アニメ求人をデータで考える アニメ業界は本当に働きすぎか?

データでみるアニメ業界

データでみるアニメ業界

君達に最新情報をお伝えしよう!と、コラムを更新するたびに小林清志さん(ガオガイガーの予告など、ナレーションを担当した人)が言ってくれないかな〜なんてことを考えつつ、アニメ業界は本当に働き過ぎなのだろうか?そんなことを考えて今回は労働時間を焦点にあててみました。

平成26年度文化庁「時代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
https://www.janica.jp/survey/survey2015Report.pdf
によると一ヶ月の平均作業時間は262時間とあります。1日あたりの平均労働時間にすると11時間ほど。

アニメ業界平均労働時間

おとなりのゲーム業界をみてみると
https://cedec.cesa.or.jp/2013/documents/enquete.pdf
によると1週間の普段の平均労働時間は46.70時間。繁忙期の平均になると66.44時間となります。繁忙期というのはゲームの発売日前であったり、ゲーム開発会社であれば納品の直前などでしょう。忙しいときが続ければ月間260時間近く働き、それほど忙しくないときは月間185時間くらい働く事になります。

労働時間分布

次に日本の従業員30人未満の会社の1週間の平均労働時間を調べてみました。これは厚生労働省や総務省が出しているデータを元に作成したものです。これをみると14%の人が週60時間以上働いている事になります。週60時間以上の中には100時間とか、120時間という人もいるでしょう。仮に週60時間以上なら月間240時間以上、80時間なら320時間以上です。アニメ業界並に働いている人がいる可能性は充分あります。

労働時間分布100人以上

少し従業員数が大きくなって30〜99人までの会社でも状況は似たようなもので、やはり11%ほどの人が週60時間以上です。100〜500人未満の規模までいれてもやはり週60時間以上、アニメ業界並に働いている可能性がある人は12%存在します。

規模事業者割合

別の視点で見ると総務庁「事業所・企業統計調査」によれば、中小企業数(会社数+個人事業者数)は、約432.6万社です。全企業数に占める割合は99.7%です。日本の殆どが中小企業になります。因みに中小企業の定義は業種毎に違います。

中小企業定義

このようになっています。アニメゲームマンガ業界は製造業その他、サービス業に入ると思われますので、従業員500人未満で立派な中小企業。20人以下でも充分小規模事業者と言う意味で中小企業です。そもそも、日本には大企業と言われるのは0.3%しか存在しません。この大企業がテレビでCMをばんばん流すので世の中には大企業ばかり存在していて、ちょっと小さい珍しい企業として中小企業がある、と誤解してる人がいるかもしれませんが、その実態は大企業はわずかしか存在しません。

働き過ぎはアニメ業界人口の数百倍実はいる

働き過ぎはアニメ業界人口の数百倍実はいる

そうすると、アニメ業界並に働いている人達は日本に12〜14%存在するのでしょうか。日本の労働人口はおよそ6000万人と言われています。そうすると12%なら720万人。14%なら840万人存在します。

げ!そんなにいるの!と驚かれた人もいると思いますが、逆に聞きたいです。皆さんの周りに1日8時間労働・週5日残業ゼロの人ってどれくらいいました?月間160〜168時間の労働時間の人です。日本で義務教育を受けた人なら誰しも接してるであろう小学校の先生。この小学校の先生の1週間の平均労働時間は約54時間です(OECD・経済協力開発機構調べ)。この時点で216時間です。ネットで調べてみると小学校の先生はブラック企業並みだ!と叫ばれていました。

しかし、もう一度聞きたいです。皆さんの周りに1日8時間労働・週5日残業ゼロの人ってどれくらいいました?例えば皆さんの親はどれくらい働いていましたか?アニメゲームマンガ業界を目指すなら、多くの人が専門学校や芸術大学、美術大学を出ているはずです。仮に公立幼稚園から国公立の大学まで出て学費を安く抑えても教育費は平均して1300万以上かかります。美術大学や芸術大学にもなると教育費は平均して2000万近くになるという数字もあります。専門学校を出たとしても高校までの教育費を入れると1,000万以上行く場合があります。

この皆さんを育てて、支えてくれた人達が『1日8時間労働・週5日残業ゼロ』だったでしょうか?もしそうだとすると親の年収800万円だと仮定したら月給約67万円。これを168時間で割ると時給4,000円です。

マイナビスチューデント
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/12906

によると、4,000円以上の人は3%しかいません。教育にはお金がかかります。アニメゲームマンガという創造物を作れる人材になるためには、色んなお金がかかりますし、教育にも手間がかかります。そのお金を投じるために、みなさんを支えてくれた人が沢山働いたのは想像に難くないです。

アニメ業界は更に休みもない・・・という風に言われますが、それも調べてみると日本人労働者全体でそもそも週5日で帰れてる人は半数もいません。週6日も43%近くいて週7日、休み無しという人も全体で8%います。

労働日数

アニメ業界だけが働き過ぎなのでしょうか?
アニメ業界だけが休み無しで働いているのでしょうか?

