ゲーム業界を根本的に変えてしまうかも? 人工知能がなぜ今ブームか 人工知能にできること、できないことは何か

shutterstock_180754775-330x330人工知能とゲーム

記事を読んでいただき有り難うございます。今回の記事は、人工知能についての話題です。人工知能は、VR技術、IOT技術と合わせて、現代社会に影響を与える可能性のある技術です。当然ゲームにも人口知能技術が取り入れられていくでしょうし、新しい遊びが創出されていくでしょう。今回の記事では、人工知能技術についての理解を深め、これから産まれてくる新しいゲームについて理解する為に不可欠な知識について書きたいと思います。

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人工知能の歴史は古かった

人工知能は人間の手によってプログラミングをせずとも、機械が自発的に外の世界の情報を収集し、 学習してゆく事でコンピュータ内で発達していく知能のことを指します。人工知能が学習し発達してゆくプロセスはまさに、人間が外界からの情報をキャッチし、自分の認知のパターンを変えてゆく人間の姿をモデルにしています。人工知能についての研究は歴史が古く、1950年代にまで遡ります。人工知能というコンセプトが産まれてからすでに60年間が経過しようとしている訳ですが、その歴史は、機械が単純に人間によって予めプログラミングされたタスクを遂行するだけの存在から、プログラミングそのものを状況に応じて自ら書き換えられるようになるまでの課程でした。

人工知能についての話題になると必ず出てくる、「人工知能はやがて人間の知能を超えて、そのうちに人工知能が人間社会を脅かすのではないか?」といった人工知能に対する恐怖感も、1950年代には既にSFの作家が指摘していた事でした。(左の画像は、アイザックアシモフの「われはロボット」という作品です。初版は1950年。)つまり、現在の人工知能ブームは、特に新しいことでは無く、学者や知識人の間では充分に想定されていたことが実現しているだけ、ともいえます。

l_167なぜ現在、人工知能なのか

ではなぜ今になって人工知能が注目を集めているのでしょうか。それは人工知能のレベルが高まり、「知性を持ったAI」、「自分で考えることが出来るAI」という、人工知能の理想型が実現することにリアリティが出て来たことが理由の1つです。2000年代に入ってから、人工知能の学習のプロセスの中に「深層学習」というコンセプトが産まれました。既存の人工知能は、データをコンピュータに読み込ませた上で、そのデータの解析方法についても人間がインプットすることで、パターンを人工知能に把握させ、学習を進めていくという方法でした。しかし深層学習は膨大なデータを与えると、機械がそのデータのカオスの中で何が要点であり、何が共通点であり、したがってどういったパターン類型をすれば良いのか、自分で判断することができます。つまり人間の手を借りずに自立的に学習をすることが出来るという事であり、人間の知能を模倣するという意味で飛躍的に進歩がありました。

dessan現在の人工知能に出来ること、出来ないこと

進歩した現在の人口知能では、囲碁や将棋などの複雑なルールをもつゲームについて人間以上に学習することができます。しかし、現在の人口知能にもできないことがあります。それは感情を含んだ判断をすることです。人間が思考し、判断する上で、必ずしも論理的で無い判断が下される時、そこには必ず感情が介在します。感情次第で人間は判断を誤りもするし、理屈では説明のつかない行動をするわけですが、そうした不確定さを機械はまだ再現出来ません。

iphoneのSiriがどこか優等生的な反応ばかりではなく、たまにイライラさせたり、時には悲しそうにしていたり、そんな知能が出来たら素敵でもある一方でどこか恐ろしいですね。