最近、pixivやtwitterなどで可愛いと話題となっている、「NEW HORIZON(ニューホライズン)」英語教師エレン・ベーカー先生ですが、あまりの反響の大きさに出版元の東京書籍からキャラクターの取り扱いについてお知らせ出されました。今回は、
™NEW HORIZONのキャラクターについて(東京書籍 お知らせより)
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/news/detail/132/
引用始め
掲載にあたっては,各学習場面で内容がより伝わるように細かく配慮を行い,また,生徒指導上支障が起こらないように服装や髪形等について事前に先生方からご指導いただくなどの注意を払っております。中学生の皆さんが,教科書の紙面の中で生き生きとしたキャラクターが活躍するのを見て,もっともっと英語を学びたいという気持ちになり,またグローバル社会に生きる日本人として,日本の伝統・文化を世界に発信し,異文化への理解を深めていただけることを願っております。
なお, 教材,図書,インターネット等でのキャラクターの使用をご希望の場合,許諾申請は教科書著作権協会(https://www.jactex.jp/)までお願いいたします。上記のキャラクター設定の趣旨から著しく逸脱すると見なさざるをえないケース等,許諾いたしかねる場合もあります
引用終わり
業界の認識のギャップ
今回のこの対応は、2次創作をやっている方々にとっては過剰とも思えるでしょう。一般的なアニメやゲームやマンガの2次創作であれば、ガイドラインが制定されているその基準がゆるかったり、黙認という形で2次創作ができてきました。しかし今回の版権元は教科書著作権協会が持っているため2次創作との関わりがなかった業界になります。そして、教育分野ということもあり、2次創作特有の設定を逸脱した表現等で、それを見て不快に思う親が少なからずいるという状況です。そのような業界事情があるため東京出版はこのような対応を取ったのではないでしょうか。
これまでの2次創作においても
一見、何でもできると思いがちな2次創作の分野ですが、実は、版権元のガイドラインの定めた中で行われています。そのため、そのガイドラインを逸脱したようなものであれば、差しとめの要求が来ることもあるのです。例えば、人気ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」というゲームがあります。そのキャラクターのコスプレをしたレイヤーさんがおり、そのROMをDL販売サイトなどで販売していたところ、あまりにもコスプレ衣装の露出が多かったため、公序良俗に反するということでDMMとKADOKAWAから著作権侵害として販売中止なるというケースもありました。
今回のキャラクター設定に関しても、イラストレーターに自由度があったとしても、学校教育に携わる先生たちから、指導に支障がないようにという配慮の元、服装や髪型などを考えたとあります。そのため、教育面とキャラクター設定の趣旨から著しく逸脱したものに関しては認められないということです。そして、もし、教材や図書、インターネット等でキャラクターを使用するときは、許諾申請のために教科書著作権協会への連絡が必要となるということです。なので闇雲にpixivやツイッターに画像をアップすることは著作権違反の対象となり得るでしょう。よくR-18指定で年齢制限が書けれられるものがありますが、これはさらに厳しいものです。
今回の件は、業界の違いや教育という背景による認識の違いによって起こったことだと思います。ただ、今までなかった分野の方々がこのようなコンテンツを使ってくれるということはアニメゲーム漫画業界によってプラスでしょう。今後、さらに異業界の方々がこの分野に乗り出してこようと思えるように、お互いの許容する範囲で2次創作の分野を発展させていけたらいいのではないでしょうか。