紙の漫画は電子書籍に取って代わられるのか
記事を読んでいただきありがとうございます。ビ・ハイアの床井です。今回の記事では「紙の漫画」について書きたいと思います。ご存じの通り、現在電子媒体での漫画が急速に市場で伸びてきています。漫画が電子化するのに伴って、漫画の読まれ方、漫画の流通のし方も変わりつつあります。電子化され漫画が今の日本人のニーズに合っているからこそ伸びているのは間違いないでしょう。では、紙の漫画は淘汰され存在しなくなるのでしょうか?
こちらのデータをご覧になって下さい。
(株式会社インプレスの調査より引用)
現在出版不況と言われており出版点数は年々減少を続けていますが、電子媒体での漫画はこのように順調に出版部数を伸ばしています。電子媒体が伸びてきている要因としては、いくつかあると思いますがやはり大きいのはスマホやタブレット端末が普及してきた事があるでしょう。日本人のメディア需要時間はスマホやタブレット通じたインターネットが本やテレビよりも大きく伸びてきています。
(博報堂DIYパートナーズ調べ)
電子プラットフォームの強い点は、他のサイトからの転入やネット上での試し読みなど、目に触れる機会・仕掛けを作りやすい点です。遊んでいたアプリや見ていたサイトからシームレスに移る事が出来る利便性、持ち運ぶ必要の無い軽量性などから、徐々に電子媒体による漫画は1つのプラットフォームとして頭角を現しています。電子書籍が特に受け入れられているイギリスにおいては、「デジタルネイティブ」の子供世代が読書をするときはその過半数が電子書籍を読んでいる、という報告が「National Literacy Trust」によって報告されたこともありました。
このまま行くと電子書籍が主流になり、紙の漫画が読まれなくなっていく日も近いかも知れません。利便性の意味でも環境資源の意味でも電子書籍に軍配が上がっているので、将来的には書店が不要になり、殆どがオンラインプラットフォームに大体をされたり、図書館もすべてデータベース化されわざわざ足を運ぶ意味が無くなったりもするかも知れません。
アナログのよさを打ち出せる書店からの改革
しかし実際に書店に足を運ぶ必要が本当になくなるのでしょうか。実はこの電子化の波に対して、敢えてアナログな「書店売り場」の魅力を打ち出すスポットも最近は増えてきています。例えば、大変な読書家で知られる編集者松岡正剛さんが全面的にプロデュースをした書店丸善の店舗に、「松丸本舗」というスポットが存在します。ここは本の配置の仕方や本棚の設計、本の配置の順列まで「文脈棚」というコンセプトで貫かれており、その書店で時間を過ごすことも含めて本を味わうことの一部、という空間になっています。また、こんな例もあります。佐賀県の武雄市では、市立図書館を、「TSUTAYA」と協力して大規模にリメイクし、単なる本の貸出の場ではなく、市民の憩いの空間に作り替えました。館内にはスターバックスが入っており、本を読んでゆっくりとする事が出来ます。また夜は平日21時まで営業しており、仕事帰りにゆったりとする事が出来ます。館内には「ブックコンシェルジェ」という、本の水先案内人がおり、新しい本との出会いをもたらしてくれます。アナログな本はこのように、「そこに行かないと得られない体験」という限定性と結びついて、以下の時代にこそ付加価値が高くなっているという例もあるのです。
漫画業界においても同様の試みはあります。株式会社サーチフィールドという、イラストの会社が新規事業として始めた「トリガー」というサロンをご存じですか。ここは渋谷のビルの一角にあるのですが、中に入るとまるで上質なパブのようになっています。内装は木造で温かみのある空間となっており、美味しい飲み物を飲むことが出来ます。普通と異なっているのは、周囲の棚に所さマシとあらゆる種類の漫画が置いてあり、自由にそれを閲覧することが出来るのです。店内には「漫画コンシェルジュ」という、漫画に詳しい案内人がおり、その人に聞くことで自分が全くしらなかった漫画に出会うことができます。私も地擁してみた事があるのですが、自分が聞いた事もないSFホラーの作家にめぐり会うことができ、非常に満足度の高い一晩になりました。
友達から借りた漫画がやたらと楽しく、つい自分の方がハマってしまった、そんな経験はありませんか。名作との出会いはそんな風に偶発的にもたらされル事も多いものです。アマゾンやGoogleのレコメンドには少々問題がありまあす。それは、自分の知った範囲の作品ばかりが出て来てしまうのです。それはそれなりに楽しめる作品ばかりですが、数多くの作品の中のごく一部しか享受出来ない、と言う事にも繋がります。そんな時に、誰かに強く勧められる、というの強いもので、知らないジャンルであっても、読んでみようか、という気になるモノです。そんなアナログでしか得られない経験を求めて、あなたも一度トリガーに行ってみてはいかがですか。