漫画編集者になりたい人必読 宇宙兄弟、ドラゴン桜をヒットさせた編集者が書いた本 ぼくらの仮説が世界を作る

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楽しむのと楽しませるのは違う。これはラクジョブを作った時からも想いです。それを今日は宇宙兄弟と宇宙兄弟をヒットさせた編集者の人の本『ぼくらの仮説が世界を作る』、そして東日本大震災を紹介しつつ伝えます。

漫画を読んで面白いし楽しいから漫画家を目指す、出版社に入りたいという人は大量にいます。そういう人は毎年大量に落ちています。

楽しむ側と楽しませる側には大きな断絶があります。クリエイターになったり、編集者になったり、アニメゲーム漫画業界に入りたい人はその断絶を乗り越えてくる必要があります。

例えるなら、美味しい料理を食べるのが大っ嫌いだ、と言う人はいないけど、手間暇かけて他人のために美味しい料理を作って食べて喜んでもらうのを見るのが大好きだ、と言う人は少数派だというのに似ています。美味しいご飯を食べるのが大好きという人と、美味しいご飯なんていらないという人の比率を分けたら100:0か99.99:0.01くらいでしょう。

美味しいご飯を食べる事と美味しいご飯を作る事、単に食べる方が楽しくて、作るのは面倒くさい・・・という人が多い理由は簡単です。食べるより作る方が大変だからです。もっと言うと下ごしらえ、後片付け全部大変です。食べるより後片付けが大好きで・・・みんなどんどん食べてね。私が洗うから、という人には会ったことがありません。それと同じで、アニメゲーム漫画も楽しむだけの方が楽です。楽しむ側から楽しませる側に回るというのは想像を絶する大変さを乗り越える必要があります。

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宇宙兄弟をヒットさせた秘策

1600万部超! 『宇宙兄弟』を大ヒットに育て上げた編集者が最初にやったことは、宣伝費数十万円からのすごく地道なしかし前例のない方法でした。その内容は・・・とココに書くと本が売れないので是非買って読んでください。

その宣伝方法を考え、地道に実践し、それが上手く行くかどうかもわからない中、プレッシャーにも耐えて1つ1つやるべき事をやる。その中で自分の考えた方法が更に上手く行く方法を発見する。そしてさらにそれを実践する。なんの上手く行く保証も無い中で道を切り開いていく。佐渡島さんという人はそうやって宇宙兄弟をヒットに導きました。

そういう仕事と宇宙兄弟を単に読んで面白い!というのはどちらのほうが簡単でしょうか。どう考えても読んで面白い、ですよね。アニメゲーム漫画でいい作品を作る時、逃げ出したくなるくらいのプレッシャーを作り手側に与えます。それはアニメゲーム漫画なら何でも同じです。

そんな大変な状況の中、多くの人は『成功する方法はどこにある?』と探します。上手く行った事例はどこにある?成功した事例は?それを真似ればいいのでは・・・と考えます。しかし、佐渡島さんはその考え方について

〇仮説→情報収集
×情報収集→仮説

という表現で、NOを出しています。本文を引用すると

多くの人は重要な決断を迫られたときに 、できるだけたくさんの情報を集めて 、それから仮説を導くと思います 。でも 、そうしていると新しいことは何も生まれません 。では 、どうすればいいのか ?ぼくは 「情報を無視しろ 」と言いたいわけではありません 。仮説を立てるときは 、誰でも得られるような数字のデ ータではなく 、 「日常生活の中で 、なんとなく集まってくる情報 」そして 「自分の中にある価値観 」のほうが大切なのです 。決断するためにわざわざ集めた情報の多くは 、 「過去 」のものです 。それに頼ると 、気付けば 「前例主義 」に完全に陥ってしまいます 。前例主義に陥らないためには 「先に 」仮説を立ててみることです 。そしてその仮説を補強 ・修正するために 、情報を集めてくる 。その順番が大切です 。

「情報 →仮説 →実行 →検証 」ではなく 「仮説 →情報 →仮説の再構築 →実行 →検証 」という順番で思考することで 、現状に風穴を開けることができるのです 。

