4月11日の日本経済新聞に「日本マンガの英語出版事業買収 KADOKAWA、米大手から」という記事が掲載されました。この他にもKADOKAWAでは、米動画配信大手Crunchyrollとの提携とアメリカへの進出が活発に行われています。
日本マンガの英語出版事業買収 KADOKAWA、米大手から
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11HZC_R10C16A4TJC000/
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KADOKAWAは11日、米出版大手から日本のマンガ・ライトノベルの英語出版事業を買収すると発表した。アシェットブックグループ(ニューヨーク州)のマンガ・ライトノベル出版事業を分社化して合弁会社を設立し、月内に株式の51%を取得する。取得金額は非公開。国内で出版市場が伸び悩む中で、米国のマンガ人気の拡大を取り込む。
買収先の事業はマンガの英語出版で北米第2位の規模。設立した合弁会社エンプレスで日本作品の翻訳や販売をする。
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ライトノベル市場は2012年をピークに減少傾向となっています。最近では、「ソードアートオンライン」の大ヒットがあったもののそれに続くヒット作は生まれてきていません。一方で世界からは、日本のアニメが注目されていることもあり、海外展開を考えたのではないでしょうか。また、海外のマンガ・ライトノベル出版事業を買収したことにより、特にKADOKAWAから出版されている作品の執筆と翻訳が今まで以上にスムーズに進められるようになるのでしょう。
画像引用元(https://d.hatena.ne.jp/Matsu23/20150420/p1)
KADOKAWA、米Crunchyrollと提携 新作アニメの海外配信を包括許諾
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1604/12/news078.html
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KADOKAWAは4月11日、動画配信大手の米Crunchyrollと提携したと発表した。今後1年間にテレビ放送するKADOKAWAのアニメ作品について、アジアを除く海外への配信権を包括的に許諾するほか、今後制作予定のKADOKAWAアニメにCrunchyrollが出資する。
Crunchyrollは、アニメなど日本のコンテンツに特化した配信プラットフォームで、ユーザー数は2000万人以上。動画は8カ国語でサイマル配信している。
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アニメ業界にとってもプラス
日本のアニメにとって、問題として取り上げられるのが、人や予算の問題です。アニメーターがまず、最初に担当する動画部分の平均年収が111万円と、低賃金ということはよく取り上げられます。一方で、遊技機のお仕事や「進撃のバハムート」のような好調な業界からの出資を得ることによって予算組みがしやすくなったり、アニメーターへの見返りが良くなったりするケースも見られます。今回のように、海外の動画配信サイトから出資を得られるということは今後のアニメ制作の環境改善の面で一歩前進したと言えるのではないでしょうか。また、今回のことで海外の視聴者は、KADOKAWAアニメをより早く見ることができることになるでしょう。
今回のKADOKAWAの取り組みは、マンガ・ライトノベルの英語出版事業の新会社「Yen Press」とCrunchyrollとの提携によるアニメ配信と2分野にまたがっています。KADOKAWAとしては、マンガ・ライトノベル、アニメと同時展開をするメディアミックスをアメリカでも展開しようとしているのでしょう。
これまでは言葉の壁や権利の壁などで、海外展開が遅れ、最新の情報を仕入れるためには海賊版のような著作権的に問題のあるものやサイトの配信を活用してしまうということが見られました。しかし、海外企業との密な関係性がもっと広がり、アメリカのみならず世界各国への同時展開や、海外企業からの日本コンテンツの支援で世界中が同時に盛り上がりより良いコンテンツを生み出すような世の中になっていけばと思います。