先日、某大手ゲーム会社さんにお邪魔してきました。そちらの会社さんは従業員200名以上で、国内外から高い評価を受けるようなゲームを開発しているゲームメーカーさんです。メーカーともなれば、応募の多く来ますが、逆に応募が多く来るが故の悩みもあるそうです。
名前に目がくらんで、盲目になっていしまってはいけません
どんな人に応募してほしくないか。それは端的に言ってしまうと、「会社の名前だけを見て応募してくる人」です。大手のメーカーさんともなれば、ゲーム業界で就職転職を考えているようなひとであれば、だれでも名前を知ってます。もちろん、名前が知られていることは悪いことではありません。名前も知られていないような中小企業は、名前以外の部分で注目を浴びる必要があり、求人採用という面でも非常に不利です。名前が知られていれば、とりあえずどんな募集なのか気になった人がその求人を見てくれます。そういう意味では、非常にいいことです。
しかし、反面、名前だけで求人を見た人の中には同じように名前だけで応募してしまう人も多くいます。その結果、採用したい人物像とかけ離れたような人が応募したりします。デザイナーなのに全く絵を描いたことがない、ポートフォリオの準備がないということも多いそうです。もちろん、求人募集の方には、ポートフォリオ必須の記載があるにも関わらずです。あるいは、大手の企業だと、事業がいくつかあり、ゲームで有名な会社だったとしても、ゲーム以外の事業を多面的に展開していたりもします。そして、募集がゲーム外の事業であるにも関わらず、「ゲームをつくりたいです!」と言われたりするそうです。
ゲーム開発に熱意はもちろん大切ですが、熱意だけで突き進んでしまう人はなかなか受け入れてもらいません。むしろ、熱意があるからこそ、その熱意を成就させるために何が求められているのか、何が今の自分には足りないのか、足りない部分を補うためには何が必要なのかを分析した上で適切な行動をとれるような人が求められます。
応募する会社についてどれだけのことを知っていますか?
それは就職転職でも同じです。入りたい会社があれば、その会社はどんなことをやっている会社なのか、経営状況はどうなのか、競合他社に比べてどんな特徴を持っているのか、どんな部署の募集なのか、その部署は具体的にどんなことをやっているのか、その中でどんな仕事をやることになるのか、どんなスキル、どんな心構えが求めれらているのか、その会社はどこに向かっているのか、そこに向けて自分はどんな価値を提供したいと考えているのか、などなど、知るべき情報は山ほどあります。
求人広告に書かれていることもありますし、書かれていないこともあります、採用担当もしらない現場や経営陣のみが知っていることもあるかもしれません。あるいは言葉には起こせないことかもしれません。どういうことを知っておけばいいのか、その情報はどうやったら手に入れることができるのか。そこに答えはありません。しかし、そんな状況でも、どんな状況でも、それをなんとかするというエネルギーこそが企業の求める熱意です。もしこれができないようであれば、その熱意が評価される可能性も低くなってしまうでしょう。
恋愛では普通にできてること
言っていることはすごい大変なことかもしれませんが、例えば、恋愛に置き換えてみると特別なことではありません。恋人あるいは思い人に対してアプローチするために、趣味は何なのか、仕事は何なのか、サークルは何なのか、デートはどこがいいのか、プレゼントは何がいいのか、食べ物は何が好きなのか、などなど、知らなくては相手に対して適切な行動はできないはずです。
聞けることもあると思いますし、聞けないこともあると思います。共通の知人から話を聞くこともあるかもしれませんし、事情を知らない友達にとりあえず相談するかもしれません。どうすればいいかわからない状況においても自然となんとかしようとするのではないでしょうか。自分では熱意があるなんて意識がないまま問題解決に向かって突き進むのではないでしょうか。あるいは、部活でもサークルでもバイトでも趣味でも構いません。自分で大変だと意識することもなく、自然とひたむきに分析と行動を繰り返せるものが何かしらあるのではないでしょうか。
同じことが就職転職活動においても、あるいは入社後の仕事にも求められています。もし、就職転職や仕事への態度が「熱意あるもの」ででないとしたら、まずはその違いに目を向けて、なぜそれができないのか、どうすればそういう態度で就職転職仕事にもそのように取り組めるのかを考えてください。その状態で就職転職に取り組むことが内定にもつながりますし、相手にも必要とされるようになります。就職転職は戦う前から勝負が決まっているという話でした。