低スペックPCで最新ゲームを遊び続ける
https://jp.automaton.am/articles/newsjp/fight-never-ends-between-lowspecgamer-and-newest3dgame/
少し古いニュースですが、レトロゲーム好きの私にとっても、関心の高いニュースがAVTOMATONで報じられていました。記事によると、ハイエンドPCで遊ぶことを前提に作られたような高画質の最新ゲームの画質をカスタマイズして、低スペックPCでも操作感に遜色なく遊べるようにするという取り組みをしている方をピックアップした記事です。
(引用開始)
ValveがおこなっているSteamユーザーを対象としたハードウェア & ソフトウェア使用率の2月報告によれば、いわゆる“低スペック”の代表であるオンボードのビデオカード「Intel HD Graphics 4000」は、「NVIDIA GeForce GTX 970」に次ぐ2位のシェアを誇っている。このように、ハイエンドなビデオゲームが次々にリリースされている今日のPCゲーム市場においても、低スペックユーザーは一定数存在している。
(引用終了)
PCゲームを遊ぶ人々が全て高画質にこだわっているわけではなく、ハイエンドなグラフィックボードを購入できず、低スペックと呼ばれる環境で遊んでいるユーザーは実は少なくないのです。ゲーム開発における映像面での進歩はめざましく、VRの登場によってゲームの高画質化は更に加速してくでしょう。しかし、そんな開発業者のクリエイター魂とは裏腹に、プレイ可能ギリギリの環境でなんとか粘って頑張っているユーザーの存在を忘れてはなりません。
ハードが進化することによる影響
エポック社のテレビテニスが日本初のテレビゲームとしてうりだされてから今年で41年。この41年間の間にゲームの映像の進化は凄まじいものがあります。その発展に貢献したのはソニーです。ソニー製のゲームが映像の表現方法の幅を広げたと言っても良いでしょう。94年のプレイステーション、2000年のプレイステーション2、6年後にプレイステーション3、7年後の2013年にはプレイステーション4が発売されました。プレイステーション~PS4の間はわずか約20年です。この20年の間に、まるでモニターの中には一つの世界がそのまま生み出されたかのような臨場感を持つ映像世界が広がるようになりました。
しかし、よりリアルな映像を作ろうとするとそれだけで莫大な費用がかかり、ハリウッド映画1本作りよりもゲームを作るほうが高くなる時代がやってきてしまいました。グランド・セフト・オート5の制作費は約265億円と言われています。またお金に余裕のある人はまだ良いとして、さほど余裕のない人からすると、PS4の価格などはポンと出せる値段ではありません。パソコン・ゲームについても同じで、自作でPCをハイスペックに増築する知識や費用を持っている人たちに向けたような、ハイエンドモデル対象のゲームなども多数開発されてきました。そんな中今回取り上げさせていただいた記事で紹介されていた方は、低スペックと呼ばれるPCだったとしても、工夫次第で遊べるようになるということを示し続け、画質を極端に低下させるという逆転の発想で注目を集めています。
ゲームは画質じゃない
デジタルゲームの歴史の中で、グラフィックが賞賛されたゲームは数あれど、「本当に面白かった!」と評価されるゲームは一握りです。世界で一番売れたアクションゲームは未だに「スーパーマリオブラザーズ」であり、先ほど制作費に関する話題の時に触れたグランド・セフト・オートシリーズで一番のセールスを上げたのはシリーズ5作目のサンアンドレサスです。これはPS2のソフトで、全世界で最も売れたPS2用ソフトです。
ゲーム業界全体の動向や流行など不確定要素が多く正しいことは言えないかもしれませんが、ゲームで重要なのは画質なのではなく、「ゲームとして良い体験ができるか否か」なのではないでしょうか。高画質化が進み、ムービーが多様化されたゲームなどは「ムービーゲー」と揶揄されるという現象がありました。ハイエンドPCで遊ばれているソフトの中には、今までのゲームとは比べられないほど「ゲームとして良い体験ができる」作品があるのかもしれませんが、要求されるスペック次第でそもそもプレイすることが出来ないというのは、なかなかに勿体無いことではないでしょうか。それに、映像が崩れたとしてもゲームは残ります。しかしゲームが崩れてしまえば、いくら映像が良くても単なる映像作品にしかなりません。それではゲームとしては失格です。今回の記事は改めてそのことを我々に伝えてくれるニュースだと考えます。