ゲーム コンシューマーゲーム開発戦略 VR技術の発展、映像技術の進歩とその先は・・・

shutterstock_317719946コンシューマーゲーム機の業界は、ソーシャルゲームやネイティブアプリの市場規模の拡大とともに市場規模をどんどん縮小しています。国内ゲーム市場が過去最高の1兆1925億円と前年比4%増に対して、オンラインプラットフォームでの市場規模は13%増の7886億円(ファミ通ゲーム白書2015)、全体4%とオンラインゲーム市場13%の差分9%は、国内のコンシューマーのハードやソフトの市場が奪われたことを示します。また、コンシューマーゲーム機の最大手の任天堂ですらDeNAと提携し、ソーシャルゲームやネイティブアプリの市場に乗り出そうとするレベルまで至っています。

今や、世間のゲームへのニーズは、屋内屋外関係なく、少ない暇な時間、休み時間をつかって手軽に楽しめるゲームが老若男女に受け入れられている状況です。ある意味、これまでゲームを敬遠してきたユーザー層を取り込むことができ、ゲームをすることに対しての敷居が低くなったことを考えればゲーム業界としては嬉しいことでしょう。しかしながら、ユーザーは本当に手軽さと暇つぶしだけでゲームをやっているのでしょうか。

shutterstock_87096143アプリにもサーバー代や運営費用がかかりすぎるというデメリットがある

アプリの運営のためにも必ず毎月サーバー代はかかってきますし、そのまま手をつけなければユーザーが離れて行ってしまいますので、定期的にイベントを開催するので、そのための資金も必要となります。そのため、運営し続けているアプリは必ず課金ユーザーが何%か存在しますし、人気アプリの上位ランカーや重課金ユーザーともなれば、月々数万から数十万つぎ込む人もいると聞きます。ただ、そのレベルまでいったら、もちろん暇つぶし程度の気持ちでやってないでしょうし、ちょっとした隙間時間でなんとかなるようなプレイ時間ではないはずです。そのため、これら重課金ユーザーが楽しめるだけの充実感とやり込み要素があるゲーム制作を追求することにコンシューマーゲーム機回復のカギがあるように思います。


okyurasuオキュラスの強みは?

オキュラスリフトの最大の強みはやはり、映像の世界に自分が入った気になれる「没入感」でしょう。頭にかぶるタイプのゴーグルのようなものを装着し、左右の目でそれそれ視点を少しずらした映像を映し出すことによって立体感を表現し、それが360度全方向描写されています。視野とは違うところを見たければ、実際顔を動かすことによって上や下、後ろの映像を見ることができます。

加えてそれ以上に驚きだったのが、視覚認識による錯覚です。以前、オキュラスリフトをつけてジェットコースターの映像を見させていただきましたが、錯覚って怖いですよね。なにせありもしないG(重力)を感じたのですから。ジェットコースターのコースを走っていて、右にカーブするときは左に引っ張られ、左にカーブすれば右に引っ張られ、急激に上昇すれば体が押しつぶされるように感じ、急激に下降すれば体が軽くなるような感じがしました。視覚の効果ってすごいんだなと感じました。そのためこの仮想現実に関しては、今のタブレットやスマートフォンのような小さな画面では360度の映像は表現できても立体感や没入感を表現することはできないでしょう。それに、持ち運びできるヘットマウントディスプレイが開発されたとしても、視覚の錯覚で動いてしまったり、仮想現実に入って現実世界の状況がわからないまま遊ぶのって怖いですよね。

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専用コントローラーも開発中

現在、オキュラスリフトを使ったゲームでは、コントローラーが付いてきます。以前だと、FPSように歩行用のコントローラー「Omni」の開発が行われたり、今回紹介したの製品版のオキュラスリフトには片手に一つずつ持つタイプのコントローラーが付属します。