そうではありません。じゃあ、なんでこんなイメージが着いたのでしょうか?それは実は、マスメディアの利益のためだったのです。テレビなら視聴率稼ぎ、雑誌なら部数稼ぎのためです。アニメゲームマンガ専門求人サイトラクジョブを運営してると、テレビ局や雑誌からこんな依頼を良く受けました。

いいことしてあげるからブラックと言ってくれよ〜

いいことしてあげるからブラックと言ってくれよ〜

・アニメ業界のブラックさについて語ってくれたらテレビに出演させます
・アニメ業界のブラックさについて語ってくれたら雑誌で特集記事を組みます

そりゃもう、名前は言えませんが、でかい会社から小さい会社まであれもこれも空きもせずに10社くらいは取材に来ました。しかし、私は元々データを調べていましたし、アニメ業界だけが働き過ぎでヤバい!などという風潮を作り出すのはアニメゲームマンガ業界のためにならない、業界発展には繋がらない、ということで丁重にお断りしました。その中にはアニメ好きという事で押し出されていた某閣下を取り上げている雑誌なども沢山ありました。断りまくっていたらそんな取材は来なくなりました。

そもそもブラック企業だ、と言われ始めたのは2,000年の最初頃だといわれています。その頃は正社員労働者がへり、派遣労働者が増え始めていた頃です。その時代にブラック企業!ブラックだ!というとテレビでは視聴率が採れ、雑誌が売れたのです。その流れがずっと続いていて、ついにはブラック企業に勤めている人が本が映画になったりする時代になりました。その時点で、ブラック企業と言う名称は『マーケティングのためのキャッチコピー』のようなものだと理解する必要があります。

そもそも、労働者ではない国家公務員、ブラックの対極にあるというイメージの国家官僚が残業だらけでブラックです。官僚 ブラック 労働時間等で検索すると大量に出て来ます。

霞が関における残業の実態は依然として深刻です。過労死の危険ラインとされる月80時間以上残業した人は、前年比1.9ポイントアップの9.5%となりました。従って単純計算で霞が関全体の職員・組合員のうち、3,249人(34,200人の9.5%相当)が過労死危険ラインで働いていることになります。
https://blogos.com/article/46804/

少し古いですが

病める官僚
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/1803/1/seikeironso_68_2-3_141.pdf

私が大蔵省主計局 の主査時代 には,予算編成期以外でも退庁するのは午後一時すぎの,終電ギリギリであった。庁舎を出て地下鉄駅に足を運ぶ途中,振りかえってみる大蔵省は,その時間になってもまだ,半分以上の電灯が輝いている。」(よく歓楽街 などをさして”不城”というが,この表現は大蔵省にもあてはまろう。ここからは,毎 晩深夜2時に独身寮行きのマイクロバスの定期便が出ている。定期便,すなわち,大蔵省では深夜にいたる仕事が日常化しているのである。

と書いてあります。もう、要するに昔からそれが普通だった。それをブラックだ!と言ったらテレビは儲かり、雑誌は売れたわけです。確かに一部の特殊な才能を持っていた入り、親の財産があると言う人は高収入を維持しつつも週5日1日8時間労働残業ゼロの人もいたでしょう。そういう人が子供を2〜3人育て上げて大学や専門学校まで卒業させたという人もいると思いますが、それは特殊な例です。

みなさんのようにアニメゲームマンガ業界を目指そう!と思う人を育てるために頑張って人達は昔から沢山働いていました。それが普通でした。その状況を見ず、テレビなどから植え付けられたイメージでブラック!ブラック!と信じてしまうと、そもそもどこにもないホワイトを探そう!という事になってしまいます。そんな物はどこにも無い、にもかかわらずです。最早TVCMをみて欲しくもないのに恋人がいないとはずかしい・・・その為に車を買わないと!と駆り立てられた我々の親の世代のようになってしまいます。

無論、それほど難しくない仕事で時給900円、それで1日8時間週5日勤務月収14.4万円でいいならバイトを探せばあると思いますが、皆さんが望んでるのはそういう仕事ではない。


好きだから続けられる。それは数字を超えた真実です。

61%が続けたいと答えている

61%が続けたいと答えている

やりがいがあって、将来に希望がもてて、成長していける、そういう仕事を求めていると思います。結局激務だとされる人達もやりがいを最優先にして働いています。激務だと言われているゲーム業界も67.7%が今後もゲーム業界で働き続けたい、と答えています。アニメ業界でもアニメ業界で働き続けたいという人が61%以上います。官僚だってそうです。

激務と言われるゲームでも67%が続けたいと言ってる

激務と言われるゲームでも67%が続けたいと言ってる

激務でも続けられる理由は国家の役に立っている、という実感があるからです。官僚でもない警察官なども、命の危険をさらすことができるのは社会の役に立っているという自負心です。

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無論、一部の例外はあります。官僚は汚職をします。警察官も賄賂を受け取ったりします。アニメ業界ゲーム業界関係なく、あの電通ですら過労死で死人が出ています。ただ、それだけをみて『ほらみろブラックだ!終わってる!』というのはデータを無視したゴシップ記事と変わりありません。

作られたブラック企業というイメージに踊らされることなく、冷静にデータをみて将来を決めて欲しい。

そして、最終的に人が働き続けられるのはデータよりもやりがいや好きかどうかです。ラクジョブはその為のお手伝いをするためにもこれから情報発信をしていきたいと思います。業界発展!承認!

これからも、君達に最新情報をお伝えしよう!(声優小林清志風に)

2014年版中小企業白書について
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/download/14042500h26-Gaiyou.pdf
中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/06Hakusyo_part3_chap1_web.pdf
平成25年 労働力調査年報
https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2013/index.htm

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