コントローラーで演奏
皆さんはゲーム音楽お好きですか?テレビゲーム、デジタルゲームにおいて、音楽はなくてはなら無い存在です。ということは皆さん、言われなくても分かりますよね。失礼しました。当記事筆者であります山崎はゲーム音楽がとても好きです。ゲームサントラはすべてジャンルをGame Musicに手直ししているのですが、この前調べたら自分のiTunesには1万曲ほどのGame Musicがありました。そんなゲーム音楽大好き人間の山崎ですが、こんなニュースがゲーム情報サイトiNSIDEに掲載されていました。
https://www.inside-games.jp/article/2016/04/13/97797.html
ゲームのコントローラーから送られる信号をMIDI化するプラグインを使って、4人でコントローラーを使ってゲーム音楽を奏でるという、愛に溢れた動画です。任天堂がDSで発売していた「大合奏バンドブラザーズ」を思い出しますね。「バンブラ」は音ゲーなので譜面に合わせてボタンを押せばいいのですが、この動画のような演奏の仕方だとそうは行きません。暗譜した上で息を合わせて演奏をするというのは、相当な練習が必要だと思います。すごい!ところで、私は楽器が弾けないくせに音楽制作を趣味にしているのですが、この動画を見て「一番最初に弾けるようになった楽器はプレステのコントローラーです」という風に言える用になったら、ちょっと面白いかもと思ってしまいました。
ゲーム機の実機で音楽を奏でるバンド
こちらは有名なNES BANDです。ご存知の方結構いらっしゃるかと思います。キーボード4人編成のバンドなのですが、使う音はファミコンの実機から実際に流している「本物のファミコンの音」です。ファミコンで使われる音色は現在、DTMソフトやDAWに付属で付いてくるソフトシンセサイザーによって簡単に似たような音を再現できるのですが、あくまでもそうして作られた音は「再現」でしかありません。さらにこのNES BANDはとてもこだわっていて、それぞれのキーボーディストにつき1つのチャンネルという役割分担で演奏します。ファミコンの音声チップは基本的に矩形波×2、三角波×1、ノイズ×1の4種類の音が鳴らせます。ということは同時に発音できるのは3~4つまでです。足り無い場合はソフトウェアに音源チップを乗せて鳴らします。それを人の力で忠実に再現するということを目的に活動しているのがNES BAND。音楽とゲームに対する愛情が炸裂していますね!
今年の1月には「ファミコンで動く音楽アルバム」が発売されていたのをご存知でしたか?
その名も 8BIT MUSIC POWER (8ビットミュージックパワー)。ラジカセやオーディオコンポでCDを聞くように、このアルバムはFC実機や昨今発売されているFC互換機にさすことによって音楽を聞くことができるという、時代も音楽のコンテンツを楽しむ方法も「逆転の発想」で捉え直した画期的なソフトです。個人的にはこういう取り組みがさらに増えていくことを期待しています。
制約があるからこそ光るもの
今でこそゲームの音楽はmp3などに圧縮して、そのデータをそのまま流すことができる時代になりましたが、昔のゲームはハードそのものについている音源チップをプログラミング制御で音を鳴らしていました。容量や音源の制限、音色の制限などがあり、今のゲームの音楽に慣れ親しんだ人からすると物足りないイメージがあるかもしれません。しかし、今でこそオーケストラで演奏されているドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどの名曲は、たった3~4つの音しか使えず、出せる音も電子音のピコピコという厳しすぎる制限のもとに生まれたものです。自由であればあるほど選択肢は多くなりますが、多すぎて一つ一つの作業が煩雑になったり、まとまりのない音楽になってしまったりすることもあるはずです。
当時のゲーム音楽に名曲と名高いものが生み出され続けたのは、そのような厳しい制限があったことも、一つ要因になるのではないでしょうか。現に、コントローラーで演奏する制約、実機の音で1チャンネルずつ演奏する制約、ファミコンの実機で慣らすためにプログラミングしてまで音楽を作るという制約と努力によって、新しいハイクオリティなコンテンツが生み出されています。もっとゲーム音楽業界が盛り上がって、様々な年代の音楽やジャンルに関心を持つ人が増えることは、ゲーム業界、ひいてはゲーム音楽業界発展につながると思いますので、山崎は個人的に全力でこのような取り組みを応援したいです!
記事を読んでいただきありがとうございました!