アニメ インターネットも規制の対象!?非公開作品に携わったクリエイターのために

表現の自由があるとはいえ、アニメ業界において規制があるのもまた事実です。例えば、お色気シーンで光や煙が入ったり、ストーリーの流れ上しょうがなく入れなければならい未成年の喫煙シーンのタバコ部分を黒く塗りつぶしたり、人が死ぬシーンを間接的に表現するなど地上波で放送するにあたって、エログロ暴力や法律違反を助長する表現に対して、規制がかかっていることは間違いありません。そしてまた今回もネット上に公開されていた企業CMのアニメーションに対して、アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)、主婦連合会、アル法ネットが連名で抗議文を提出し、公開されていたネットのCMが非公開になったことにより騒がれる事態となっています。

アニメ=子供向け?「氷結」Webアニメ中止で議論勃発
https://news.nifty.com/article/technology/internet/12186-00055098/

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引用始め
公開されたキリンのチューハイ「氷結」のWeb限定アニメCMが、ひっそりと非公開になっていたことが今年1月、あるTwitterユーザーにより判明。ネット上で物議をかもし、「復活」を求める署名運動も起こっている。

これは「あたらしくいこう」をテーマとしたCMシリーズのひとつ。アニメーション制作は『キルラキル』などを手がけたスタジオ「TRIGGER」で、登場人物は、アニメ好きのイラストレーター「アンナ」(25歳)、アンナの妹で声優、アーティストの「サキ」(21歳)、ソーシャルゲームにハマり、「サキ」のライブを見てプロデューサーを目指す「チヒロ」(21歳)、チヒロの友人でオタクカルチャー全般に精通する「タツヤ」(21歳)の4人。キャラクターの声は浅沼晋太郎と茅野愛衣が担当し、CMでは全員美味しそうに氷結を飲む。
引用終わり

Fotolia_81551840_Subscription_Monthly_M (1)よくなかったのは

比較的表現の規制が甘いと言われているインターネットですが、今回、公開されていた動画が非公開になったことによってアニメファンからは公開を求める署名活動が起こる事態となっています。一方で、企業側に全く問題がなかったとも言い切れない。酒造業界の広告基準では(テレビ広告において)登場人物は25歳以上と定めていました。しかし実際に登場した人物の4名のうち3名が25歳未満、加えて登場人物は、若者に人気な職種のイラストレーターや声優など、また若者にみじかなソーシャルゲームなどが登場していることもあり、明らかに未成年も興味を引く内容となってしまった点で、抗議文が寄せられたり、動画を下げざるを得ない状況になってしまったのではないかと思われます。また、インターネットという媒体を使ったことに関しても、テレビの普及率が若年層になればなるほど下がるのに対して、インターネットを活用した情報収集は若者になればなるほど増える傾向になります。テレビを見ない若者もふつうになりつつあります。そのような状況の中、このような動画を公開することはターゲットの絞り込みが甘かったと言わざるを得ない。20代前半にもっと売り込みたいというのは伝わるがこれでは未成年にもきょうみをもたれてしまうといわれてもしかたありません。逆をいえば、キャラクターの設定、内容を考えれば公開を取り下げることもなかったということになります。

shutterstock_213455707規制で本当に怖いのは

アニメの規制において本当に怖いのは自主規制ではないでしょうか。様々な分野において自主規制するということは多分にあることです。今回も25歳以上しか認められないという条件があったからこそ取り下げざるを得なくなってしまいました。そして自分たちでその締め付けを厳しくすることによって表現の幅を狭めます。そして一度狭めてしまった表現をもとにもどすのは並大抵ことではありません。今回のようにその基準に沿ってないということで抗議される余地を許してしまうことになります。そのようなことを続ければ最終的に何も表現できなくなってしまいます。


shutterstock_196203026表現の自由を守る上で工夫すること

今回はボトルネックとなったのが、企業の自主規制とともにインターネットの視聴制限ができない状況にありました。Youtube上に投稿された動画ですが、現段階でこのような動画に対して未成年を対象とした視聴制限の仕組みはありません。それが未成年の飲酒を助長するということにもつながりました。今後は、表現の自由を守る上で、インターネット上でも視聴制限の機能は必要となってくるのではないでしょうか。そして不当な表現の規制に対しては断固反対の意見を示すのは重要に思います。私もアニメ業界に携わるものとして制作の苦労もわかりますし、表現の規制でクリエイター成果が認められないというのもなんとも言えません。だからこそその規制はおかしいということ発言したほうがいいです。それが逆に話題となり、携わったクリエイターたちがこの作品に携わったということが伝わります。

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