記事を読んでいただき有難うございます。今回の話題は「MGS」(メタルギアソリッド)についてです。時代の最先端の技術を取り込んだ映像表現や、重厚なストーリーで毎回ファンの目を引き付けている潜入アクションゲーム「メタルギアソリッド」シリーズ。今回取り上げるのはその一作目である「メタルギアソリッド」についてです。
メタルギアソリッドは、メタルギアシリーズの中でも最初にプレイステーションで3D化した作品です。前作のメタルギア2までは平面な2D画面におけるスクロールによってゲームが進行していました。本作からは3D化して、敵兵の吐息、監視カメラの存在などゲームの各種要素が洗練され、より緊迫感のあるアクションゲームへと生まれ変わりました。
重厚なストーリーも本作の魅力であり、国家の思惑やそれぞれのバックボーンを持ったテロリスト集団の間で孤独に戦うスネークが描きだされています。米国フォーチュン紙にて「20世紀最高のシナリオ」と評価されたこともあり、その後の「メタルギアソリッド」の骨格を作り上げた作品でもあります。
そんなメタルギアソリッドですが、海外にもファンは根強く存在します。リアルに作りこまれたストーリーや緊迫感あるアクションや魅力あるキャラクターは日本人以外にも愛されており、熱狂的なファンも存在します。
そんなファンの一部が、メタルギアソリッドの二次創作作品を作ったといういうことが話題になっています。タイトルは「Shadow Moses」。海外のファンが非公式に作りあげた本作ですが、ネット上にはトレイラーが掲載されていおり、本家メタルギアと見紛うほどの完成度の高さを見せつけています。私もメタルギアソリッドを遊んでいたのでわかるのですが、見覚えのあるマップ、アイテムの位置や敵兵の挙動など、原作に忠実な面はありながらも、現代風に洗練されたアクションゲームとして生まれかわっていると感動しました。とはいえやはり本家のコナミはこの作品に公認を与えることはできず、本作はお蔵入りになってしまいました。
※画像は公式Facebookより転載
実はメタルギアにはゲームにとどまらず、映画によるリメークも存在します。タイトルは「メタルギアソリッドフィランソロピー」という作品です。これはイタリアのチームが作成した完全なるファンメイドの作品で、2013年に発表がされた際は小島監督もツイッター上にて「最高です。メタル愛を感じて泣きそうになりました。感涙モノです。ファン愛だけではなく、映画としても良くできてます。続きが観たいです〜」と非常に好意的なコメントを残していたこともありました。この作品もゲーム中の会話や、身体動作、ガンスコープの動きに至るまでをゲームに忠実に再現しており、紛れもない「メタルギア」ワールドを作り上げています。こちらも続編の作成が進んでいましたが、今回はコナミの後任が得られず、中途で停止になっていまいました。
メタルギアの強力なオリジナリティー
このように海外でも魅力的な二次創作を生んでいるメタルギアですが、二次創作が豊富であるということは強力なオリジナリティーを作品が有しているということを意味するのではないでしょうか。メタルギアらしさがストーリーやゲームシステムや、あらゆるものの集合体として確立された世界観として強固にあるおかげで、私たち本作に存在しない部分まで想像を膨らませることが出来ます。取り上げた二作品が世に出ることはかないませんでしたが、今後もメタルギアの二次創作は世に出続けるはずです。メタルギアのような作品がもっと世に現れ、コンテンツ業界が二次創作も含め豊かになっていくことを願ってやみません。