障害を持った子供達と表現の自由 アニメゲーム漫画のクリエイター達を守る憲法について考えるという記事を書きたいと思います。これは、社会的弱者と言われている障害を持った子供達のことを、健康なクリエイターが考え、行動することは、最終的に自分の権利を守ることにも繋がる、と言う記事です。
あなたは36〜37万人の子供達を切り捨てられますか?
内閣府の発表によると何らかの障害を持った人達は合計で約724万人以上もいます。うち、18歳未満の子供達は約36〜37万人存在します。さて、ココで質問です。日本国が一つの家族で、その人数が1億2千万人だとします。あなたはそのトップのお父さんかお母さんです。この子供達をどうしますか?邪魔者だとして切り捨てますか?そんなことするわけがない。おそらく殆どの人がそう答えるでしょう。では次の質問です。
あなたは1億2千万人の従業員を抱えた会社の社長です。
売上は大体1200〜1400兆円あります(実際の日本の全産業の売上合計です)。そのうち、724万人が障害を抱えていて仕事ができません。しかし、雇っている限りコストがかかります。株主からは『利益を出せ』『コストカットしろ』と言われています。どうしますか?
おそらく多くの人は悩みながらも『クビを切らずに何とかする方法を考える』と答えるのではないでしょうか。その判断をした時点で株主からあなたはクビになります。新しいクビを切る社長がやってきて724万人が路頭に迷おうともドンドンクビを切るでしょう。
民主主義の判断か資本主義の判断なのか?
これ、最初の家族的質問が民主主義の質問で、次の質問が資本主義のルールに基づいた質問なのです。そして、それぞれの立場でどちらもが正解なのです。少なくとも日本国憲法においては最低限度の文化的な生活が保障されています。
日本国憲法 第25条
1すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
と憲法に書いてあります。なので、もし日本国政府のトップが『使えない奴は捨てろ』という判断を下したら憲法違反になります。日本国政府が守るべきは憲法です。憲法はトマスホッブスのリヴァイアサン、ジョンロックの統治二論から研鑽されて考えられた民主主義の国を運営するルールです。これを破ったら日本は民主主義ではなくなります。だから、もし、使えない子供達だ!と判断したり、障害者達はいらないと判断するためには憲法を改正する必要があります。今の所その心配は無さそうです。
資本主義のルールになるとそれが変わる
古くはアダム・スミスの国富論で述べられた自由競争社会に基づいた資本主義のルールになるとこれがわかります。アダム・スミスの国富論で述べたのはそれぞれが競争し合っていたら結果的に見えざる手によって全体の発展に繋がる、というものです。だから競争は良い事で、どんどん奨励されること、と言う風になりました。
最近の事例で言えば、NTTが分割され、競争が自由化され、SoftBankが産まれKDDIが産まれたりしたのが競争は良い事!と宣伝する一つの事例でしょう。
しかし、本当に競争は良い事でしょうか。仮にNTTが分割されず、NTTdocomoが国内一つの携帯電話会社となって売上20兆円以上のモンスター携帯電話となって世界中の携帯電話会社を買収したら?逆に日本人にとってはプラスだったことも多いのではないでしょうか。
アニメゲーム漫画業界も知らない間にAppleの奴隷になりました。SoftBankがiPhoneを売らなかったら?docomoが独占していて経済産業省と文部科学省とタッグを組んでAppleを閉め出して別のゲームプラットフォームを作っていたら??Appleに吸い上げられている数千億円、そしてこれから年間1兆円以上にもなるだろうお金は日本のクリエイターに落ちていたかもしれません。
そんなのは机上の空論だ、と言う人は韓国のサムスンを知らない人です。韓国の電機メーカーはサムスンの独占。売上は20兆円近く。IMFに管理された後に作られているので株主が外国人中心なので韓国の会社、とは言いにくいですが、それでも韓国には競争が存在しません。
SONYやPanasonicなどが束になっても苦戦する相手です。サムスンは独占、競争無し、SONYやPanasonicは競争有り。しかもサムスンは国からガンガン支援をもらっています。どっちの方が有利でしょうか。そして、独占で作られて要るサムスンの商品はダメダメで使い物にならない!最悪だ!というわけでもありません。もしそうならこんなに売れていません。
無論、実際にはもっと複雑な要因はありますが、必ずしも資本主義的な競争が全て正しいわけではない、という一つの視点として紹介しました。
この子供達をどうするのか?
