ゲーム アルケミスト倒産の背景を作品から考えてみた

スクリーンショット 2016-04-06 12.01.18先日、衝撃的なニュースが入ってきました。ヒット作「ひぐらしのなく頃に」シリーズのコンシューマーゲームを作っていたゲームメーカー「アルケミスト」破産申請を行ったということです。今回は、アルケミストの過去の作品と最近のゲーム業界の傾向についての記事です。

プレイステーション2のゲームソフト「ひぐらしのなく頃に 祭」をはじめ家庭用ゲームソフトの企画・製作を行っていたアルケミスト、近年はヒット作に恵まれず破産申請
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160405-00010002-teikokudb-ind

スクリーンショット 2016-04-06 12.00.49

引用始め
 (株)アルケミスト(TDB企業コード:060049925、資本金8960万円、東京都江東区富岡1-12-8、登記面=北海道札幌市豊平区豊平1条1-1-13、代表浦野重信氏)は、4月1日に札幌地裁へ自己破産を申請した。
引用終わり

アルケミストとは

 アルケミストは、1991年(平成3年)8月に設立され、キャラクターの商品の開発と家庭用ゲームソフトの企画・制作・販売などを手がけていました。特に、PC美少女ゲームをコンシューマーにする作品が多く、2007年に発売した「ひぐらしのなく頃に 祭」という作品は、アニメ化や多数のグッズ化などのメディアミックスがうまくいき、2009年3月期には、年収入高が約13億2600万円にも達しました。

top_picアルケミストが手がけた作品集

(画像はアルケミストホームページ特設サイトより)

アルケミストの作品で最も多かったのが、PCの美少女アドベンチャーゲームです。アージュの「君が望む永遠」を始めとして、オーガストの「月は東に日は西に」などの人気タイトルを、ドリームキャストを皮切りに、Playstation 2などのその時代の人気のあったタイトルをその時のハードに移植するが多くありました。大ヒットした「ひぐらしのなく頃に」も原作は同人サークルが作ったPCアドベンチャーゲームということを考えれば半数以上がPCゲームを原作としたコンシューマーゲームが多いことがわかります。次に多いのが、アニメ化された漫画を原作とした作品です。「ARIA」や「セキレイ」、「咲ーSakiー」を使ったコンシューマーゲームが出されてきました。その他は、小説をモチーフにしたゲームや大人気バラエティーをモチーフにしたゲーム、直近ではPCブラウザの乙女ゲームをリリースしています。

最近のゲーム業界

最近のゲーム業界は、ソーシャルゲームの急速な発展により、勢力図大きく変化しました。市場規模としても半分以上が、ソーシャルゲームやオンラインゲームが占め、家庭用ゲームは、大きく押される傾向があります。家庭ゲーム機のゲームのように、ハードを購入し、加えてソフトを購入と初期費用がかかるのに対して、ソーシャルゲームは、スマホを使ってどこでもできることや初期費用が基本無料という手軽さからがうけ、ライトなユーザーほどソーシャルゲームへ移行した傾向が見られました。そしてさらに苦戦を強いられているのが、美少女ゲームメーカーです。市場規模がピーク時の半分以下になり、販売数もあまり見込めないため、なかなかフルプライスの価格帯のゲームが出しづらい状況です。

chess piecesand handアルケミストの倒産から

今回のアルケミストの倒産を作品と現在のゲーム業界の傾向から見たところ、ソーシャルゲーム業界の影響による、コンシューマーゲームと美少女ゲームの不振という背景が見えてきました。ほかのゲーム開発会社がソーシャルゲームやネイティブアプリの開発、美少女ゲームのソーシャルゲーム化の傾向が見られる中、変わらずコンシューマーでの美少女ゲームにこだわったため、2重苦がかかり業績が悪化したのと推測されます。ソーシャルゲームの対等により、開発のスパンはかなり早くなり、ゲームの移り変わりの傾向も早くなってきています。今後のゲーム開発においては時代の流れを読むとともにユーザーのニーズの一歩先をアイディアが必要となってくるでしょう。

ラクジョブ、採用の相談などは下記からどうぞ

toiawase-1024x226-1