マークドナルドー
ハンバーガー発祥の国、アメリカから届いたAIのニュースを元にアニメゲーム漫画クリエイター最強の理由について書きました。実際問題、クリエイターさんは当分の間AIに負けることはないでしょう。ただ、あるポイントをしっかり押さえている必要はあるのでそこは最後の所で触れました。
AIと人が計算処理や単純作業で対決するとしたら人はAIに負けます。元々、AIやロボットは人の代わりになれることを目的として作られていますので仕方がないとも言えます。だからこそ、単純作業や簡単なことであればAIとロボットは私たちの隙間に平然と入ってきます。今回のニュースは2ヶ月前のモノですのでご存知の方もいるかもしれません。出典は「businessnewsline」の米マクドナルド、店舗従業員のロボットへの置き換えを開始というニュースです。
引用開始
ファーストフード最大手のMcDonald’s(マクドナルド)が米国内の一部店舗で、レジ担当の従業員を廃止して、ロボットによる自動受付方式に転換を開始した。ロボットへの置き換えが行われた店舗では、入り口のところにスマートフォンをそのまま巨大化しようなタッチパネルがよいされており、入店した顧客はここで、注文したい商品を入力して、現金がクレジットカードを入れて決済を済ませると、しばらくすると商品を受け取ることができるようになっている。
引用終了
(左記画像はこちらのニュースからお借りしました)
このニュースではどれくらいの経費が浮くなど金額面の話が出ていないため実質経済的にどれほどの影響をもたらすのか不明ですが、店員一人当りに払う給料よりもセルフレジに掛かる電気代、メンテナンス代を含めても安く済みます。2015年時点で州が設定している時間あたりの最低賃金は8.75ドル(約1085円)、8時間一人が働いたら70ドル(約8680円)が支払われます。
セルフレジに掛かる電気代を考えてみると、0.11ドル/1000W(日本の半分)、1000Wはエアコン1時間動かす時に必要な電気量ですが、仮にエアコンと同じ電気量とします。となると、8時間セルフレジを稼働させても0.8ドルです。人間に稼働してもらう時のおよそ1/10、セルフレジ導入で9割程度安くなる想定が出来ます。マクドナルド全体で考えますと、全面的に機械が導入された場合は今までの人件費より安くなり、営業利益が上がることも想定出来ます。今回の試験的なセルフレジ導入が上手くいけばマクドナルドは全世界に広がる店舗にも導入し、余計な経費を切る方向に動きだすでしょう。単純作業は機械に成り代わられるという良い例でした。
実はこうした動きはアメリカだけでなく日本国内でも起きています。一部のスーパーやTSUTAYAで展開されているセルフレジ、また、今後といったところでファミマは17年度までにセルフレジ1500店展開目指すなどAIへシフトする動きを着々と整えつつあります。急成長ともいえるAIやロボットの成長ですが、幸いなことにアニメゲーム漫画業界のクリエイターさん達には無関係の話です。現行のAI技術では人間の完全再現ではなくあくまでロボットという位置付け、たくさんの知識から何かを生み出すのは人間がこの世で一番優れています。
現行のAI技術には人口知能とは呼べないある欠点があります。Googleが研究する無人で動く自動車(画像をクリックすると動画が見れます)は優れたモノですが、あくまでプログラム通り動くだけです。このことは大きな欠点です。プログラム以上の動きを取れないということは人間の指示下でしか動けないということを意味します。人口知能は人間の脳の完全再現をしてこそです。人間は誰かの指示を受けたとしても反発して違う行動を取ったり、反対に想像以上の成果を示して周囲を驚かせたり出来ますが、現行のAIはそういう行動は決して取れません。ですから、人口知能完成まではほど遠い状況な訳です。例に挙げたGoogleが進める自動車はディープラーニングという技術を元に作られていますが、フレームを重ね合わせて学習していくシステムであり車というフレームで作ったら車以上の動きは取ることはありません。何が言いたいかというと、フレームの外側に飛び出す事はないということです。
