。だからこそアニメ業界を目指す人はまず速く正確に描く練習をしておく必要があります。それはアニメ会社に入社してから急に身につくものではありません。もちろん先輩からの助言でわかることもあるかもしれませんが、１から１０まで教えてもらえるとも限りません。
だからこそ入社前にいかに速く描くことになれるか、そのペースをつかんでおくかが重要です。そのためにも、速く描くようにたくさん描く、たくさん書いて速く描くように訓練しておきましょう。アニメ業界は実力主義、ブラックだと騒がれる一方、スキルのある人は、20代で作画監督まで任されるようになったり、年収400万から500万とかになったりとチャンスの大きい仕事でもあります。それに人気シリーズに指名で呼ばれるということもある業界です。そのことを踏まえて、トップアニメーターを目指してもらえればと思います。