そんな民主主義と資本主義のルールがぶつかり合いながら国家レベルで動いている世界の中で我々は36〜37万人もの障害を抱えた子供達をどうすればいいのでしょうか。
実はこれ、一人人離が自分の問題として真剣に考える必要のあることです。自分の周りには障害を持った人がいないから関係ない、というのは民主主義の一員として失格です。あなたが成人していて選挙権を持っているなら、少なくともこの国で起きている問題については一通り最低限の知識を持っている必要があります。知らないからどっちでもいい、と言う態度は原発事故を引き起こしました。
原発事故は最初からリスクが指摘されていた
福島原発や東北沖付近は100年単位で巨大地震が起きてる地域で研究者達はさんざんそのリスクを伝えていました。東京電力はそれを無視。事故が起きてから『想定外だった』という嘘を付き、更には『国有化されました』という嘘を付いて国から更にお金を引っ張る始末です。
東京電力国有化はNHKと日経新聞のプロパガンダにより真実だと信じている人が多いですが、東電の株式を1兆円かけて買収して株式の51%を持っているのは原子力損害賠償機構で、この株主の半数は何と電力会社です。半分が電力会社で、半分が政府です。ということは実質日本国政府がもっている株式は51%ではなく25.5%です。どこも国有化してないのです。
ですが、未だに上記の様に東電HPにはそのことが書かれていません。
知らないからと言って数兆円単位で損をしてる私達
原発事故以外にも色々あります。私達の年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が管理しています。この積み立て予算は何と135兆1087億円(平成27年9月末時点)です。我々がコツコツ積み立ててきた年金です。これを運用して資産を守ってくれているはずのGPIFが最近運用方針を変え、リスクのある国内株式を買いまくり数兆円単位の損失を出しました。
しかし、年金や老後の不安を悩む人は多いのですが、これについて批判する人はいません。我々日本人が選んだ政治家、我々日本人の官僚がやっていることです。それは民主主義において『私達の責任』なのです。そんな人を政治家に選んだのなら本来変えるべきですが、東電の問題やGPIFの問題にしろ、知ってる人すら少ないのです。
知らないから・・・と言う態度でいると子供達の未来は奪われる
知らないから、知らなかった・・・という態度でいると子供達の未来は奪われます。なんせ、残念ながら国は障害を持った子供達どころか、子供達の未来について興味を余り持っていません。今、60歳の政治家が興味があるのは自分に投票してくれる人達です。それは健康で投票に行ってくれるマジョリティです。
これからは高齢化社会で医療費が高騰するからなかなか障害者や子供達に回せないと言う嘘
これは色んな所で指摘されていることですが、高齢化社会だから医療費が増えるというのは嘘です。左記の画像は日経ビジネスの記事で『「高齢化社会だから医療費が増える」のウソ医療保険制度改革で語られない本当の論点とは』という記事です。
この他にもGoogleで『高齢化社会 医療費高騰 嘘』で検索すると大量に色々な指摘が出て来ます。その中には現役医師や著名ジャーナリストの姿もあり、ただの陰謀論、嘘だと言い切るには信用にたる人が発言しすぎています。
沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉 (集英社新書)では著者の堤さんも166ページに同様の指摘を書いています。この人の書いた本は貧困大国アメリカ(岩波書店)などがベストセラーになっており、面白いので見て下さい。
もはや民主主義の論理で動いていない国家
日本の政治は間違い無く、障害を持った子供や老人達を切り捨てる方向で動いています。それは民主主義の論理ではありません。沈み行く大国アメリカでも紹介されていますが、日本の医療費高騰の最大の原因は『新薬が高い事』なのです。
高すぎる新薬が医療費高騰を招く
「日本でもこんなに高い薬価がつくのか」ーー。米ギリアド・サイエンシズが5月に国内で発売したC型肝炎薬「ソホスブビル(製品名ソバルディ)」。96%以上という驚異的な治癒率もさることながら、衆目を集めるのは高薬価。日本でも12週間の治療で546万円(併用薬含む)の薬価がついた。引用元 東洋経済オンライン記事
とも紹介されています。沈みゆく大国アメリカでも医療費高騰は薬が高すぎる事で、しかも、それを認めさせているのがアメリカの製薬会社のロビイングの結果だというのです。
しかも、この薬は自由に競争、自由に価格設定の名の下に同じものが日本では840万円で売られていて、イギリスでは500万、エジプトではたったの10万円で売られていたりするのです。これを認めている日本国政府、厚生労働省は最早民主主義で動いているとは言えない状況です。
資本主義で動くなら障害者は切り捨てられてしまう
こんな状況なのでどんどん切り捨てられてしまいます。それでもまだ自分は健康だから対岸の火事・・・それでも今から貯金すれば大丈夫・・・そう思っている業界の人がいたらそれは甘いです。
アニメゲーム漫画業界に生きる人間や、民主主義で権力者ではない人達が大事にすべきものが憲法に書かれています。それは日本国憲法第21条に
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
と記載されている
表現の自由
です。
我々が自由にしゃべれて、自由にアニメゲー漫画や書籍を作る事が出来るのはこの表現の自由のお陰です。これがなかったら政府に悪いことを書いたらあっという間に叩きつぶされてしまいます。
残念ながら現時点で日本のアニメゲーム漫画業界は全て併せても売上で3〜5兆円程度。就業人口も20〜30万人程度でしょう。こんなの、政治家からしてみたらたいした投票人口になりませんし、官僚からしても貰える金額はたかがしれています。そうすると、このまま民主主義を無視した政治が横行するなら、遅かれ早かれ表現の自由は束縛されていくでしょう。それは最悪に生きづらい社会です。
福島原発事故も、障害を持った子供達の未来も、数兆円単位の損失をだした年金の運用も、実は全て繋がっていることです。私達が日本という国に住み、日本に住み続ける以上、それは気にすることなのです。そして、そういうことを気にすることは間違い無く、我々の人生を豊かにしますし、発想も変わります。なんせ、こういうことを気にして生きている人は殆どいません。こういうことを考え、少しでも気にするだけでマジョリティから外れます。その人が作った作品は他の人とは一味違うなにかが必ずあるでしょう。
そんな人が増えることはいい作品が増え、国も良くなり、子供達も守られる未来ですからとても楽しみです。そんなことを考えつつ、今日もラクジョブを運営します。
採用のご相談、ラクジョブへのお問い合わせは下記からどうぞ