「Omni」では、歩行のために床面を滑べらせたり、銃を撃つための引き金を引いたり、今回のXbox Oneのコントローラーでは、片手に一つずつ持つタイプになるものの最終的にボタンを押しての操作になります。これだとせっかく仮想空間に入っても操作の感覚と自分の行動に違いがでてきてしまって違和感を持ってしまうかもしれませんね。

画像の記事はこちらから調べました
https://weekly.ascii.jp/elem/000/000/151/151102/

イメージとしてはやっぱり仮想空間での動作だけでウインドウを出し、そこにタッチすることで操作ができればと考えたりします。それに第一、現状では、触った感触等の外部の刺激が得られないというのは、やはりこれまで見てきた攻殻機動隊やソードアートオンラインのような世界はまだ遠いのかなと感じてしまいます。

konroVRゲームの中に触れられる!?

ここまでは今の技術でのゲームのお話でしたが、ここからは一歩先の未来のお話です。今までは、コントローラーを使っての操作がスタンダードという話をしてきましたが、将来的にはコントローラーも必要なくなる時代が来るかもしれません。その技術が「UnlimitedHand」という技術です。まさに仮想現実内でものに触れる、触れたと感じることのできるデバイスです。

引用始め

内蔵された加速度センサーとジャイロセンサーによってプレイヤーの腕の位置を、筋肉の特殊なシグナルを感知するセンサーによって手の“筋電位”を測定し、ゲームの世界に入力する。そしてゲームの世界からは、映像と同時に身体へ電気刺激を与えることで情報が出力される。この電気刺激は指を動かす神経に直接与えられるため、あたかもプレイヤーは「目で見ているゲームの中の出来事によって、体が動いた」ように錯覚させられるというわけだ。

「触覚は進化的には古い感覚なので、視覚や聴覚に比べて錯覚を起こしにくい。そのため、映像と掛け合わせることで錯覚を生み出しています」と岩崎は話す。Unlimitedhandは、錯覚によってゲームの中の世界と身体を直接つなげることで、身体そのものをゲームに没入させてしまうデヴァイスだと言えるだろう。

引用終わり

shutterstock_311776676現在、開発したソフトウェアを走らせると、仮想現実上に腕を表示させ、その上に舞い降りる鳥の重さであったり、銃の引き金を引いた時の発泡の反動であったりを体感できるとのことです。体が感じることのできる感覚は風が当たる感覚であったり、何かを触った時の手触りなどを感じることができる皮膚感覚と、体を動かすことによって骨や筋肉から感じることのできる深部感覚の2通りあり、UnlimitedHandでは、この深部感覚を錯覚させることで、仮想空間での反動や重力を感じることができるとのことです。

こちらの技術がゲームに反映されるのもそう遠くないでしょう。また一歩、アニメやゲームやライトノベルの世界に近づいたという感じがいたします。個人的には、空を自由に飛んでみたいというのがあるので、空を飛んでいる時にかかる重力、これはUnlimitedHandが全身に応用できれば可能なのかな・・・、であったり、飛んでいる際の肌に当たる風の感覚やものに触れた際の物体の温度なども感じられればと思っているので、皮膚感覚の方の技術の発展も期待したいところです。

現在のゲーム市場は、ソーシャルゲームやネイティブアプリの手軽さや定期的なイベントの開催により、常に新しいサービスを提供することによって市場規模を拡大してきた印象があります。ソーシャルゲームやネイティブアプリのクオリティは、タブレットやスマートフォンのスペックに依存するため、コンシューマーゲーム機のPlay Station 2レベルのクオリティーまでは出せるそうです。そのため、開発費だけで今や、数億円規模にも及びます。加えて、運営費も含めれば、コンシューマーゲーム機の開発費を超えるのではないでしょうか。コンシューマーゲーム機の人気シリーズでは、数十億規模の開発費をかけますが・・・。その状態では市場規模の縮小もしょうがないのかなとも思ったりします。コンシューマーゲーム機の生き残りをかけるとしても今後は、家でなければできないというプレミアム感がなければ売れないのではと思います。そのため、今後のVR技術の発展には期待したいところです。