日本人のほとんどの方が持っているスマートフォンですが、5月25日の日本経済新聞の記事によれば、総務省により、今年の夏にも受信速度が最大1.3倍になる見通しという発表があったとのことでした。今回は、現在のスマートフォンの普及とゲーム業界への影響に関しての記事です。
スマホ通信速度、夏にも1.3倍 総務省
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS24H70_U6A520C1EE8000/
引用はじめ
総務省の情報通信技術分科会は24日、スマートフォン(スマホ)の新しい通信技術の利用を今夏にも認める答申をまとめた。データの受信速度が最大1.3倍、送信速度が最大2倍になる。新しい技術に対応した新型のスマホで利用できる見通しだ。
引用終わり
総務省は、昨年の2015年5月19日に情報通信メディアにおける利用時間と情報行動に関する調査を行っています(20代のスマホ所有率は94%、SNS利用率は30代でも8割超 – 総務省が統計調査)。その結果、10代から60代のスマートフォンの普及率は平成26年の段階で62.3%でした。年代別で見れば、10代が68.6%、20代が94.1%、30代が82.2%、40代が72.9%、50代が48.6%、60代が18.3でした。この結果からも10代から40代の方のほとんどの方がスマートフォンを持っていることがわかります。
格安スマホの台頭
これまで、大手携帯会社といえば、docomo、au、ソフトバンクでした。なぜこの3強だったかといえば、型落ちの携帯に関して、機種本体の代金を0円にするというサービスを行ってきたからです。しかし今年初めにこのサービスを廃止し、もし行っていた場合は、行政から指導が入るということあります。その折、注目されたのが、格安スマホです。格安の本体と格安のSIMカードを購入することで代金を抑え、また、スマホの用途によってもサービスが多様にあり、通話を重視するのか、インターネット通信を重視するのかでサービス内容を変えたりもできます。そのため、これまで人気の機種であったiPhoneシリーズやXPERIAシリーズの販売台数が大幅に落ち込むという傾向も見られました。
通信速度の向上がスマホゲームに与える影響
データの送受信が向上するということが発表されましたが、実際どのような変化が起こり得るのでしょうか。簡単に言えば、より多くの情報のやり取りのあるゲームを作ることが可能となるということです。今のスマホゲームの多くは、ゲームで遊ぶためのシステムを最初にインストールしておき、通信では、あまりデータの内容が大きくならないようゲームをプレイする命令であったり、プレイした結果などのやり取りを行っています。加えて、そのタイミングも常時ではなく、画面が切り替わるなどにローディングの画面が入り、データのやり取りを行っています。そうしなければ処理落ちやラグが発生してしまう可能性があったからです。そのため、インターネットのオンラインゲームのようなリアルタイムで行動し、協力してプレイするようなゲームが極端に少ないということになっています。
今回の新しい技術によって、通信速度が上がることによって、モンスターハンターのような協力プレイでのスマホゲームが可能となってくるでしょう。ただもう一つの問題がスマホ自身のスペックです。ほとんどのスマホは、PS2のソフトを動かすだけのスペックがあり、最新のスマホであればPS3のソフトも問題なく動くほどとまで言われています。ただ先にあげた格安スマホが普及を考えれば、ユーザーごとのスマホのスペックがどんどん開いていくのではないかと考えられます。そのため、低スペックのスマホだった場合、ラグのみでなく、バッテリーの消耗が激しくなったり、高温に発熱したり、契約の内容によっては莫大な通信料もしくは、許容量オーバーによる通信制限などになる可能性があります。そのため、ゲームを作るクリエイターにとっては、広い層にプレイしてもらうためのこれまでどおりの処理でゲームを作るか、ゲーム性を重視し、コアなユーザーを狙ったゲームにするのか明確にした上でゲームの企画を考える必要があります。一方、ユーザーもどんな事に活用するかを考えた上でスマホを購入する時代となってくるのではないでしょうか。