就職 転職 採用は最低2社!?ブラック企業求人も増加?

現在、人材を採用したいという企業がどんどん増えてきているようです。厚生労働省によれば、4月の有効求人倍率は、全国で1.34倍、東京に至っては2.02倍と高い水準となっているとのことで、求職者にとっては明るい話題ではないでしょうか。今回は関連記事の紹介と共に、正社員雇用についてと、政府の取り組みに関して書かせていただきました。

4月の求人倍率、東京で2倍超す 74年以来 全国1.34倍に上昇 就業地別は全都道府県で1倍超
https://www.nikkei.com/article/DGXKASGC31H05_R30C16A5MM0000/

スクリーンショット 2016-06-04 17.24.26

引用始め

厚生労働省が31日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月と比べて0.04ポイント上昇の1.34倍だった。1991年11月以来、24年5カ月ぶりの高水準だった。上昇は2カ月連続。幅広い業種で深刻な人手不足が続いており、求人数が押し上げられている。都道府県別の有効求人倍率は東京都が2.02倍となり、1974年6月以来の高い水準となった。
引用終わり

有効求人倍率は、全国のハローワークで仕事を探す求職者1人に対する求人の数を示しており、東京都では2.02倍と1974年6月以来の水準です。要するに人を欲しがっている企業が多いということです。また、左のグラフより、有効求人倍率の増加に伴い、完全失業率は低下傾向にあります。

正社員の有効求人倍率 

しかし別の見方として、正社員雇用による有効求人倍率で見てみると、2016年4月の時点で、全国は0.85倍(前年比0.13増)、東京都においては、1.16倍(前年比0.22%増)という結果です(ハローワーク情報サイト~ハロワのいろは~ 都道府県別の正社員有効求人倍率)。東京やほんの一部の地域では、かろうじて1倍を確保しているもののほとんどの地域では1倍を切っています。沖縄に関しては、非公開時期が多いものの約0.30倍とかなり厳しい状態です。にもかかわらず、全体の有効求人倍率が上がっているのは、アルバイトや派遣などの条件の悪い求人が増えているからではないでしょうか。

実際に、労働条件が悪いケースもありますが、ひどい場合になると、ハローワークでの求人情報に虚偽があり、トラブルにつながるケースも多くあるとのことです。

虚偽の職安求人に罰則 厚労省検討会報告書 ブラック企業対策、懲役刑も
https://www.sankei.com/life/news/160604/lif1606040015-n1.html

virtual technologies引用始め
厚生労働省の有識者検討会は3日、公共職業安定所(ハローワーク)や民間の職業紹介事業者に労働条件を偽った求人を出した企業と幹部に対し、懲役刑を含む罰則を設けるべきとする報告書をまとめた。過酷な労働で若者らの使い捨てが疑われる「ブラック企業」と求職者のトラブルを防ぎ、求人詐欺への牽制(けんせい)を狙う。
引用終わり

厚生労働省の調査によれば、求人内容が実際の労働条件と異なるとの相談は、平成24年度は7783件、25年度(9380件)、26年度(1万2252件)と増加傾向にあります。特に、賃金をめぐるトラブルが最も多く、次いで就業時間や仕事内容の相談なども多数あるとのことです。その対策として、ハローワークなどへの虚偽の求人に関して罰則の対象とすることを検討しています。他にも厚生労働省の残業時間に対する監査対象を80時間に引き下げる(残業80時間で立ち入り調査 対象、300万人に拡大 )などの取り組みが行われており、労働者にとって働きやすい環境が整いつつあるのではないでしょう。

しかし一方で、なりふり構わず仕事が欲しいという人も存在します。その場合、戦後の闇市場のように、違法でもいいから食料が欲しい、でなければ死ぬという状況に置かれた場合、どのような環境であってもマーケットとしては成り立ってしまいます。今でもそれに近い状況が起こっているのではないでしょうか。最低賃金でアルバイトをしている外国人労働者や、住む家を持たず、ネットカフェで暮らしている人であれば、その日の寝床を確保し、その日の食べるものを稼ぐという生活になってしまうでしょう。しかしながら、有効求人倍率が1倍以上であれば、非正規雇用の求人へは誰にも応募しませんし、労働条件をよくせざるを得なくなるでしょう。現状、このような状態になっているのは、正社員雇用と非正規雇用の間に大きな隔たりがあるか、企業と求職者のニーズに大きな隔たりがあるのではないでしょうか。そのような状態であれもダメ、これもダメということで規制を増やしていったとしたら、今までも問題なく経営が行えていた企業に対しても悪影響を及ぼし、ゆくゆくは日本経済全体へも影響が及ぶのではないでしょうか。

shutterstock_302958509-330x220そのためにも規制により「ブラック企業」をなくすという考えもあっていいですが、ブラック企業で働かざるを得なくなった人、そのような会社からやめられなくなった人、生きるためになりふり構わず働かなければならない人などなど、苦しい環境に置かれている人をいかに把握し、その人たちがちゃんとしている企業に就職や転職が行えるような仕組みづくりをするなど、人材側の支援の充実をはかるのも重要ではないでしょうか。

toiawase-1024x226-1