そろそろゴールデンウィークにさしかかりますね。今年のゴールデンウィークは、気持ちのいい五月晴れが続きそうです。せわしない仕事の日常を忘れて、思い切り羽を伸ばそう!と画策している人も多いのでは無いでしょうか。かくいう私も、ゴールデンウィークは久しぶりに実家に帰って古くからの友人に会ったり、お世話になった恩師に挨拶しに行こうかなと考えている所です。
そんな希望溢れるゴールデンウィークですが、ゴールデンウィークを休めない人が日本にはなんと14%以上もいるってご存知でしたか?マイナビニュースさんの調査によれば、カレンダー通りに休日を取得する人が32.1%いる一方で、「休みを全く取らない」という人も14.1%存在します。ゴールデンウィークが日本人にとって絶好の羽休めのチャンスだとすると、そこで全く休めない人が10人に1人以上いるというのは意外な事実です。
※画像はlivedoor NEWSにリンクします。
さて、このニュースに関連しますが、現在ネットで話題を読んでいる言葉が存在します。それは「全人格的労働」という言葉で。これは産業医の阿部眞雄さんという方が、著書の「快適職場の作り方」という本で使った言葉です。会社のリクエストに答えようと、人生の時間も、自分の人格も全て捧げるように会社中心に生きることを指して使った言葉です。会社から帰ってもいつも携帯のラインで仕事のメッセージが気になる・・・。ゴールデンウィーク中にも会社から呼ばれると何もかも差し置いて会社に駆けつける・・・。仕事に全身全霊でフルコミットして振り回され、身も心も捧げていく姿を「全人格的」と言うなんて、何とも痛烈な言葉です。
仕事が好きで、一日中でも続けられる、という意味でのフルコミットなら素晴らしいことだと思います。しかし、仕事自体を好きになれないにも関わらず、会社における責任ばかりが気にかかって時間を浪費するのは不幸なことです。現在はスマートフォンが生活インフラとして定着し、いつでもどこでも仕事ができる環境が出来上がってしまったことも、日本人のオーバーワークに拍車をかけています。
とはいえ、労働者は多かれ少なかれ会社によって抑圧され、搾取されてしまう存在であることも事実です。少し前に流行った漫画に「蟹工船」というものがありました。「蟹工船」は小林多喜二さという作家が、蟹を獲る漁船の中で酷使され、貧困にあえぐ労働者達を描いた小説です。小林多喜二に影響を与えた人が誰かと言えば、「資本論」を書いたマルクスでしょう。資本論でマルクスは、労働者が自分の時間を切り売りして商品にして加速して行く資本主義の社会を書きました。マルクスが書いた資本主義社会は、仕事終わりにも携帯にかじりつく現代にもそっくり当てはまります。
漫画版の「蟹工船」は、小説の描写を忠実に再現しており話題を呼びました。漫画のいいところは、少し難しい小説や、社会の問題についても、生々しくリアルなものとして描き出せる所にあります。「全人格的労働」や「資本論」にピンとこない人は、是非漫画版の「蟹工船」を読んでみてはいかがでしょうか。ゴールデンウィーク中のお供にしてみてください。
もちろん、好きこのんでワーカホリックになっているクリエイターさんには何の問題もありませんし、そのまま是非いい作品をつくって頂ければと思います。「最近少し仕事しすぎかも?」と思っている人には、上であげているような作品に、休みのうちに触れて見るのは、おすすめですよ。お休み明けに転職したくなったら、是非ラクジョブにご相談を!(笑)。