アニメ 日本のアニメーション100周年プロジェクトとは?

来年の2017年で日本のアニメーションが100周年を迎えるということはご存知でしょうか。今から99年前の1917年、東京の浅草で日本初のアニメーション「なまくら刀」が上映されました。そして、来年の2017年に100年周年を迎えるにあたって、日本のアニメーション技術を後世に伝えるためのプロジェクトが立ち上がりました。それが「日本のアニメーション100周年プロジェクト」になります。

「日本アニメーション100周年プロジェクト」コンセプト

「日本のアニメーション100周年プロジェクト」公式サイト
https://anime100.jp/

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今回の企画は、日本動画協会が2016年3月26日に東京ビッグサイトで開催された「AnimeJapan2016」内で発表されたものになります。そして今回のプロジェクトでのコンセプトは3つあります。

引用始め
そのひとつ目となるのが「日本のアニメーション大全」だ。これは,「これまで積み重ねてきたものを系統化してアーカイブする」というもので、これには世界中の人々がアクセスできるようなものを目指すとのこと。
2つ目が「人材の発掘と育成」で,日本の若い人材にアニメーションを作る喜びを体験してもらうイベントを開催するとのことだ。
そして3つ目が「先端技術とのコラボレーション」で,さまざまな業界とコラボレーションを実施する予定だ。
引用終わり

スクリーンショット 2016-03-30 11.00.27日本のアニメーション大全

日本のアニメーションは、1917年から2015年の9月の段階でシリーズ作品を含むタイトル数が約11238作品、サブタイトル数で154106話(アニメ文化プログラム日本のアニメーション100周年プロジェクト趣意書より)という数字にまで登っています。この膨大な情報をデータベース化し、世界中の人々にインターネット上で、日本のアニメの全てを知ってもらえるようにする事を目的としています。

人材の発掘と育成

日本の若い人材にアニメーションを作る喜びを体験してもらうイベントを開催するとコンセプトに掲げているが、具体的には、2017年夏に「日本のアニメーション・サマージャンボリー」という企画を予定しているとのことです。この企画は、小さい子向けに対して、実際に絵を動かす経験をしてもらうことによって興味を持ってもらったり、アニメ業界の裾野を広げるための活動になります。その他には、障害者向けのアニメセミナーやデジタルアニメーター化プロジェクトなどが計画されているとのことです。これがうまくいけば、新たなアニメーターの発掘にもつながり、時間や制作コストのカットにも繋がるでしょう。

anime100_logo先端技術とのコラボレーション

2000年代に入り、メディアミックスプロジェクトなどで、アニメやゲーム、漫画などがかなり短いスパン展開されてくるようになり、ここ数年では、同時に展開されるケースも多くなってきています。他にも、パチンコ、パチスロなどの遊技機や、食品やコンビニとのコラボ、企業CMのための作画アニメなど、さらなる広がりを見せています。加えて、近年では、プロジェクションマッピングや仮想現実(VR)などの先端技術が加わり、これらとの親和性にも期待されます。

今後のアニメ業界に必要なこと

プロジェクト推進座長のアニプレックスの植田益郎氏は、今のアニメ業界が抱える人材不足と経営基盤の脆弱さについてこのプロジェクトで解消したいと述べております。小さい子供に対しての普及活動や障害者へのアニメセミナーといった新たな人材の発掘、デジタルアニメーター化にコストカットや異業種とのコラボレーションによる新規の出資先の開拓などで、これらの問題を解決していきたいのだと考えます。今のアニメ業界の環境がもっと良くなり、いい環境でクリエイターが作品作りに集中でき、いいものをどんどん作っていってもらえればと思っております。

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