と書いてあります。

shutterstock_184763024考えて考えて考え抜く

情報を集めてから仮説を立てるのではなく、自分が『こうじゃないか?』という感性を大切にしてそこから情報を集めていく、と言う事です。これは編集者だけではなく、多くのクリエイター、ビジネスマンが持って欲しい感覚です。人はついつい安心を求めがちです。しかし、クリエイターやビジネスマンにとって(特にアニメゲーム漫画でヒットさせたいと思うような人、ベンチャー企業の経営者)それは自殺行為です。

なぜなら世間をあっと言わせるような、あなたを感動させ、あなたを揺り動かし、アニメゲーム漫画を作りたい!作るのに携わりたい!と思わせた作品は情報をかき集めて、上手く行きそうだし上手く行ったこともある安心に基づいた保証のありそうな前例主義で作られていないからです。

私自身も、このラクジョブを作ったときは『前例なんてない』状態でした。前例なんてないし、上手く行くかどうかもわからない。だけど上手くいかせたいし、上手く行く気がする・・・そこに賭けたい!と強く望んでから情報収集をし、その結果ラクジョブは今も成長し続けています。前例を元に、安心を望んでいたらラクジョブはここに存在しないのです。そんな事例は人類の歴史を見ればそこらじゅうに転がっています。

あなたは今、パソコンの画面かスマートフォンの画面でこの文章を見ていると思いますが、20年以上前に今のインターネットの状況を伝えたら誰が信じたでしょうか。誰も信じないと思います。20年前と言えばADSL回線もない時代です。ISDNが高速回線と呼ばれていた時代です。携帯はガラケーでiPhoneすら存在しませんでした。では、50年前の世界の人々に今の状況を想像出来たか?やはりできません。日本にこんなに道路を初めとしたインフラが整っていたことすら想像出来ないでしょう。

51aE-LJzgALあなたの目の前は奇跡に満ちあふれている

そう。あなたの目の前には前例を覆した奇跡で満ちあふれているのです。どんな時代でも安心を求める人がいて、前例やうまくいく情報収集を元に仮説を立てて来る人が多い。しかし、時代を作り上げるような人と言うのは逆を行く人達です。

それと同時に、20年前、10年前、いや2011年以前の人達に『東日本大震災が起きて原子力発電支所が大被害をもたらす』と言ったら。誰が信じたでしょうか。実はNHKではメガクエイクという番組も制作されていて、多くの地震学者が東日本大震災のリスクを伝えていました。しかし、それは一切耳に入らず、地震が起きてから東京電力の人達は『前例がない災害』『予測出来ない事態』と言いました。

あなたの目の前には奇跡も満ちあふれているが地獄も隣り合わせだ

そう。あなたの目の前には奇跡が溢れているのと同時に、安心も安全もないのです。常に私達は想像以上の商品、作品、社会現象に見舞われてきました。こんなに便利になるなんて思ってもなかった。それと同時にこんな最悪なことが起きるなんて思ってもいなかった・・・という事だらけなんです。

shutterstock_73650112それなら、いっそのこと安全安心前例主義を捨て去って、自分で仮説を作り、世界を作り上げる方に回った方が楽しくないですか。アニメゲーム漫画業界を目指す人達に『どうすれば就職出来ますか』『どうすればあの会社には入れますか』という質問を沢山受けます。それは意味の無い質問です。仮に最高の答えが合ったとしても、就職してから役に立たない人になってしまいます。『どうすればワンピースのようなヒット作を作れますか』なんて質問に答えはありません。『ワンピースとまで行かなくても、どうすればヒット作を出して会社に利益を出してボーナスが貰えて出世出来ますか』にも答えはないんです。それどころか『ヒット作を作るなんて贅沢は言わない。とりあえず定年まで安心してこの業界で働ける方法は』というのにすら答えはありません。

常に自分で仮説を立てて、自分で考え続ける。答えなんてない中で答えを作り続ける。楽しむ側から楽しませる側に回るというのはそれくらいしんどいことなのです。アニメゲーム漫画業界を目指す人達が少しでもその楽しむから楽しませるへ回る大変さ、断絶を実感出来たらそれはもう、乗り越える準備ができている証拠です。その為に私の文章が役に立てば幸いですし、もっと知りたければ佐渡島さんの『ぼくらの仮説が世界を作る』も読んでみて下さい。すごくオススメですよ。

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