ゲーム業界 ニュース steamがビットコインでの決済に対応 ゲーム業界への影響は?

今回の記事はゲームプラットフォームのsteamが、ビットコインを決済手段の1つとして採用する事を決定したというニュースについて記事を書きたいと思いまあす。日本ではまだまだ普及しておらず存在感の薄いビットコインですが、steamが採用した、ということは、ゲーム業界にどんなインパクトをもたらすのでしょうか?

Fotolia_99119858_Subscription_Monthly_Mそもそもビットコインとは

そもそも、ビットコインとは何なのでしょう。ビットコインは、一言で表現するなら、「仮想通貨」です。ビットコインは、紙幣や硬貨という形で存在するのでは無く、インターネット上に情報としてのみ存在します。ビットコインの大きな特徴は、流通に中央銀行を必要としないという事です。通常日本円やドルが通貨として信用を持ち流通するには、通貨としての価値を担保する組織が必要になります。つまり誰かがそれを管理する必要があるということですが、管理を特定の組織や集団に頼ることが、通貨の不安定さの原因でもあります。消費者の動向や投資家の心理など大きな経済のうねりによってインフレやデフレが起こり、貨幣の価値は絶えず上下しています。

その点、ビットコインにはこうした不安定さがありません。ビットコインは通貨の発行総量が決まっており、誰かの意図で急激に増やしたり減らしたりすることの出来ない仕組みになっています。特定の誰かに管理を委ねずに、ネット上に管理台帳が存在しているので、常にビットコインは純粋な交換手段としての中立性を保つ事が出来るのです。決済に際して特定の機関の承認が不要であり、二者間での合意があれば、即時に決済が行えるというところがビットコインの強みです。

shutterstock_94234969ビットコイン決済での問題とビットコインの長所

ビットコインは、特定の組織に管理を委ねていることによる貨幣流通の歪み、送金コストなどをゼロにし、貨幣よりオープンで公平な経済が実現することを目的としています。しかし、ビットコインが現実で適用されるには、いくつかの障害があるということが指摘されてきました。1つには、現物の貨幣では無く情報の産物であるので」、ハッキングや窃盗といったトラブルに恒常的にさらされているといういう点です。また、秘匿性が高くどんな用途でも使えることから、ドラッグの取引を初めとする違法な取引に悪用される危険性があります。また、投機目的でのビットコイン運用により、相場が上下することもあり、理想とする状態とは離れた現状もあります。

とはいえ、ネット上で他の決済手段に比べてスムーズなビットコインはネット上で展開されるサービスと相性がよく、ビットコイン決済を導入するサービスは増え続けています。例えば日本における有名どころで言えば、通販サイトの楽天がビットコインを採用しています。リアルな店舗においても、徐々に勢力を伸ばしています。

(こちらは、ビットコインの使えるリアルな店舗についてのマップです。弊社ビ・ハイアのある表参道付近では、15店舗で利用可能になっていました。)
https://coinmap.org/#/map/50.07675225/14.44805145/13

shutterstock_327044876ビットコイン決済と、オンラインゲーム

今回ビットコイン決済を採用したsteamはオンラインゲームの代表的なプラットフォームです。オンラインゲームもまた、ビットコイン決済には親和性の高いコンテンツであるといえます。人気のオンラインゲームとなれば、プレイヤーは世界中に展開しており、あらゆる国のサイトからユーザーが流入してきます。簡潔な手続きを踏むことで直ぐに海外のタイトルでも遊ぶことのできるビットコインは、新しいユーザーの獲得に一役か買うでしょう。

また、日本プレイヤーには馴染みが無いかもしれませんが、アメリカや中国ではRMT(リアルマネートレード)市場が発達しています。RMTとはオンラインゲームの内部におけるアイテムを現実世界で取引することを言いますが、取引の多くはユーザー同士の二者間です。ビットコインが秘匿性、セキュリティなどの面で問題を解決出来れば、リアルマネートレードに於いてもビットコインは有用な手段になるのではないでしょうか。

いずれにしても、steamという有力なプラットフォームがビットコインを採用したという事実は大きいです。今回の件がビットコインの普及について大きな呼び水になるかもしれません。