人は一つのことを目指していても違うと思ったらその己の判断に基づきフレームの外へ飛び出そうとします。極端な話、Googleが開発する自動運転自動車が「私は車という機能だけではなく美味しい料理を作るコックになりたい」と思って料理修行をし出すことはないということです。人は違います、車の仕事していても飲食関係で仕事したいと思ったら誰に命令されることもなく飲食関係の仕事へ就こうとします。フレームの外へ飛び出すというのはプログラムソースコード外ですから絶対に起き得ません。プログラムをロボットが書き換えて、新たな人格ならぬロボット格を取得するということは起こり得ない訳です。
人間にあって、ロボットが持っていない能力を一言でまとめると「たくさんの知識から新たになにかを生み出す能力」です。どうしてもたくさんの知識から何かを生み出すのはロボットは苦手です。こちらを示すデータを野村総合研究所(NRI)が発表しています。
引用開始
日本の労働人口の49%が人口知能やロボット代替可能に
中略、この研究結果において芸術、歴史学、考古学、哲学、神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、人工知能等での代替は難しい傾向があります。一方、必ずしも特別の知識・スキルが求められない職業に加え、データの分析や秩序的・体系的操作が求められる職業については、人口知能等で代替できる可能性が高い傾向が確認できました。
引用終了(画像はこちらの研究結果からお借りしました)
最終的には人口知能は完全に人間に成り代わるので絶対に不可能という言い方ではなく難しい・高いという言い方をしています。現行のAI技術からみて代替可能な部分は「特別の知識・スキルが求められない」部分です。アニメゲーム漫画業界はソフトの技術は記憶すれば覚えられるとしても抽象的なイメージを伝えて作り上げる作業は代替不可能と言えると思います。代替可能性が難しい特徴として抽象的な概念を整理して創出する知識が要求される職業というのが挙げられていますが、クリエイターさんはあらゆる知識の中から創出し世の中に価値を生み出す職業であり、正にこちらの難しい側の職業として最強という所以です。
落とし穴はざっとここまで読んできてお分かりになった様に、簡単な処理で済む、誰でも出来る仕事から順にAIへ代替されています。私はクリエイターは大丈夫という言い方をしましたが、ある条件を満たしていないクリエイターはその類には含まれないという事実もあります。ある条件というのは、知識のインプットを日常的に行っていることです。仕事が膨大な量があるのは分かりますし、朝から晩まで働き詰めて時間を作れないという理由も分かりますが、電車の通勤時間を利用したり 、夜の飲み会を控えて勉強に充てるなどをすれば少しだけでも時間は作れる筈です。そこまでして知識を得る必要はAIという最強の兵隊があなたの仕事を取りに来るからです。多少大変でもインプット時間を作る必要があります。インプットに最適なのは読書です。
これまでアニメゲーム漫画業界にはたくさんの素晴らしい作品が生まれてきましたが、創出したクリエイターさんたちは必ずインプット(読書)を欠かしていませんでした。例えば、ガンダムの原作者富野由悠季さんは著書「富野に聞け」の中で読書についてファンから寄せられた質問に対しての回答で「読書は大事、本を読んだ人の勝ち」と言い切っています。ロックマンや鬼武者、モンスターハンター、バイオハザードを爆発的なヒットへ導いた稲船敬二さんは「1億人に買われるメガヒット商品のつくりかた」の中で「読書は映画や本はヒットを生むための栄養」と語っています。何も入れずにおいて創出しようがありませんから当然だと思います。
自分の作品を作りたいからこそ業界に飛び込んだ筈です。AIに持っていかれては作りたい物を作ることが出来なくなってしまいます。そうならないためにも今日も知識を入れて、作品作りに臨んでいくことがとても大切です。アニメゲーム漫画業界のクリエイターさん達がインプットをしてしっかり知識を入れ、あらゆる知識の中から新しい価値を載せた作品が市場に溢れる世界になったら最高だと思います。そんな最高の世界を夢見てアニメゲーム漫画クリエイターさんを応援していきます。