アニメゲーム漫画のリアル、しっかり見ていますか?
ビ・ハイア株式会社では、アニメゲーム漫画業界の求人サイトラクジョブを運営しています。アニメゲーム漫画業界に就職したい人、アニメゲーム漫画業界へ転職したい人、業界内でもっといい会社に転職したい人が約40,000人登録しており、そんな方々が何万もの応募してきました。そんな求職者から企業へのアプローチを見ていて、営業や恋愛にも通ずる部分があるなと思ったのでご紹介です。
アニメゲーム漫画業界は他業界に比べても気持ちが先行して業界に入りたいと思う人が多いです。アニメ業界の平均年収は約333万円(アニメーション制作者実態調査報告書2015)、ゲーム業界の平均年収は518万4995 円(デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究委員会報告書(平成21年度版))。漫画業界は正確なデータはないですが、「漫画貧乏」という本によると、佐藤秀峰さんが「新ブラックジャックによろしく」を描いていた時には、スタッフ5名に対して人件費1700万円を支払っていたということなので一人当たり340万円。しかし、人気漫画のアシスタントとして働ける人も少ないでしょう。実際、佐藤さんも最も安い時で時給180円で働いていたということです。
国税局の平成26年分民間給与実態統計調査によると、日本全体の平均給与は415万円。ゲーム業界は日本人の平均よりも高いという調査結果ですが、そもそも「ゲーム業界だったら日本人の平均給与よりも稼げるから」という理由でゲーム業界を目指す人は極々まれでしょう。アニメゲーム漫画業界には、自分が業界に入ったら、どれくらいの給与になる可能性があるのか、リスクがあるのかを考えた上で入ってくる人はほとんどいないのが現実です。
夢だけで入ってくると夢と一緒に去ることになります
マクロな視点から言えば、アニメゲーム漫画も商社もマスコミもインフラも同じ労働であることには変わりありません。労働することで対価としても給与をもらいます。どんな労働をするかはミクロな事柄です。そしてそのミクロな事柄を理由に業界に入ってきた人たちがマクロな理由から業界を去ってしまうことをよく知っています。アニメゲーム漫画業界で働きたいと願うからこそアニメゲーム漫画を作る以外の部分にも目を向けてほしいというのがラクジョブの考えです。
アニメゲーム漫画を作りたいという気持ちだけではなくて、実際にどう働いていきたいかを想像できている人の方が企業としても安心して採用できます。「採用してくれるのであれば、何でも喜んでやります」という人をいざ採用してみたら「思っていたのと違ったので辞めさせてください。申し訳ありません。」では企業としては困ります。それよりは「こういう仕事をしたい。○○歳までにはこれもできるようになっていたい。給料はこれくらいほしい」という具体的なイメージを持っていて、会社としてもそれを提供できるという場合の方が安心できます。
企業としては、正社員で採用する以上、その人に対して一生給料を払い続ける覚悟を持っています。少なくとも、相当な事情がない限り、企業の側から一方的にクビにすることはできません。ならば、採用される側も、最低限一生給料を払ってもららえるだけの成果を出し続ける覚悟が必要でしょう。
営業マンの「何でもできます」は信用されません
営業の場面でも、何でもできます、何でもやれます(だから仕事ください)というスタンスの会社は非常に多くあります。特に業界が違うとその感覚にもどんどんズレが出てきます。アニメ会社の場合だと、状況に応じて知り合いの会社に連絡して帳尻を合わせていきますが、ゲーム業界や遊技機業界では、元々社内にいるリソース、あるいは懇意にしている協力関係にある会社のリソースと各々のクリエイターのスキルがはっきりしていないとなかなか発注できません。3DCGのモーション作ってほしいんですけど、何人月分行けますか?という質問に対して、何人分でも行けますよーと答えてしまうとその時点で不信感を抱かれてしまいます。
受けてから何とかするではなく、「MAXでモーションできる人間なら3名分用意できます。うち2名はAEも触れます。必要であればそれぞれのスキルシートや実績もお見せします」というところまで言えて初めて相手の信用を勝ち取れます。新規で発注してもらうにはそれくらいする必要があります。
ロマンチックだけでは口説けない
また、恋愛で考えても同じことが言えます。相手のアプローチする際に、相手との関係性を構築することなく一方的に迫っても、相手からの好意を得ることはできません。さらに言うと、結婚まで視野に入れている相手に対して、感情だけでは太刀打ちできません。
自分の年収はいくらなのか、相手の年収はいくらなのか、それぞれの実家はどこなのか、子供はほしいのか、共働きでもいいのか、家事ができるのかなどなど様々な懸案事項があるかないかでは、状況が全く違ってきます。
結婚まで考えている人は、その相手と結婚生活を送れるか、子供をつくっても大丈夫か、死ぬ間際にそばにいてほしいかどうかを考えます(もしかしたらあらかじめ何歳になったら別れようと思っている人もいるかもしれませんが)。そんな相手に対してアプローチしようとするのであれば、気持ちだけではどうしようもないことはわかるかと思います。
あなたはどこまで先を見ていますか?
大切なのは時間軸があるかどうか、ゴール、目的をどこに定めているかどうかです。採用をゴールにしてしまっている人は、仕事の成果を目的としている企業の期待に応えることができませんし、受注、売上を目的にしている人は、成果物を目的としている企業の期待に応えることはできませんし、交際を目的にしてしまっている人は、結婚や人生を考えている人の期待に応えることはできません。
相手の立場になって考えることが大事とはよく言いますが、そのとっかかりがなくてどうしていいかわからなくなってしまうということも多いと思います。どういうときは相手がどういう時間軸で何を目的としているのかと考えてみてください。就活も仕事も恋愛も全て満たして、アニメゲーム漫画業界で素晴らしい作品に関わる人が一人でも増えればと思っておりますので、ぜひ参考にしていただいて行動として実践していただければと思います。