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2015.12.27 ゲーム会社 求人 ゲーム業界への就職を考える人に知っておいてほしいお金の話

moneyこれはゲーム業界への就職を考える人に知っておいてもらいたいお金の話です。お金の話と聞くと、「私はお金の話なんてしたくない。ゲームの話をしたいんだ。」という声も聞こえてきそうですよね。しかし、考えてみれば当たり前のことなのですが、お金の話をすることはゲームの話をすることにもつながります。ゲームはゲーム会社によって作られます。そして、ゲーム会社はゲームを作る前に営利行為を行って利益を得ることで存続する法人です。ゲーム会社はゲームを作ることでお金を得ています。もし本当にお金のことを考えずに純粋にゲームのことだけを考えたいのであれば、個人あるいはサークルでゲームを作って、HPで公開したり、同人販売したりするしかありません。しかし、会社で作られたゲームと個人が作ったゲーム、どちらの方が多くの人に高い評価を得ているかを考えれば、どちらでゲームを作って方がよりゲームを通じて世の中の人々に楽しみを提供できるかは明らかです。

Successful business man jumping up on gold coin moneyさて、2014年の国内ゲーム市場規模(ハード・ソフト合計、オンライン含む)は過去最高の1兆1925億円(「ファミ通ゲーム白書2015」)。それに対し、2014年の世界のゲーム市場は約10兆1200億円(2015年版の「グローバルゲームマーケットレポート」)。日本にいるとついつい日本のゲームが世界のほとんどだと思いがちですが、日本のゲーム市場は世界の1/10しかありません。2015年には、中国とアメリカが2大ゲーム市場として、それぞれ約2兆6600万円(約220億ドル)に成長するとの予測がされています。それぞれ日本の2倍の市場規模がある上に、両者を合わせると世界の市場の半分以上になります。「大ヒットしたパズル&ドラゴンズ(パズドラ)などで海外32カ国・地域にも進出した。北米では800万ダウンロード、中国でも提供開始に向けて準備を進めている」(産経ニュース)などをはじめとして、近年日本のゲーム会社の海外進出が話題に聞こえることが多いですが、「日本の次は世界」と言われるのも市場規模の差から考えると納得できますね。

さて、もう少し落とし込んで、ゲームの流通という側面から考えてみると、その工程を3つに分けることができる。ゲームは一般的に、パブリッシャーにより企画され、デベロッパーによって開発され、マーケットで販売される。ゲーム会社と聞いて、真っ先に思いつくであろう、任天堂、SQUARE ENIX、ガンホー、KONAMI、SEGA、コロプラなどはパブリッシャー(メーカー)に当たります。そして、ゲームを実際に作るディレクター、プログラマー、デザイナー、プランナーなどが最も多く所属しているゲーム開発会社がデベロッパーと呼ばれています。一例を挙げるとマトリックス、ピラミッド、バイキング、ゲームフリーク、トーセ、トライエースなどが比較的有名な会社です。これら以外にも、2次請け、3次請けやプログラムに特化した会社、グラフィックに特化した会社などがあります。そして、ゲームは企画・開発されても流通に乗らなければ、ユーザーの手に届きません。家電量販店やネット通販、AppStoreやGooglePlayがその役割を担います。これらが全てが充足されて初めてゲームが最も良質な形でユーザーの手に届けられます。どんなに良い企画でも、現実的に開発不可能であればその企画はお蔵入りになってしまいます。どんなに面白いゲームでも、マーケットに乗らずそのゲームが知られることがなければそのゲームの面白さは誰にも知られることはありません。どの会社に就職するときにもこの全体像を把握しておくことは非常に重要です。

さて、その中で特にゲームの開発にスポットを当てます。ところで、ゲームを1本開発するのにいくらぐらいかかるか知っていますか?開発規模によってかなり差があるのですが、小規模なものでも数千万、超大作と呼ばれるレベルになると数十億、数百億かかると言われています。ちなみにアクティビジョンから発売された「Destiny」は5億ドル、大ヒット作「FF7」は1.45億ドルの開発費がかかっているそうです。実際市場でやりとりされている案件の相場は数千万〜数億円のゲームがほとんどです。

Money treeそれぞれ組まれた予算から、「人月」という単位で開発費の計算がされます。人月とは1人を1か月働かせるためにかかるお金ということです。例えば、あるゲームを開発するのに10人のチームを半年間動かす必要があるとして、平均人月が60万円であれば、60×10×6=3600万円が開発にかかります。20名のチームを1年間、平均人月65万円で動かすのであれば、65×20×12=1.56億円かかります。「なんでゲームを1本開発するのにそんなにお金がかかるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、計算すると意外とすぐに数億円かかってしまうことがわかります。

さて、ここから先は随分生々しい話になってしまいますが、ゲームデベロッパーの社長は、期ごとの経営計画の中で、1年間稼働する人月を一つ増やすためにあなたを雇います。もちろん、同じゲームを作る仲間として採用するという側面もあるでしょうが、あなたという労働力を収支計算している側面もあります。最初に述べましたが、ゲーム会社はゲームを作る集団の前に営利法人です。そのことを忘れてしまうと、いくら応募しても採用されない要因になってしまいます。応募者は、その会社を通じてその会社でできること、やりたいことを見ていますが、採用する会社の経営者は、応募者を通じて人月と経営を見ています。その温度差を理解することは、履歴書を書く上でも、面接を受ける上でも、採用されて実際に働く上でも重要なことです。

最後にラクジョブで独自に調査した人月相場のデータをお見せします。数字だけ見ても面白くないかもしれませんが、まずはしっかり数字を把握してください。働く人にどれくらいの価値が求められているのかを把握してください。それだけでも何かが決定的に変わります。

アニメゲーム映像制作業界 平均人月速報

2Dデザイン
コンシューマーゲーム:人月45~70万円
エフェクトデザイン:人月55~75万円
スマホゲームUI:人月55~75万円
スマホゲーム イラスト:1枚あたり1.5万円〜15万円
CM、映像系:人月50~65万円
パチンコ・パチスロ オーサリング AfterEffects:人月55~75万円

3Dデザイン
コンシューマーゲーム ローエンド:人月55~70万円
コンシューマーゲーム ハイエンド:人月65~95万円
スマホゲーム:人月45~75万円
CM、映像系:人月50~65万円
パチンコ・パチスロ プリレンダ等:人月75~110万円

プログラム開発

コンシューマーゲーム:人月65~95万円
スマホゲーム:人月65~95万円
パチンコ・パチスロ 組み込み:人月75~100万円

企画 プランナー

コンシューマーゲーム:人月45~65万円
スマホゲーム:人月60~80万円
パチンコ・パチスロ 組み込み:人月70~95万円

企画 ディレクション

コンシューマーゲーム:人月75~100万円
スマホゲーム:人月75~110万円
パチンコ・パチスロ 組み込み:人月80~120万円

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